【転生したらバーバリアンだった】第161話 要約|扉と机が折れるまでが交渉
1) 目的地は第7区本部、装備はフル装
ビョルン・ヤンデルは胸当てだけの“街モード”ではなく、盾とモーニングスターを手にした戦闘装備で街を早足。背後には地区総監の娘ジュリアン・アーバンズが汗だくで追走し、**「私の頭脳とあなたの腕力で組もう」と口説くが、ビョルンは無言でスルー。
彼女は「私が近づいたせいで父が敵対したのかも…」と謝罪。ビョルンは「良心はあるらしいな」とだけ返し、歩みは止めない。内心では、“父との対面時に娘の反応が無実の証明になる”**と計算し、距離だけ調整して並走を許容する。
2) ギルド7区中央支部へ――まずは“入口交渉”
目的地は**《探索者ギルド 第7区中央支部》。巨大拠点ゆえ来訪者の格も高い。
ビョルンは扉の前で一瞬だけ逡巡――「壊すか」**で決める。
- 第一撃:前蹴りで木扉に脚が貫通。材が良く割れ切らない。
- 第二撃:モーニングスターで完全破壊。**“開放型自動ドア”**と化す。
フロアは騒然。「功績点になるのでは?」と浮き足立つ職員と5級のスキンヘッド探索者が“取り押さえ”に前のめり。
ビョルンは**「揉めに来たんじゃない、退け」と話して済ませようとするが、相手が「手続きも知らん野蛮人」**と見下し口調。
→ **「頭に問題があるから禿げたんだ」の一言で相手の理性を吹き飛ばすも、ジュリアンが割って入り対立をストップ。
さらに職員が「ミス・アーバンズ?」と気づき、“総監の娘”**の地位で場が収束。二人は上階へ。
3) 家族の線引き――娘の“本気”と主人公の“冷徹”
階段途中、ビョルンが**「なぜ庇った?」と問うと、ジュリアンは「同盟になれた方が互いに得だが、あなたが嫌なら正面からケリをつける。家の揉め事に巻き込んで悪かった、父とは私が話す」と返す。
ビョルンは「そうか」とだけ頷き、情に流れない。“家の問題は家で片づけろ”**が今回の原則。
4) 地区総監アーバンズと対面――誤解の解除から恫喝まで
面談開始。総監は**「娘を裏切るのか」と探るが、ビョルンは「最初から味方じゃない」と一蹴。ジュリアンが“ゴブリンのように付きまとうから連れて来ただけ”と言うビョルンの物言いに実反応を返し、その反応が図らずも“共謀ではない”**証拠に。第一目的=誤解の払拭は達成。
続く総監の台詞は**「扉を壊して評判を落としたな。逮捕もできる」という圧。
ビョルンは笑って受け流し**、**“切り札”**を提示する。
- 監獄脱走事件の時に行われた“魔導師買収の録音”のコピーを所持。
- しかもその魔導師=アルーア・レイヴン(アルテミオン派)が今は自分の仲間。
- **「ロトミラーにもう手を出すな」**の含みも提示。
総監の目が冷えるが、ビョルンの立場は**“以前の無力なバーバリアン”ではない**。
さらに**「バーバリアン次期後継を嵌めて殺しかけた地区総監」という選挙向けスキャンダルをチラつかせ、総監はついに「何が望みだ」**と白旗。
5) 今回の“落としどころ”
ビョルンの回答は単純明快。
「誤解だろうが嫌悪だろうが関係ない。次に同じ真似をしたら“話さない”。」
ここで**殺気(キリング・インテント)**を薄く解放し、**言質ではなく“身体に刻む警告”**を置いていく。
返答を待つ必要はないと立ち上がり、目の前の重厚なテーブルを素手で“二つ折り”。
「この机も古いな」
扉→机と、**評判と備品を代償に“二度目はない”を印象付け、交渉は終幕。
最後に「腹が減った」とだけ告げて退室――“食える=余裕”**の演出で幕を引く。
6) 交渉の技術分解(街バージョン)
① 入口で**“扉を壊す”=議題の主導権**
- 物的被害は補填可能、だが心理的な主導権は返らない。
- 見物人(職員・探索者)に**“バーバリアン=黙らない存在”**を刷り込み、トップの早期引見を強制。
② **第三者の“生の反応”**を証拠化
- ジュリアンの困惑と弁明を、無実証明の生証人として活用。
- 手紙や噂より強い**“同時代の反応”**で誤解を切る。
③ 記録メディア(録音)×人事(当該魔導師が現パーティ)
- 音声コピーでいつでも世論に出せる弾を所持。
- 当事者が自陣営と示すことで、再買収の無意味さを可視化。
④ **“次は話さない”**の意味
- 口頭合意より強い身体言語(殺気+破壊)。
- 交渉の再来=次は物理という明瞭な閾値を定める。
7) 主要人物の心情・更新
- ビョルン・ヤンデル
- 竜王ラフィールとの丁々発止直後でも交渉モードは継続。
- **「家の問題は家で片づけろ」**と線引きしつつ、都市権力の妨害は初動で折る。
- ジュリアン・アーバンズ
- “利害同盟”を望むも、否なら正面突破の後押しを選ぶ。
- 家の柵から出たい反骨と仁義の両面が見え、**敵味方未満の“使える中立”**へ。
- 地区総監アーバンズ
- 圧から懐柔へのスイッチは早い。
- 録音コピー+選挙の二段で防戦に回り、再戦時は不利を理解したはず。
8) 世界観・制度の小ネタ
- 功績点制度の拡張:ギルド内の“問題人物制圧”がポイント対象化(半年前の新ルール)。
- 本部規模の来客格:地方支部と違い、5級クラスが即反応する密度の高さ。
- 物理の説得力:扉→机の連続破壊は、“予算と体面を毀損した”記憶として上層に残る=抑止。
9) 次話への布石
- 竜王側の再召喚待ち
- “竜の祝福”の可否は教会照会の結果次第。1〜2か月目安。
- ギルド政争の鎮火度
- 今回で総監ルートは当面抑止。別派閥の揺り戻しに要警戒。
- チーム運営の詰め
- アルーア・レイヴン主導の残り31議題。
- 竜の祝福が通る場合、**ビルド再最適化(真・巨体化×装備一体化)**が急務。
総括
“交渉は情報と演出で決まる”――前話の竜王殿では雄叫びで威圧を相殺し、今回は扉と机で物理的に議題をこちら側へ引き寄せた。
ビョルンは口先よりも行動でラインを引き、証拠で逃げ道を塞ぐ。
次に同じことをしたら“話さない”――この一文が、都市サイドへの最強の抑止になった回でした。