『転生したらバーバリアンになった』小説版・第274話ロングあらすじ【初心者向け・保存版】

転生したらバーバリアンだった
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第二波「海の怒り」と雨中ボス戦──そして“狼”が空から降ってくる

第274話「Defense(4)」では、
前話でギスギスしかけたパーティー内の空気に一応の決着をつけつつ、
本命である“第二波”のボス戦がついに開幕します。

  • ハンスJとの一時的な和解
  • 防衛拠点の構築と、魔術師2名+神官の本領発揮
  • 雨ギミック付き4等級ボス「グアノ・シーサーペント」戦
  • 貴重な4等級エッセンスのドロップ
  • ……からの、空からドレイク乱入=ノーアーク本隊の到着フラグ

という、防衛フェーズ中盤の山場となるエピソードです。

以下、あらすじ+戦闘内容+キャラ/テーマ考察を詳しく見ていきます。


1. ハンスJへの謝罪と、ひとまずの“共同戦線”復帰

前話で主人公がハンスJの首をつかんで大揉めになりかけた件は、
第274話冒頭でいったん整理されます。

主人公はまず、自分から素直に謝罪。

「さっきは悪かった」

ハンスJも、内心不満はありつつも、
ここで対立をこじらせれば自分の命もヤバくなることを理解しているので、

「謝ったなら、それでいい」

と矛を収めます。

ここにパーツランが入って、やんわりと場を取り持ちます。

  • 「ビョルンの気持ちも分かる」
  • 「正直、口に出し方を間違えたのはアウロックだ」

つまり、
・“正論をぶん投げたハンス”と
・“ブチ切れて手を出した主人公”
の両方に非がある、というバランス感覚を見せつつ、
これ以上の対立は得にならないと皆に理解させるわけですね。

このあたり、パーツランはやはり“長く探索者をやってきたリーダー格”であり、
感情よりも**「今は生き残ることが最優先」**という現実的視点で動いているのが分かります。


2. 「守りに入る」方針決定──防衛拠点の選定とローテ戦

話し合いの結果、主人公は前話の決断通り、

「結界が切れるまでは休み、その後は防衛に適した場所を探す」

という方針を正式に宣言します。

  • これ以上島を彷徨い続ければ、
    ミーシャを探す前に全員が消耗死しかねない
  • とはいえ、完全に何もしないわけにもいかない
    → “立て籠もって夜明けまで耐える”という現実解を選ぶ

結界(エルシナのスキル)による安全時間が切れたタイミングで、
一行は“守りやすい地形”を探し始めます。

● 見つけたのは「背後が崖」の小高い平地

  • 背面は崖で、守るべき方向は三方のみ
  • 視界も確保しやすく、囲まれにくい

まさに防衛戦にはうってつけのポジション。
ここを本日の“キャンプ兼戦場”と定め、
本格的な殲滅と防衛ローテが開始されます。

「ベヘルラァァァァァ!!」

という雄叫びとともに、
主人公&近接組が前線でモンスターを受け止め、
後衛がまとめて焼き払う、という波状戦が始まるわけです。


3. ハンスJ、圧巻のAoE火力──4等級魔術師の本気

275話への布石でもあるのですが、
この274話ではハンスJの魔術師としての性能がはっきり可視化されます。

  • レイヴンも範囲魔法で貢献しているものの、
    ハンスJの火力・殲滅速度はまさに別格

特に目立つのが、
4等級攻撃魔法「チェイン・ライトニング」

「ハンス・アウロックが4等級攻撃魔法[チェインライトニング]を詠唱」

  • 詠唱時間 約15秒
  • 発動毎に5等級モンスターを含め15体以上まとめて戦闘不能

という、
「そりゃ魔術師ゲーと言われるわ」と言いたくなるレベルの超性能。

ここでパーツランが、

「アウロックはベノクターン派閥の4等級魔術師だ」

と補足してくれます。

  • ベノクターン派閥:元素魔法研究で有名な学派
  • その中でも4等級まで到達した精鋭

つまりハンスJは、
“怪しい挙動の裏切り候補”であると同時に、純粋な戦力としてはトップクラスという、
めちゃくちゃ扱いづらいポジションにいるわけです。

主人公も内心で、

「こいつ、性能だけ見れば普通に強いプレイヤーの部類だな」

と認めつつも、
「厄介なやつだけど、今は利用しない手はない」と割り切りモードに入ります。


4. 実はMVPは神官エルシナ──結界と回復の“戦場マネジメント”

派手さという意味ではハンスJが目立ちますが、
実際に戦線維持の要になっているのは神官エルシナです。

  • 彼女のスキル「悪しき終焉の宣言」は、
    一定時間モンスターの侵入を禁止する“結界”効果を持つ
  • この結界中に、
    ・前衛が休息
    ・後衛がMP回復
    ・体勢を立て直し
    が行えるため、長期戦が可能になる

実際、今回の防衛戦では

「戦う → 結界 → 全員休憩 → 結界解除 → 再び殲滅」

というローテーションを4時間近く繰り返している描写があり、
このサイクル管理がなければとっくに全滅していたと分かります。

この構図は、

  • ハンスJ:瞬間火力と殲滅
  • エルシナ:時間とリソースの管理

という、
**“DPSとマネジメント役が揃って初めて成立する戦場コントロール”**をよく表しています。


5. 第二の「海の怒り」発動──雨という環境デバフ

4時間にわたる防衛の末、
ついにシステムメッセージが表示されます。

「第二の“海の怒り”が始まりました」

それに呼応するように、空から雨が降り始め…やがて土砂降りへ。

ここで、6階層を熟知しているパーツランたちは、

  • 雨そのものには驚かない
  • しかし**「このタイミングでの雨」が意味するもの**に顔をしかめる

雨は、探索者にとっては完全に環境デバフです。

  • 視界不良
  • 目に水滴が入り、照準や視認性が落ちる
  • 体温低下による体力消耗リスク
  • 武器や柄が滑りやすくなる

そして何より、水棲モンスターの機動力と攻撃性が上がるため、
相対的に敵が強くなるというイヤらしさ。

ただし、プレイヤー出身の主人公は知っています。

「これはただの天候変化じゃない。
30分後に“雨仕様の第二ボス”が来る合図だ

  • 第二波の中ボス
  • 常に最大人数のパーティーを優先して狙う習性

これをメタ視点で理解しているため、
主人公は即座に「密集して戦え」と指示し、
ボス出現までの30分を“雨環境への慣れ”に費やします。

ゲームの知識を現実でフル活用してる感じが、
この作品らしくてとてもおもしろい部分ですね。


6. “クソトカゲ”ことグアノ・シーサーペント戦──臭気&状態異常地獄

そしてついに、
泥だらけの地面の向こうから巨大な影が姿を現します。

四足歩行の巨大トカゲのような姿
茶色の苔に覆われた鱗
ずんぐりした太い尻尾

名前:グアノ・シーサーペント(4等級)

プレイヤーたちからは、

「クソトカゲ」

という不名誉なあだ名で呼ばれていたモンスターです。

● 最大の特徴:常時発動パッシブ「悪臭(Stench)」

このボスの本当にイヤなところは、「ステータス」よりも環境汚染能力

  • 接近したキャラは**[Stench]状態**になる
    • 継続ダメージ系効果がすべて2倍
    • かつ「浄化系スキルの対象外」になる

つまり、

  • 呪い
  • 出血系DoT

など、全てが倍で入るのに、普通の“状態異常解除”が効かないという非常にえげつない仕様。

実際、登場直後からメンバー全員が吐き気を催すレベルの悪臭に襲われ、
タフなバーバリアンである主人公ですら「これはヤバい」と感じるほど。

この臭気のせいで、
・前に出るのがつらい
・かといって距離を取れば雑魚に押し潰される
というジレンマが発生します。


7. レイド式フォーメーション──前衛・雑魚処理・ボス集中

主人公は瞬時にパーティを再編成します。

  • 近接組(パーツラン&アイナル)
    → 左右のサイドへ展開し、押し寄せる雑魚を押し留める
  • 遠距離火力(ハンスJ&アヴマン)
    → 主に雑魚処理担当。ボスへは状況を見て削り
  • 主人公+レイヴン+エルウェン+エルシナ
    → ボス本体に集中

という、オンラインレイドさながらの分業構成です。

「サイドは任せる。ボスはこっちで落とす」

という方針のもと、
前衛タンクとして主人公が突っ込み、
角の突進を盾受けしつつ戦闘開始。

● ボスの主なギミック

  1. [Plague of the Sea]
    • 自爆する霊体モンスターを召喚
    • 爆散すると血しぶきが飛び散り、状態異常を付与
      → エルウェン&レイヴンがこれを迎撃
      → ……が、主人公は巻き添えで[壊血病(Scurvy)]を食らう
  2. [Scurvy](壊血病)
    • 被回復量が半減
    • 持続毒ダメージ
      → 悪臭による「浄化無効」とのシナジーでかなり危険な組み合わせ
  3. [Origin of the Deep Sea] / [Submerge] / [Rain Dance]
    • 一時的に姿を消したり、攻撃性を高めたりする“水系ボスお約束のコンボ”

とはいえ、ここでもパーティの役割分担が光ります。

  • エルシナの回復とバフで、壊血病を抱えながらも前衛を持たせる
  • エルウェンの精霊アーチャーとしての火力
  • レイヴンの魔法
  • 雑魚側面処理に忙殺されつつも、ところどころチェインライトニングを撃ち込むハンスJ

などにより、
ギリギリのラインで**「崩れないけど安定もしない」状態を維持**しながら戦闘が続きます。

  • エルウェンはダメージ超過で一時気絶し、[精霊変身]解除
  • エルシナは神力(MPの神官版)をほぼ使い切る

など、終盤はかなり危ない状況でしたが──
最後はハンスJのチェインライトニングがトドメとなり、
ついにグアノ・シーサーペントを撃破します。

「グアノ・シーサーペント撃破 EXP+6」

長くて臭い戦いに、ようやく終止符が打たれた瞬間です。


8. 4等級エッセンスドロップ──希少報酬と公平な分配

撃破と同時に、
4等級エッセンスがドロップします。

6階層でも、4等級モンスターは

  • 出現数が少ない
  • 高難度&高リスク
  • 海上遠征が前提

という事情から、
「狙って狩り続けられる敵ではない」=エッセンスも非常に貴重。

長年6階層を回ってきたパーツランですら、

「4等級エッセンスなんて、久しぶりに見た」

と興奮するレベルです。

ただし、今回のメンバー構成では、

  • このエッセンスを今すぐビルドに組み込めそうな者はいない
  • =現時点では純粋な“高額換金アイテム”

となるため、主人公は即座に方針を決めます。

「売って、関係者全員で山分けする」

パーツランは一瞬、「うちの取り分は?」という牽制を入れますが、
主人公が先に“公平分配宣言”をしたことで納得。
エッセンス自体は、レイヴンが試験管に封入して保管することになります。

ここは、

  • 主人公が“クラン外メンバーに対しても公平な利分を約束するリーダー”である
  • そのおかげで、パーツランたちとの臨時同盟が安定している

という点を印象づけるシーンでもあります。


9. 雨が止み、空から“狼”が降ってくる──ノーアーク組襲来の予感

グアノ・シーサーペント撃破の余韻に浸る一行。
ふと見ると、激しい雨が嘘のように止んでいることに気づきます。

  • パーツラン&ハンスJ
    → 「やはり、この雨はボスと連動していたのかもしれない」

と分析し、
防衛第二波の中ボスフェーズが終わったことを確認した、その時──

「……あれ、なんだ?」

空から黒い影が、火を噴きながらこちらに急接近してくる。

「ド、ドレイクだ!!」

ノーアーク側の召喚士カーミラが操るドレイクが、
まさに“空からの狼”のように急降下してくるところで、
第274話は幕を閉じます。

  • グアノ戦で消耗した直後
  • エルシナはほぼスッカラカン
  • エルウェンもダメージ蓄積
  • 前衛も疲弊中

そんな最悪のタイミングで、
人間側の“真の敵”とも言えるノーアーク組が参戦してくるわけです。

主人公の心の中の一言、

「狼どもが来やがった」

が、この先の血なまぐさい展開を予感させます。


10. 第274話のテーマ・見どころ整理

最後に、この話でのポイントをまとめます。

● 戦術・ゲーム的見どころ

  • 結界とローテーションで長時間の波防衛戦を成立させている構図
  • 雨=第二波開始のギミックと、“環境そのものが敵”という設計
  • グアノ・シーサーペントの
    • [Stench]+浄化無効
    • 状態異常(壊血病)
    • 持久戦志向のパターン
      → シナジーを理解して攻略するレイドボスらしさ全開

● キャラ・関係性の見どころ

  • ハンスJは“口は悪くて空気を乱すが、戦闘性能は一級品”という厄介な立ち位置
  • パーツランは中立的で、判断が常に「合理/生存寄り」
  • エルシナは、静かに戦場を支える縁の下のMVP
  • 主人公は、感情を押さえつつも公平な分配・リーダーとしての判断を意識して行動している

● ストーリー的なフック

  • グアノ撃破=第二波の一区切り
  • しかし休む間もなく、ノーアークの“狼”がドレイクで乱入
  • ここから先は、
    モンスターだけでなく「人間同士の戦い」も本格化するフェーズに入っていくことが明確になる
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