『転生したらバーバリアンになった』小説版・第89話ロングあらすじ【初心者向け・保存版】

転生したらバーバリアンだった

バーバリアンとして生き残る – 第89話 「プレイヤー (1)」要約と考察

Surviving the Game as a Barbarian | Chapter: 89 | MVLEMPYR
Player (1) "Name Lee Hansu, age 29, missing for a month, his company filed a missing person report. Tsk, any family?" "Just his mother. But when we contacted he...

第89話は、これまでの展開とは大きく雰囲気が異なります。冒頭で描かれるのは現実世界――失踪事件を追う刑事たちの視点。そして再びラフドニアに戻ったビョルンの内面描写。静けさの中に漂う不安、そして次なる脅威の予兆が示されます。


現実世界パート – 李ハンス失踪事件

物語は突如として“地球”での場面から始まります。

  • 失踪者:李ハンス(29歳)
  • 状況:1か月前に失踪。勤務先から行方不明届。家族は母親のみだが、関与を拒否。
  • 特徴:CCTVには帰宅する姿のみが映っており、外出する姿はなし。窓も施錠され侵入痕もなし。服は部屋に残され、まるで“身体だけが消えた”かのよう。

捜査を担当する刑事は「単なる失踪ではない」と直感します。さらに現場に残されたモニターには、電源を入れていないのに黒い画面に奇妙なログが表示され続けていました。

「成人の儀式が完了しました」
「新しい装備を獲得しました」
「ビョルン・ヤン……」

これは、読者からすればゲームのシステムログそのもの。
刑事たちは意味を掴めずにいますが、「海外でも類似事件がある」という情報が示されます。

――ここで初めて、物語世界と現実世界のリンクが本格的に描写されました。


ラフドニアに帰還 – 平穏すぎる迷宮探索

場面は再びビョルンに戻ります。
彼は今回の遠征でも生還し、空を仰ぎながら「また生き延びた」と実感します。

これまでと大きく違うのは、その“平穏さ”。

  • 1階層から9時間で岩石砂漠(2階層)へ到達。
  • 4日目には3階層「巡礼者の道」へ到達。
  • 8日目には4階層「天空の塔」に突入。
  • 遭遇した魔物:ゴーレム、メガリス、ドラゴン種、バンシー女王、ドレイクなど。
  • 初遭遇時にミスはあったが、致命的な危機は一度もなし。

これまでの地獄のような冒険とは真逆に、順調そのもの。むしろ「何も起きなかった」ことにビョルン自身が戸惑いを覚えます。

『塔は訓練の場だとはよく言ったものだ』

大量の経験値を得つつも、事件や強敵との死闘がなかったため、結果的に稼ぎは少なく感じられました。


稼ぎと生活 – 平凡な日常への違和感

戦利品を換算すると、各自 78万ストーン。前回より少ないものの、十分な額。
だが“荒稼ぎ”に慣れた仲間たちは「なんだか物足りない」と口を揃えます。

街に戻ったビョルンは、

  • チームとの飲み会や交流
  • レイヴンへの定期的な協力(先延ばしされ続ける「先輩」案件)
  • 図書館での禁書調査

と、穏やかすぎる日常を過ごします。

しかし、平和が続くほど逆に不安が募る。
「順調であるほど危険だ」という、冒険者としての本能が彼を苛みます。


自分を叱咤 – 平穏は罠だ

ビョルンはベッドに横たわり、自問します。

  • この生活で宿をもっと良い部屋に替えるまで、どれほどかかる?
  • レベル上げも頭打ちし、成長が停滞しているのでは?

「順調すぎる」と気づいた瞬間、彼は自らの頬を叩き、警戒を新たにします。

『常に最悪を想定しろ。』
『狂人であるなら、生き残る狂人でありたい。』

彼の生存戦略は“妄想的なまでの危機意識”に支えられており、それは決して崩してはならない習慣なのです。


ミーシャとのやり取り – 無邪気さと危うさ

翌朝、ミーシャと朝食を共にする場面では一転してコミカルなやり取り。

  • 彼女は突然「耳を触っていい?」とお願いする。幼少期に兄からそうされて気持ちよかったから、という理由。
  • ビョルンは「誤解を招くから他の人にそんなことを言うな」と諭す。

この場面は笑いながらも、ミーシャの“純粋さゆえの無防備さ”を強調しています。彼女は善良すぎるがゆえに悪意に利用されかねない危うさを秘めています。

最終的に彼女は肉を焼いて食べさせることで機嫌を取り、ビョルンも「成長のために肉は悪くない」と受け入れます。


図書館での警告 – 次なる災厄の兆し

その後、いつものように図書館を訪れたビョルン。
司書ラグナはいつになく言葉を選びながら、彼に“警告”を告げます。

「迷宮で次元崩壊が起こるかもしれない」

次元崩壊――。
それはフロアマスターなどとは比べものにならない、迷宮最大級の災厄。

「最近やけに静かだったのは、その前触れなのかもしれない」とビョルンは直感します。


第89話のテーマと意味

  1. 現実世界とのリンク
    • 李ハンス失踪事件を通じて、読者に「この世界はゲーム世界と繋がっている」という強烈な示唆を与える。システムログの描写はメタ的な衝撃。
  2. 平穏と不安の反比例
    • 冒険が順調すぎることで逆に不安が募るビョルンの心境。彼の生存哲学は「楽観せず、常に最悪を想定する」ことにある。
  3. 仲間との距離感
    • ドゥワルキーの計算ミスや、ミーシャの無邪気さ。パーティーの中での軽妙なやり取りは人間味を与える一方、潜む危うさを描き出している。
  4. 次なる災厄への伏線
    • ラグナの「次元崩壊」の言葉は、これまでの平穏を打ち破る新たな試練の到来を予告する。

まとめ

第89話「プレイヤー (1)」は、物語のスケールを一気に拡張する重要な回でした。

  • 冒頭で現実世界を描き、プレイヤー失踪事件という新たなミステリーを提示。
  • ビョルン視点では、平穏すぎる迷宮探索と、それに伴う不安を描写。
  • 最後に「次元崩壊」という災厄の前兆を示し、次章への不安と期待を煽る。

これまでの「冒険者のサバイバル譚」は、ここから「世界の謎と構造に迫る物語」へと大きく踏み出します。

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