【暴かれる仮面】“獅子”は誰だ──マスター再臨と正体当てゲームの行方『転生したらバーバリアンだった』197話まとめ
ブログ向け長文要約+考察。固有名詞は統一表記(レイヴン/アイナル/ミーシャ・カルシュタイン ほか)。英語は用いず、日本語で読みやすく整理しています。
まずは3行で
- 円卓(Watchers of the Round Table)に創設者=マスターが一年ぶりに電撃乱入。
- これまで“獅子(ライオン)”がマスターの知己を装っていた構図にスポットが当たるが、マスターは「嘘ではない」と擁護しつつ、**獅子=李白虎(イ・ベッコ)**だと“勘違い”。
- 退場間際、マスターが脳内伝声で「お前はあの“ガキ”じゃない」と看破。介入はしないと告げ、去っていく。
詳細あらすじ
「招待したのは誰だ?」
円卓は高品質情報の交換サロン。ここに白無地の仮面をつけた創設者=マスターが、会議開始後という“本来入室不可”のタイミングで現れる。
過去、狐(フォックス)は獅子に「マスターの行方を知っているの?」と問うた際、獅子の含み笑いと無言から“知己”だと誤解していた。そこへ当人降臨。狐は思わず——
「マスターが彼を招いたのでは?」
ところが当のマスターは招待を否定。場の視線は一斉に獅子へ。「君は嘘をついたのか?」という空気が漂う。
獅子の“押し切り”と、マスターの誤認
獅子は平然とした態度で「嘘はついていない」と押し切る。
するとマスターが割って入り、「彼は嘘をついていない」と擁護。続けてこう言い出す。
「ああ、わかった。お前が誰か。最初は“虎”側かと思ったが……兵士か」
ここで獅子は直感する。マスターは李白虎(ベッコ)と自分を取り違えている。
李白虎は“早期版の薬”で接続時間が1時間しかないため、本来この会合には出られない。にもかかわらずマスターはベッコの接続事情すら把握していない。つまり親密ではない。この“距離感”を読み、獅子はベッコを装うという賭けに出る。
獅子「ここでは何と呼べばいい?」
マスター「いつも通り“じいさん”でいい」
ここで呼称ミスを即時修正し、くだけた口調に切替。マスターは上機嫌に受け入れる。
このやり取りで、円卓の面々は**マスターお墨付きの“大物”**として獅子を見るようになり、**道化(クラウン)や三日月(クレセントムーン)**まで目を丸くする。
急報:6人版の“連結術”
マスターは「長居はできない」と前置きし、急報を投下する。
「最大6人を結ぶ連結術が、2年以内に成立する。深淵の門の“鍵”が6本になる」
しかし場は静まり返る。理由は単純で、この情報は前回、道化が既に流していたからだ。マスターも「拍子抜けだ」と苦笑。
退場直前の“ささやき”
いよいよマスターの姿がノイズのように揺らぎはじめる。最後に獅子だけを見据え、頭の内側へ直接“声”を落とす。
【“じいさん”じゃない。“ジジイ”だ】
【あのガキ(=李白虎)はそう呼んだ】
——看破。最初から獅子がベッコ本人でないことは半ば気づいていたらしい。
ただし続く言葉は意外にも柔らかい。
【お前のやることに口を出す気はない。今日は時間がない。また会えたら話そう】
こうしてマスターは不干渉を宣言して消える。獅子は乾いた笑いを漏らす——「この世界、イージーモードの相手なんて一人もいない」。
ポイント整理
- 誤解の活用:獅子は“沈黙”と“態度”で作ってきた曖昧な印象操作を、マスターの誤認という“風”に乗せて一段引き上げた。
- 親密度の推理:
- ベッコは接続1時間の制約があるのに、マスターは知らない ⇒ 近しくない
- だからベッコの口調や距離感を“演技”で補正可能、と判断。
- 運営/サロンの二重権力(前話から継続):
- コミュニティ側の**管理者(GM)と、円卓の創設者(マスター)**は別レイヤー。
- それぞれが規約を越権できる。獅子の“仮面”は常に二方向から剥がれうる。
キャラの心の揺れ
- 獅子(ビョルンのオンライン人格):
“笑って押し切る”胆力と、一瞬で態度を切り替える演技力。
看破のささやきに心拍が跳ねるが、最後まで表情管理を崩さない。 - マスター:
“不在の一年”を経てなお場のルールを上書きできる存在感。
看破しても介入しない。目的は“監視”ではなく“伝達”に見える。 - 狐:
早とちり→萎縮。獅子への負い目が次回の判断に影響しそう。 - 三日月:
「復活の石」情報に執念。獅子のネタ出しを待つ構えは崩れず。 - 道化:
6人連結術を既にリークしていた“先行者”。獅子を横目で測る。
ここが“鍵”(Master Key)
- 6人連結術=深淵の門の鍵が6本
⇒ 大規模攻略の前提が変わる。
⇒ 同盟/背信など人間関係の火種も増加。 - マスターの帰還予告:「一年後には戻る、用があればもっと早く」
⇒ 獅子の“擬装”は少なくとも当面は安泰。次の対面までにネタと保険を積む時間ができた。
次回への注目
- 獅子の“お返しの一手”
- 三日月との取引に出すネタ:ビフロンの壁内向き警備/下水道の秘密通路/オーリル・ガビス探索のどれを切る?
- GM(エロフ)サイドの動き
- 李白虎“処分”の具体理由。ノアーク事変との接点は?
- 6人連結を巡る駆け引き
- どの勢力が“6本の鍵”を握るか。同盟戦線の組成が動き出す。
用語メモ(本記事内表記)
- レイヴン/ミーシャ・カルシュタイン/アイナル:本話は不登場だが表記統一
- 連結術:複数名を束ねる儀式魔法(“深淵の門”の鍵)
ひとこと感想
嘘はついていない。——獅子のこの一言に、本作の“仮面劇”の妙味が凝縮。
看破しつつも不干渉を選ぶマスターの距離感が、次の一年の不気味な余白を生む。
“鍵”は増えた。開くか、閉じるかは、誰と手を結ぶかで決まる。