【転生したらバーバリアンだった】第156話 要約|“ライオン”再臨、地下都市ノアークとドラゴンスレイヤーの影
1) 冒頭――“悪霊”たちの秘密ネットワークへ
迷宮の外、ビョルン(=プレイヤー〈悪霊〉としての自分)は、いつもの“情報収集タイム”に入る。
アクセスするのはプレイヤー専用コミュニティ**「ゴーストバスターズ」**。ここは月に一度、12時間だけ開く特別な場で、図書館の本では追いつかない“最新”の裏情報を拾えるのが強みだ。
今回の探索テーマは三つ。
- オルクルス:都市の裏側を牛耳る秘密組織
- ノアーク:下水道のさらに下に広がる巨大な地下都市
- レガル・ヴァゴス(ドラゴンスレイヤー):前章までの死闘で深く関わった強敵
「交換所」に“オルクルス関連の情報は最大14万GPで買う”と掲示しつつ、まずは雑談系の“チャット部屋”を覗く。そこで待っていたのは、前回も登場したイ・ベクホ。除隊日にこの世界へ巻き込まれ、約10年を生き延びてきた“長命プレイヤー”だ。
ただし――ビョルンは彼を全面的には信用していない。
ベクホ自身が「隠遁生活中で最近の情勢には疎い」と言った過去もあり、「オルクルスやノアーク側の人間」の可能性もゼロではない、と。
それでも、彼と関係を保つメリットの方が大きいのは事実。
“深入りせず、さりげなく探る”方針で会話を始める。
2) ぎこちない“帰郷感”と、心の摩耗
ログイン直後のベクホは、まるで家族に再会したかのように大はしゃぎ。
「アイドルの新譜」「軍隊の愚痴」「オンラインゲーム(※彼は『Dungeon Fighter Online』推し)」など、どうでもいい日常トークを矢継ぎ早に振ってくる。
ビョルンはゲーム未経験、軍も訓練所どまりで噛み合わないが――
二人でくだらないことで笑い合ううち、**“韓国で友人とダベっていた頃の空気”**がふっと戻る。
ベクホはぽつりと言う。
「ここで笑って話せるなら、帰れたらまた笑って暮らせるって思える」
この一言に、ビョルンは違和感と共感を同時に覚える。
“帰還”を希望に変換し続けるには、強靭な心が要る。
彼はやはり、10年生存者らしい“壊れ方をしていない壊れ方”をしている。
3) 本題①――地下都市ノアークとオルクルス
核心へ。ビョルンはさりげなくオルクルスのことを聞く。
するとベクホは、逆に“理由”を尋ねてくる――以前はすぐ答えてくれたのに。
(ここでビョルンは警戒レベルを上げる)
咄嗟にビョルンは**「創世具(ジェネシス・アーティファクト)」**の話題を振る。
“最終階へ行く鍵”である各種族の創世具が、半年前に六種族すべて同日に盗難された事実をベクホが明かす。
- 六種族の創世具が同時に消えるのは現実的でない(竜人族や人類からまで?)
- ベクホ自身も調べたが、犯人の手がかりはゼロ
つまり――オルクルス犯行説は薄い。
同時に、ベクホが“大ボス”である線も、少なくともここでは否定的に動く。
続けてベクホは、ノアークの存在を口にする。
それは下水のさらに下、巨大な地下都市。
革命未遂で地上から逃げた**「オーミー革命軍」の残党が築き、その後オルクルスと協力関係になったという。
(この線は、ビョルンが以前に受け取ったルートヴィヒ高司祭の遺書**内容とも一致)
ベクホ「王家やギルドが絡む依頼で、ノアーク/オルクルスに近い匂いがしたら受けるな。危ない」
4) 本題②――ドラゴンスレイヤーと“記憶喪失”の噂
そして、耳を疑う一言。
「ドラゴンスレイヤー(レガル・ヴァゴス)が今回やらかした。
高司祭を拉致したのに取り逃がしたらしい。誰かが手紙を拾って神殿に届けたとか。
……しかも本人は記憶を失っているらしい」
ビョルンの胸中で、いくつものピースが噛み合う。
――アメリアが使った記憶消去薬(レーテの祝福)。
――女神レアスの**加護の指輪(星の加護/三つ編みの蔦)の“1本目が折れた”**タイミング。
指輪は“縁(えにし)”を断つのではなく、“縁を遅らせる”性質だった可能性。
記憶喪失で一時的に因果の糸が緩み、蔦が1本分消費された――のかもしれない。
ただし、この“記憶喪失”はオルクルス側の偽情報の恐れもある。
真偽は未確定。だからこそ、ビョルンは結論を急がず**「やることは変わらない」**と自分に言い聞かせる。
- ノアーク/オルクルスの基礎情報を買い集める
- 敵になり得る者たちの名と顔、癖を“幅広く”押さえる
- ドラゴンスレイヤーの足取りと“記憶”の動向を並行監視
ちょうどここでゴーストバスターズの開放時間が尽き、ベクホは強制ログアウト。
ビョルンは一息つき、次の“秘密サロン”へ向かう。
5) **「円卓の見張り」**再訪――“ライオン”の威圧
午前3時過ぎ、「円卓の見張り(Watchers of the Round Table)」の入室時間。
ビョルンは卓上の“ライオンの仮面”を装着し、赤絨毯の先にある円卓の間へ。
ここは化名と仮面で身元を伏せ、超一流の悪霊たちが情報を手土産に駆け引きする秘密クラブである。
入室の足音に、円卓の面々が一斉にこちらを向く。
“ピエロ(Clown)”だけが気さくに挨拶し、その他は静観。
そして今日は新顔のメンバーがいるらしく、先輩格が“ライオン”の取り扱い注意を小声で教えている。
先輩「ここで怖いのはね、殺気だ」
新顔「殺気? このレベルなら防げるでしょ?」
その瞬間、ビョルンは**“狩人の気配”**を解き放つ。
言葉ではなく、存在の温度で格の差を示す――“躾”の第一歩だ。
ここでのルールはシンプル。
①手土産(情報)を持参しろ。
②無用な虚勢は命取り。
③舐められたら、“最初に”取り返せ。
“ライオン”が静かに場の主導権を握るところで、章は幕を下ろす。
6) 章の意味合いと今後の見立て
今回のポイントは三つの線が同時に太くなったこと。
- 創世具の同時盗難
- 六種族すべて“同日”。裏に王族級/塔級の規模感がいる可能性。
- せめて“オルクルス単独犯”説は後退。
- ノアーク=オーミー革命軍の隠れ都 × オルクルス協調
- 地下で政治・軍事・錬金が回るなら、記憶消去や洗脳などの“人間操作”技術が複数存在していてもおかしくない。
- ドラゴンスレイヤー記憶喪失の噂とも整合。
- 指輪(星の加護)の仕様仮説
- “因縁の切断”ではなく“遅延”。
- 三本ある蔦は“遭遇/干渉の猶予回数”とみるべき。
- 一本目が折れた今、あと二度は“やり過ごせる”が、その後は正面対決が不可避。
■ だからビョルンは“広く・深く・速く”情報を拾い始めた。
**敵の特定より先に、“敵として出会っても即死しない準備”**を整える――これが彼の一貫した生存戦略だ。
7) 物語的な見どころ(読者視点の補助線)
- ベクホの人間味:10年生存者の“摩耗”と“希望”。彼は“壊れていない壊れ方”で均衡を保っている。
- 情報戦の二層構造:
- 公(ギルド・神殿・王家)が扱う“公式情報”は遅い/濁る。
- 私(悪霊ネットワーク)は速いが危険。均衡点にいるのがビョルン。
- “ライオン”の格:言葉でなく殺気で序列を作る。以後の交渉で発言力が跳ね上がる布石。
- ノアーク=“人を道具化する技術の坩堝”:アメリアの“レーテの祝福”と繋げると、都市そのものが“記憶”と“因果”を弄る拠点に見えてくる。
8) 次章への布石
- **ドラゴンスレイヤーの“空白”**が本物か否か。
- 神殿(レアス教)側の反撃が起きれば、街の上層が動く。
- 円卓の取引で、ビョルンはどんな“実用級の手土産”を得るのか。
- 指輪の蔦は残り二本。“やり過ごす二度”の使いどころが、今後の生死を分ける。
ひと口まとめ
- プレイヤー秘密網「ゴーストバスターズ」でノアーク×オルクルスの協調情報を再確認。
- 創世具は六種族同時盗難。犯人像は依然不明。
- レガル・ヴァゴスに“記憶喪失”の噂。指輪の“蔦1本消費”と符合する仮説が浮上。
- 秘密サロン「円卓の見張り」に**“ライオン”**再臨。殺気で主導権を掌握――情報戦の次局へ。