『転生したらバーバリアンになった』小説版・第490話ロングあらすじ【初心者向け・保存版】

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Surviving the Game as a Barbarian | Chapter: 490 | MVLEMPYR
I had asked about the third option out of curiosity and spite, but my decision had already been made. I didn't know what...

【徹底解説】信頼の証と隠しエリア解放|『転生したらバーバリアンだった』第490話あらすじ&考察

導入

『転生したらバーバリアンだった』第490話は、階層主ドレッドフィアとの隠しフェーズが決着し、ビョルン・ヤンデルたちが迷宮から帰還する回です。

今回の中心にあるのは、勝利そのものではなく、ビョルンが最後に何を選んだのかです。

未知の報酬か。
自分だけの生存か。
それとも、死んだはずの仲間たちを取り戻すことか。

ビョルンは迷わず仲間を選びました。

その結果、No.12《信頼》が彼に永久帰属し、名誉の石碑には新たな偉業が刻まれます。つまり第490話は、階層主攻略の終幕であると同時に、次の隠しエリアへつながる入口でもあります。

また、無名の巡礼者との会話も重要です。彼は通常の迷宮モンスターとは違い、自分の意志を持つ存在のように振る舞います。さらに「アバター」という言葉を使ったことで、迷宮の怪物たちの正体にも大きな疑問が生まれました。

仲間を失った痛み。
裏切りを誘う迷宮の構造。
それでも信頼を選んだビョルン。
そして、生還した仲間たちの混乱と安堵。

第490話は、戦闘の派手さよりも、選択の重さとその結果が深く響く一話です。

詳細あらすじ

ビョルンが選んだのは、未知の報酬ではなく仲間の命

隠しフェーズの最後、ビョルンは三つ目の選択肢について尋ねていました。

それは好奇心でもあり、迷宮に翻弄され続けたことへの反発でもありました。けれど、彼の決断はすでに固まっています。

ほかの扉に何が用意されているのかはわかりません。もしかしたら、二度と手に入らない報酬があったかもしれません。通常の探索者なら、そこで迷う可能性もあります。

しかし、ビョルンにとって三人の仲間以上に価値のあるものはありませんでした。

「三人の仲間より価値のあるものなどない。」

この判断は、感情だけではありません。もちろん、ビョルンはエルウィン、ベルシル、アイナルを見捨てるつもりなどありませんでした。

ただ同時に、彼は冷静に状況も見ています。

目の前にいる無名の巡礼者を、自分ひとりで倒せるとは思えない。目が合うだけで、得体の知れない不安が押し寄せる。姿は人のようでも、中身はまったく別の存在に感じられる。

つまりビョルンの選択は、「仲間を助けたい」という情と、「単独では勝てない」という戦力評価が重なったものです。

彼は美談だけで動く英雄ではありません。損得も見る。危険も測る。自分の限界も認める。そのうえで、最も失ってはいけないものを選び取る。だからこそ、この選択には説得力があります。

裏切りがあれば、迷宮の難易度はさらに上がっていた

扉をくぐる前に、ビョルンは最後の質問をします。

もし誰かが仲間を裏切っていたら、どうなっていたのか。

無名の巡礼者は、その問いに答えます。

「私のアバターが力を得ていただろう。」

この一言で、隠しフェーズの構造が見えてきます。

迷宮は最初から仲間割れを誘っていました。犠牲を選ばせるように見せかけ、誰かが誰かを疑うように仕向ける。生き残るために裏切ることが、最も合理的に見える状況を作る。

けれど実際には、裏切った瞬間、その選択は敵を強くする。

普通の迷宮攻略なら、誰か一人を切り捨ててでも残りを生かす判断が正解になることもあります。しかし今回のフェーズでは、その合理性そのものが罠でした。

裏切れば敵が強化される。
信じ切れなければ難易度が上がる。
仲間を疑うほど、最後の戦いが不利になる。

つまり、今回の隠しフェーズは「信頼」を試すための構造だったのです。

必要だったのは、単純な火力や耐久力ではありません。極限状況でも裏切りが成立しないだけの関係性。そして、最後に仲間を取り戻す選択をできる覚悟です。

だからこそ、今回の報酬がNo.12《信頼》であることには強い意味があります。

この迷宮では、信頼そのものが攻略条件であり、敵を強化させないための防御手段であり、最後に報酬として形になる力だったのです。

無名の巡礼者は本当に“怪物”なのか

ビョルンには、もう一つ聞きたいことがありました。

無名の巡礼者が何者なのか、という疑問です。

これまでにも、ビョルンは迷宮で言葉を話す怪物と出会ってきました。血の城塞の吸血公カンボルメール、白き神殿の黙示録の騎士、ドッペルゲンガー。どれも強烈な存在でした。

しかし、それらにはどこか台本めいた印象がありました。一定の言葉を交わし、決められた流れに沿って敵対し、最後には襲いかかってくる。迷宮という舞台に配置された役者のようでもあったのです。

けれど、無名の巡礼者は違いました。

彼はビョルンの問いを聞き、考え、答えます。選択を尊重し、核心に近い部分では明言を避ける。その振る舞いには、単なる敵キャラクター以上の意志が感じられます。

特に引っかかるのが、「アバター」という言葉です。

もし裏切りがあれば、自分のアバターが強化される。そう語った無名の巡礼者は、まるで迷宮内に存在している自分が本体ではないかのような言い方をしました。

そこでビョルンは、迷宮の怪物たちは何かの複製なのではないか、そして無名の巡礼者こそがその元になった存在なのではないかと推測します。

無名の巡礼者は、明確には答えません。

「いつか、知ることになるかもしれない。」

この返答は否定ではありません。もし推測が完全に外れているなら、彼は否定してもよかったはずです。しかしそうしなかった。むしろ、答えを未来へ先送りしたように見えます。

第490話は、階層主攻略の決着回でありながら、迷宮そのものの正体に近づく伏線も残しているのです。

No.12《信頼》の永久帰属と、歪んだ記憶の削除

会話が終わると、石の扉が開きます。

ビョルンは背中を押されるようにして、その先へ進みました。

そして、システムメッセージが表示されます。

「迷宮内の大いなる恐怖を完全に克服した。」

この表示によって、ビョルンがただ階層主を倒しただけではなく、隠しフェーズそのものを完全攻略したことが示されます。

続いて、No.12《信頼》がビョルンに永久帰属したことが告げられます。

重要なのは、「一時的な獲得」ではなく「永久帰属」とされている点です。迷宮内の一時効果でも、単なる称号でもない。ビョルンという存在そのものに結びついた報酬として扱われている可能性があります。

さらに、無名の巡礼者が迷宮から永遠に消えることも告げられます。これは、今回の隠しフェーズが再挑戦可能な通常イベントではなかったことを示しています。

そして、特別条件「歪んだ記憶」も永久削除されます。

エルウィン、ベルシル、アイナルは一度死を経験しました。しかし、帰還後の仲間たちは「死んだはずだ」という感覚を持っています。つまり記憶が完全に消えたというより、信頼を壊すような歪みだけが整理された可能性があります。

さらに、隠しエリアの解放も表示されます。

ここで物語は、攻略完了から次の攻略目標へつながります。第490話は、ドレッドフィア戦の終わりでありながら、新しい迷宮の入口でもあるのです。

ラフドニア帰還、そして全員生還の確認

ビョルンが目を開けると、そこにはラフドニアの空がありました。

迷宮から戻ったときに見る都市の空。決して美しいだけではない空ですが、それでも帰還を実感させる景色です。

しかし、その安堵は長く続きません。周囲の探索者たちが、すぐにビョルンの存在に気づきます。

彼はすでに、ただの探索者ではありません。ビョルン・ヤンデルという名前は広く知られ、彼が階層主討伐に向かったことも噂になっていました。しかも今回は、わずか五人で階層主を倒そうとしたのです。

ビョルンはすぐに気持ちを切り替え、検問所へ向かいます。そこにはアメリア・レインウェイルズが待っていました。

アメリアが最初に確認したのは、勝敗ではありません。犠牲者の有無でした。

ビョルンは答えます。

犠牲者はいない。いや、これからいなくなる。

その言葉は、事情を知らないアメリアには理解しにくいものでした。けれどビョルン自身も、まだ完全には安心できていません。システムメッセージでは仲間が戻ると示された。だが、自分の目で見るまでは信じ切れない。

そして、仲間たちが一人ずつ戻ってきます。

最初に現れたのはエルウィンでした。彼女はビョルンの姿を見るなり駆け寄ろうとしますが、途中で力尽きるように崩れ落ちます。

「これは、夢ではないのか?」

死を覚悟した者にとって、生還は喜びである前に、理解不能な出来事でした。

次に現れたのはベルシルです。彼女もまた、自分が死んだはずだと混乱しています。

そして、長く感じる時間のあと、ついにアイナルが現れます。

遠くからビョルンの名前を叫ぶ声が響いた瞬間、ビョルンはようやく息を吐きました。

全員、生きて戻ってきた。

この安堵は、どんな報酬よりも大きかったはずです。

ただし、アイナルが自分の死を大声で口にしようとしたため、ビョルンはすぐに止めます。検問所の周囲には多くの探索者がいるため、死者の復活などと騒がれれば余計な注目を集めるからです。

ビョルンは全員を連れて、その場を離れることにします。

説明はあとでいい。まずは安全な場所へ移動する。
階層主を倒した英雄としてではなく、仲間を守るリーダーとして、ビョルンは次の行動を選びました。

ベルシルの屋敷で始まる答え合わせ

検問所を離れたビョルンたちは、人目を避けるためにベルシルの家へ向かいます。

エルウィン、ベルシル、アイナルは全員、自分が死んだはずだという認識を持っています。アメリアも、状況が普通ではないことを察しています。誰もが答えを求めている。けれど、検問所前で話せる内容ではありません。

階層主ドレッドフィアの隠しフェーズ。
死者の復活。
無名の巡礼者。
No.12《信頼》。
そして、迷宮内で起きた不可逆の変化。

どれも軽々しく外に漏らせる話ではありません。探索者にとって情報は財産であり、同時に命取りにもなります。

ベルシルの家に到着すると、アウエンが出迎えます。屋敷には食事の香りが漂っており、帰還に備えて準備していたようです。

しかし、今は休息よりも先に話すべきことがあります。

ビョルンはアウエンに席を外してもらい、ベルシルは音を遮る魔法を発動します。これで、ようやく隠しフェーズの答え合わせが始まりました。

ビョルンは、隠しフェーズの仕組みを仲間たちに説明します。

誰かを犠牲にしなければ進めないように見えたこと。
しかし、最後にボスを倒して条件を満たせば全員が復活すること。
そして、裏切りが起きれば敵が強化されていたこと。

結果だけ見れば、全員が生還しました。けれど、これは決して優しい仕組みではありません。

エルウィンは追われ続け、逃げ切れず、死を覚悟した。
ベルシルも、自分がそこで終わると思った。
アイナルも、命が消える瞬間を体験した。
そしてビョルンは、そのすべてを背負って最後の選択に立たされた。

隠しフェーズの本質は、単に「死亡後に復活するギミック」ではありません。

仲間を失ったと思わせる。
誰かを疑わせる。
裏切れば助かるかもしれないと思わせる。
そのうえで、最後まで信頼を保てるかを試す。

彼らは敵の攻撃を耐えたのではなく、迷宮が仕掛けた不信の構造を突破したのです。

アメリアの報告と残された不穏な伏線

一通り説明を聞いたアメリアは、ビョルンに「大丈夫か」と問いかけます。

エルウィンたちが死を経験したことはもちろん重い。しかし、ビョルンもまた無傷ではありません。仲間が死んでいく過程を受け止め、最後に一人で選択を迫られた側だからです。

けれどビョルンは、細かく弱音を吐きません。結果がよかったから問題ない。全員戻ってきたのだから、それでいい。そうやって自分を納得させます。

次にビョルンは、アメリアの尋問結果を確認します。

アメリアは、捕らえた者たちを調べていました。しかし、彼らは黒市を通して依頼を受けただけで、依頼主の正体までは知らなかったのです。

ビョルンはアルミナス伯爵を疑っていますが、疑いと証拠は違います。相手が貴族である以上、感情だけで動けば逆に足をすくわれる。ここからは、迷宮とは別の戦い方が必要になります。

さらにアメリアは、何かを言いかけて「あとで話す」と保留します。

この一言は明らかに不穏です。アメリアは無駄に情報をもったいぶる人物ではありません。その彼女が言いかけてやめたということは、今この場では話すべきではない内容があるはずです。

アルミナス伯爵につながる手がかりなのか。
黒市の依頼に別の勢力が絡んでいるのか。
それとも、ビョルン個人に関わる危険なのか。

この保留は、次回以降の政治パートにつながる伏線になりそうです。

エルウィン、ベルシル、アイナルの余韻

続いてビョルンは、エルウィンに何があったのかを尋ねます。

エルウィンは、自分が逃げ切れなかったことを謝りました。彼女は機動力と感覚に優れた戦闘者です。そのエルウィンが、逃げ切れなかった。ここに無名の巡礼者の異常さがあります。

彼女は、敵を振り切ったと思っても、相手が何度も追ってきたと語ります。まるで転移しているかのようだった、と。

さらに重要なのは、無名の巡礼者が最後までエルウィンを説得しようとしていたことです。彼の目的は、単に殺すことではなく、裏切りを成立させることだったのでしょう。

次に、ビョルンはベルシルへ短く警告します。

なぜそうしたのかは理解している。
しかし、二度とするな。

長々と責めないところが重要です。ベルシルの行動には、彼女なりの理屈がありました。ただし、今回の仕組みでは、裏切りや不信が敵の強化条件になります。ベルシルの判断が一歩ずれていれば、ビョルンはさらに不利な状態で無名の巡礼者と戦うことになっていた可能性があります。

信頼には、仲の良さだけでなく、反省とルールの共有も必要なのです。

重い話が続いたあと、ビョルンはアイナルに声をかけます。

ここで彼が確認したかったのは、最後に自分が何を言ったのか、アイナルが覚えているかどうかです。正確には、告白めいた言葉が彼女に聞こえていたのかを気にしていました。

アイナルは、何か言っていた気はするが、意識が朦朧としていてよく聞こえなかったと答えます。

ビョルンは、どうやら聞かれていなかったらしいと判断します。

このやり取りには、戦闘後の余韻があります。

一度死んだはずの仲間が戻ってきた。
言えなかった言葉がある。
聞こえなかったからこそ、まだ関係は決定的には変わらない。
しかし、何かが確かに残っている。

アイナルとの関係は、ここで大きく進展するわけではありません。むしろ、あえて保留されます。だからこそ、今後どこかで再び同じ問いが戻ってくる可能性があります。

腕に現れたNo.12《信頼》

食事と会話が少し落ち着いたころ、ベルシルがビョルンの腕に目を留めます。

そこには、見慣れない腕輪がありました。

驚くべきことに、ビョルン本人はそれに気づいていませんでした。迷宮から戻った直後の彼は、報酬よりも仲間の生還確認を優先していたからです。

ベルシルは、それが五人攻略の通常報酬ではないかと推測します。

けれどビョルンには違和感がありました。通常の五人攻略報酬なら、ゲーム知識の中に心当たりがあるはずです。しかも今回、彼は最後の選択で仲間の復活を選びました。もし報酬を放棄したと思っていたなら、腕輪があること自体が不自然です。

仲間全員を復活させたこと。
隠しフェーズを完全攻略したこと。
裏切りを成立させなかったこと。
無名の巡礼者を迷宮から消滅させたこと。

これらをすべて満たした結果として、追加報酬が発生したのではないか。

ビョルンは腕輪を外し、特別鑑定士の資格を持つベルシルへ渡します。

そしてベルシルは、その腕輪の正体を見抜きます。

「これは……二重番号アイテムです。」

ただの報酬ではありませんでした。ビョルンに与えられたのは、No.12《信頼》という二重番号アイテムだったのです。

ここで面白いのは、ビョルンがすぐに感動ではなく条件分析へ移ることです。

もしこれが固定報酬なら、条件を再現すればもう一度手に入れられるのではないか。
そのトリガーは何か。
五人攻略か。
隠しフェーズ到達か。
裏切りなしの完全攻略か。
仲間復活の選択か。
それとも、初回達成限定なのか。

ただし、再現は簡単ではないでしょう。

今回の条件はあまりにも特殊です。さらに無名の巡礼者は迷宮から永遠に消えると表示されていました。つまり、このイベントそのものが一度きりなら、固定報酬であっても複製は不可能かもしれません。

No.12《信頼》は、攻略情報であると同時に、ビョルンたちだけの経験でもあるのです。

名誉の石碑に刻まれた偉業

腕輪の正体に驚いているところへ、玄関のベルが鳴ります。

ビョルンが扉を開けると、そこには騎士たちが立っていました。おそらくモゼラン側の騎士です。彼らはビョルンを「ヤンデル男爵」として礼儀正しく迎えます。

騎士たちは、二時間前に名誉の石碑へ新たな偉業が記録されたと告げます。

それは、ビョルン・ヤンデルの偉業でした。

石碑には、ビョルン・ヤンデルとその仲間たちが、恐怖の階層主ドレッドフィアを討伐し、隠しエリアを解放したと記されていました。

ここで重要なのは、「仲間たち」と明記されている点です。ビョルン一人の功績ではなく、パーティー全体の偉業として記録されている。これは今回のテーマである信頼と合致しています。

そして何より大きいのが、隠しエリアの存在です。

「隠しエリアを解放した。」

この一文によって、第490話の結末は大きく変わります。

もし報酬がNo.12《信頼》だけなら、今回の物語は階層主攻略の完了で一区切りでした。しかし隠しエリアが解放されたとなれば話は別です。ドレッドフィア討伐は終点ではなく、さらに深い場所へ進むための鍵だったことになります。

迷宮は、また新しい扉を開いたのです。

考察|第490話の核心は「信頼が戦力になる」こと

第490話の最大のテーマは、報酬名にもなっている《信頼》です。

ただし、ここでいう信頼は、ただの美談ではありません。今回の隠しフェーズでは、信頼そのものが攻略条件になっていました。

通常の迷宮攻略では、前衛が敵を止め、後衛が火力を出し、支援役が補助を入れ、必要なら撤退判断をする。そこでは、スキル構成、聖水(Essence)の相性、装備、隊列、再使用時間などが勝敗を分けます。

しかし、ドレッドフィアの隠しフェーズは違いました。

敵は正面から全員を倒そうとしたのではなく、パーティーを分断し、一人ずつ追い詰め、それぞれに「裏切れば助かるかもしれない」と思わせる構造を作りました。

物理攻撃なら盾で受けられます。
魔法攻撃なら耐性で対処できます。
状態異常なら解除手段を用意できます。

しかし、不信は違います。

誰かが疑い始めた瞬間、パーティーの連携は見えないところから崩れます。しかも、裏切りが起きれば無名の巡礼者のアバターが強化される仕組みまでありました。

つまり、不信は精神的な失敗であるだけでなく、直接的な戦闘ペナルティでもあったのです。

だからこそ、今回の突破は重い意味を持ちます。

ビョルンたちは、ただ強かったから勝ったのではありません。最後まで裏切りが成立しなかったから勝てたのです。

No.12《信頼》の性能予想

第490話の時点では、No.12《信頼》の具体的な性能はまだ明かされていません。

しかし、取得条件と名前から考えると、味方との連携に関係する能力である可能性が高そうです。

味方が近くにいるほど防御力や耐性が上がる。
仲間が致命傷を受けたとき、一度だけ保護効果が発動する。
精神干渉や裏切り誘導系の効果に耐性を持つ。
パーティー全体に連携補正を与える。

特に注目したいのは、精神干渉耐性です。

今回の敵は、物理的に殺すだけでなく、心理的に揺さぶり、裏切りを誘導する存在でした。その報酬である《信頼》が、恐怖、混乱、魅了、支配、幻覚、記憶改変のような効果に対する対抗手段である可能性は十分あります。

ビョルンは耐久型の前衛であり、肉体面の耐久は高い一方で、精神系・認識系の攻撃は別問題です。強敵ほど、単純な物理火力だけでなく、判断を鈍らせる能力や、パーティーを分断する能力を持っている可能性があります。

そこで《信頼》が精神干渉への耐性を持つなら、ビョルンの弱点補強として非常に噛み合います。

また、味方保護型の効果であれば、パーティー全体の生存率を大きく引き上げます。ビョルン本人だけが硬くても、仲間が落ちれば攻略は崩れるからです。

無名の巡礼者と迷宮の正体

今回、最も世界観に踏み込んだ伏線は、無名の巡礼者の「アバター」発言です。

普通の怪物なら、自分自身が強くなると言えばいい。しかし彼は「アバター」と表現しました。つまり、ビョルンが戦った存在、あるいは隠しフェーズ内で敵として立ちはだかった存在は、無名の巡礼者そのものではなく、彼の分身・投影・代理体だった可能性があります。

ここから、迷宮の怪物の正体に関する仮説が生まれます。

迷宮内の怪物は、すべて本物ではなくコピーなのではないか。
階層主も、かつて存在した何かの再現体なのではないか。
迷宮は、過去の存在や記憶を加工し、戦闘用の形にしているのではないか。

無名の巡礼者は、ビョルンの推測を完全には否定しませんでした。

どちらにせよ、迷宮は単なるダンジョンではありません。敵を配置し、報酬を置き、探索者を試すだけの場所ではなく、記憶・人格・歴史・概念を扱っている可能性があります。

この視点で見ると、No.12《信頼》もただの装備ではなく、「概念をアイテム化したもの」と考えることができます。

信頼という抽象的な価値が、迷宮内の試練を通じて腕輪として現れる。
恐怖という階層主を越えた先に、信頼という番号付きアイテムが生まれる。
裏切りという可能性を拒んだ結果、信頼が永久帰属する。

この構造は、迷宮が概念を戦闘や報酬に変換するシステムであることを示しているようにも見えます。

用語解説

No.12《信頼》

今回、ビョルンに永久帰属した特殊な報酬。ベルシルの鑑定により、二重番号アイテムであることが判明します。名前から見ても、今回の隠しフェーズのテーマそのものを象徴する装備であり、仲間を裏切らなかった結果として与えられた証と考えられます。

二重番号アイテム

番号付きアイテムの中でもさらに特殊なカテゴリ。通常の希少装備とは違い、迷宮の隠し条件や高難度達成に関係している可能性が高い存在です。今回の《信頼》は固定報酬らしき描写があり、取得条件の再現性が今後の攻略理論に関わってきます。

無名の巡礼者

今回の隠しフェーズで登場した存在。通常の迷宮モンスターとは違い、明確な自我を持っているように振る舞います。「アバター」という言葉を使ったことから、迷宮内の怪物が本体ではなく写し身である可能性を示した重要人物でもあります。

隠しエリア

第490話の最後に存在が明かされた新たな領域。階層主討伐と隠しフェーズ完全攻略によって解放されたと考えられます。No.12《信頼》や無名の巡礼者の消滅と関係している可能性が高く、次回以降の重要な攻略対象になるでしょう。

まとめ|第490話は“信頼”が報酬として形になった転換回

第490話は、階層主ドレッドフィアとの戦いが終わったあとの整理回でありながら、同時に新章の入口でもある一話でした。

ビョルンは未知の報酬ではなく、仲間の復活を選びました。その選択は感情的な美談に見えますが、実際には迷宮の隠しフェーズを突破するための核心でもありました。裏切りが発生すれば敵が強化される構造だった以上、最後まで仲間を信じ抜いたことこそが勝利条件だったのです。

そして、その結果としてNo.12《信頼》が永久帰属します。

これは、ただのアイテムではありません。エルウィン、ベルシル、アイナルが死を経験し、それでもパーティーの関係性が壊れなかったことの証です。ビョルンが仲間を見捨てなかったこと、仲間たちもまた最後まで決定的な裏切りに至らなかったこと。その積み重ねが、二重番号アイテムという形で返ってきました。

さらに、名誉の石碑にはビョルンと仲間たちの偉業が刻まれます。

階層主ドレッドフィアの討伐。
隠しエリアの解放。
そして、初達成としての記録。

一方で、火種も残っています。

アメリアが保留した尋問情報。
アルミナス伯爵への疑い。
無名の巡礼者の「アバター」発言。
No.12《信頼》の具体的な性能。
そして、新たに解放された隠しエリア。

第490話は、勝利の余韻だけで終わりません。

迷宮の奥には、まだ知らない秘密がある。
地上には、まだ見えない敵がいる。
そしてビョルンの周囲には、守るべき仲間がいる。

迷宮で《信頼》を得たビョルンが、次に誰を信じ、誰と戦うのか。

ここから物語は、階層主攻略後の新たな局面へ進んでいきます。

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