転生したらバーバリアンだった
偉大なる遺産（3）｜詳細完全版あらすじ
1. 戦いの余韻と失われた仲間の重み
ビョルンは戦いで手放していたアクロ・ロングソードを拾い上げ、仲間のもとへ戻ります。
剣は普通のものではないと直感していましたが、今は調べる余裕はありません。
隣で肩を落としている**ヒクロド（ドワーフ）**が呟きます。
ヒクロド：「……すまない。守れなかった……俺のせいだ」
ビョルンは黙って彼の肩を叩くだけでした。
今は責める言葉も慰める言葉も意味を持たない。
──皆、わかっているからです。
そこへ、瞳を赤く腫らしたミーシャがそっと近寄ってきます。
ミーシャ：「……生きててよかった……本当に……」
その言葉に、胸の奥で何かが震えます。
しかし、喜びの感情は長く続きません。
この生存は、誰かの犠牲の上に成り立っているからです。
2. ドゥワルキーへの別れ
ロトミラーも意識を取り戻し、ビョルンはドゥワルキーの最期の言葉を静かに伝えます。
その言葉を聞いたロトミラーは、深い悲しみを隠せません。
ロトミラー：「……あいつ、覚えてるか？ 迷宮三層で“巡礼者の道”を歩いたとき……」
それは、まだチームができたばかりの頃の思い出でした。
高台から見下ろした銀色に輝く景色に、ドゥワルキーは胸を弾ませ、眠れないほど喜んでいたのです。
ロトミラー：「……もっと広い世界を見せてやりたかったな」
ミーシャもヒクロドも膝をつき、涙をこらえながらそれぞれの言葉で彼を悼みます。
しかし、ビョルンは少し離れた場所で見守るだけでした。
なぜなら、何を言っても後悔と自責にしかならないからです。
3. 生きるために戦うという選択
感傷に浸る間もなく、迷宮の奥から再び魔物の気配。
ヴァイクンタスが迫ってきます。
ビョルン：「……敵だ。立て。泣くのは後だ」
仲間たちは涙を拭い、武器を構えます。
悲しみを抱えたままでも、生き残るためには戦うしかないのです。
ビョルン：「ベヘェーーーラァァァ！！」
迷宮に再びビョルンの雄叫びが響き渡ります。
4. 戦闘後の探索と司祭の手紙
ヴァイクンタスを倒した後、ビョルンたちは残骸を回収します。
戦闘で破壊された装備や武器を整理し、さらに倒れた老司祭ルートヴィヒの所持品を調べました。
見つかったのは、謎の首飾りと、一通の古びた手紙。
手紙には、驚くべき事実が書かれていました。
- **「ノアーク（Noark）」**という地下都市の存在
- ノアークは**オルクルス（Orculus）**と密接な協力関係にある
- 地下都市には迷宮と直結するポータルが存在する
- そこでは迷宮産の魔石を密かに採掘し、巨大な都市を築き上げた
ビョルン（内心）：「……ノアーク。絶対に調べなきゃならない」
ドゥワルキーの死とオルクルスの暗躍、そのすべてがこの地下都市に繋がっている可能性が高い。
ビョルンは手紙を胸にしまい、必ずレトラス教会へ届けると誓います。
5. 迷宮から都市へ──報告と別れ
迷宮閉鎖のアナウンスとともに、ビョルンたちは転送魔法で都市ラフドニアへ戻ります。
まず向かったのは冒険者ギルド。
ドゥワルキーの死亡報告を行い、彼の装備とバックパックを正式に提出します。
ギルド職員：「……本当に、いい仲間を持っていたんですね」
ドゥワルキーは遺言で資産を孤児院に寄付すると残しており、仲間たちはその遺志を尊重します。
しかし、報告はあまりにあっけなく終わりました。
書類3分で完了。たったそれだけで、25年の人生に区切りがつく現実。
6. レトラス教会と「高額な懸賞金」
次に向かったのはレトラス教会の大神殿。
ルートヴィヒの遺志を伝えるため、手紙を届けるのが目的です。
しかし、受付で「高位司祭ルートヴィヒ」という名を告げると、神殿はざわめきに包まれます。
そこへ現れたのは、第三近衛聖騎士団長パル・クロヴィッツ。
クロヴィッツ：「……高位司祭ルートヴィヒについての情報をお持ちで？」
彼は非常に慎重な口調で説明します。
- ルートヴィヒは数年前に失踪していたこと
- 彼に関する情報には高額の懸賞金がかけられていること
- 聖遺物や生還情報によって額が変動すること
そして、クロヴィッツが口にした金額に一同は凍りつきます。
クロヴィッツ：「最大で……七千万ストーンです」
この数字が意味するのは、ルートヴィヒが教会にとって極めて重要な存在であったということ。
そして、物語は教会とオルクルスの思惑が交錯する新たな局面へ突入していきます。
7. 146話の重要ポイント
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ドゥワルキーの死 | 仲間たちの心に深い傷を残しつつ、彼の「魔法」の遺言が今後の伏線となる |
| ルートヴィヒの手紙 | 地下都市ノアーク、オルクルスとの協力関係、そして迷宮直結ポータルの存在を示唆 |
| アクロ・ロングソード | レガル・ヴァゴスが執着していた剣、特別な秘密がある可能性 |
| 懸賞金7,000万ストーン | ルートヴィヒの失踪は教会にとって極秘案件、次章で大きな動きの予感 |
8. 物語考察：新たな伏線と次章への影響
146話は「余韻」と「始まり」を描く回です。
- レガル・ヴァゴス再登場確定
→ ビョルンとの再戦は避けられない。 - ノアークの謎
→ オルクルス、邪神カルイ、迷宮直結ポータル──すべてが地下都市に繋がる。 - 教会との関係
→ ルートヴィヒの存在は国家レベルの機密で、報酬額からも重要性が伺える。
