『転生したらバーバリアンになった』小説版・第167話ロングあらすじ【初心者向け・保存版】

転生したらバーバリアンだった

【徹底解説】精髄を巡る“正面衝突”と魔術師同士の停戦交渉――5層〈大魔力の森〉の現実|『転生したらバーバリアンだった』要約・考察

Surviving the Game as a Barbarian | Chapter: 167 | MVLEMPYR
Great Magical Forest (2) Great Magical Forest (2) The moment the red essence floated up… …the gazes of the explorers across from us, who were ready to go back a...

赤い精髄が呼ぶもの――沈黙、きしむ空気、矢羽の音

イフリートが霧散し、赤い精髄がふわりと浮かぶ。
向こうの五人組――休憩に戻る途中で横合いから“水塊”と矢でトドメを刺した連中――の視線が一斉に鋭くなる。こちらも同じだ。沈黙が落ちる。
先に口を開いたのは大槌の戦士

大槌「俺たちが倒した魔物から精髄が出たんだが?」
後方の魔術師「ネルボさん……」
大槌「**黙ってろ。**俺が話す」

“ネルボ”と呼ばれた男が主導権を握る構え。精髄は自分たちのもの――そう主張する腹積もりが見えた。
ビョルン・ヤンデルは短く号令をかける。

ビョルン「戦闘配置

それは自分の仲間へ、というより相手への通告だった。「血を見る覚悟がある」と。
矢を番える音。こちらでもアヴマン・ウリクフリト
が静かにボルトを装填する。糸のような緊張が張り詰め、切れれば即、流血沙汰。
そのとき――ネルボが兜の面頬を上げる。
ギラリ、と照り返す頭皮

ビョルン「……ハゲ
ネルボ「死にてえのか、蛮族。今度は地方管理官は庇っちゃくれねえぞ」

――**交渉の席でビョルンを拘束しようとした、あの“ハゲ”**だった。向こうの仲間が吹き出し、ネルボの耳まで赤く染まる。

ぶつかるカスタム――「最後に一撃は誰か」vs「介入者の貢献」

慣例では、先に狩っていた側所有権の分がある。ネルボもそこは理解しているはずだ。だが今回は精髄が出た。等級5の精髄は金額にしても一撃で隊の数日分の稼ぎに匹敵する。

ビョルン「石(魔石)ならくれてやる。だが精髄は違う」
ネルボ「計算できねえ蛮族だな。最後に仕留めたのは俺たちだ。全部俺たちのもんだ」

退かない。5対5、どちらも5層に来られる腕がある。一人でも欠けば赤字だと分かっていても、引いた方が“負け”になるチキンレースに入った。
ビョルンは腹を括る。最悪、精髄は自分で吸収し、崖落としの地形活用で短期決戦に持ち込む――。
そこへ、両陣営の魔術師が一歩進み出る。

魔術師の名乗り――学派の一声が剣を鞘に戻す

???「やめろ。ネルボ、あなたも」
レイヴン「武器を下ろして、ヤンデルさん」

ネルボが苛立つ。

ネルボ「黙ってろって言ってるだろ」
魔術師「ネルボさん、その喋り方はダサい。次回の潜行、ご一緒しません
ネルボ「……」

一言で沈黙。魔術師の発言力が隊の命綱になっているのが分かる。
レイヴンは相手のローブの文様に目を留める。

レイヴン「その紋……ワートン派ね?」
魔術師「ええ。そちらはアルテミオン派?」
レイヴン「アールア・レイヴンです」
魔術師「エフレイン・ヴェロ。一年ほど前の学会でアルテミオンの師匠にお会いしましたよ」

学派の連帯暴発をなだめる。“通り一遍の慣例”と“委員会の裁定傾向”を踏まえ、言葉で落とし所を描く。

レイヴン「慣例は慣例。でも壊せば信用が落ちる委員会に持ち込んでも個人間紛争の扱い。合理的なのは――あなた方が退くこと」
エフレイン「同意。――降ります。正直、僕は最初から乗り気じゃなかった

ネルボは食い下がるが、魔術師にズバリ斬られる

エフレイン「権利の保全じゃない。強欲だ。山賊(マローダー)と何が違う?」
ネルボは言葉を失う
。ビョルンは無言でメイスを下げる。剣より速い会話が、今は正解だった。

名乗りと“ハンス”――嫌な名は、必ずもう一度現れる

処理に移る。精髄は試験管保存→都市で売却――当初の方針通りだ。

アイナール「私に吸収は……」
ビョルン「今回は売る。もっと相性のいい精髄を後で取る」
ミーシャ・カルシュタイン「綿あめ何万個だって買えるよ」
アイナール「な、何万……!

去り際、ネルボが名を問う。

ネルボ「名前を聞いておく。縁だ」
ビョルン「ビョルン・ヤンデルの子
ネルボ「……聞いたことがある。メルトソン・ネルボだ」

最後尾の弓手とすれ違う瞬間、ビョルンは睨みつける

弓手(先ほどの科白)『しんどい、落としてくか
――こいつが油を注いだ張本人だ。
仲間「ハンス! 何してる!
弓手は目を逸らし、名を呼ばれて走り去る
ビョルン(硬直)「……ハンス
嫌な名は、必ずもう一度現れる。


日数の堆積――地図を書く蛮族、そして“慣れない迷宮”

Day21、夜明け。5層入り四日目。
“Apple Nark”は下り基調の尾根を選び、狩猟と探索を積み重ねる。途中、難敵吊りロープでの横断もあったが、致命的な事故はなし。アイナールは等級4に到達
地図を描き続けるビョルンに、レイヴンが小声で刺す。

レイヴン「もうやめない? それ、見返しても帰途は分からない
ビョルン「最初から上手い奴なんていない。ロトミラーだって最初は迷ったはずだ」
レイヴン「……理屈は分かるけど、疲れるでしょ
ビョルン「面倒だが、楽しくもある仕様を覚えるのは成長だ」

〈大魔力の森〉は分岐の多さだけでなく、断絶→再接続の地形が多い。“骨”だけ描く地図でも、回収ルートの設計には役に立つ。何より――隊を行きたい場所へ連れて行く権限を、ナビ担当は自然に手にする。

クランの“縄張り”――人間が一番の障害

大皿のような広場型フィールド(オーク集落、魔女の森の別区画、鋼石丘……)は入口にクラン旗狩場は既得権で満席

ビョルン(心中)「ゲームより梯子外しが多い一回ぶんの経験値だけ売って、二回目以降は門前払い。人間のほうがモンスターより厄介だ」

だが、ビョルンには十年遊んだ人間の“裏マップ”がある。5層に一年籠もった男の抜け道は少なくない。

ビョルン(心中)「――そろそろ“アレ”が出る頃だ」


考察:精髄を巡る“力学”と、魔術師の役割

  1. 所有権の慣例万能ではない
    • 先狩り側優先は“慣例”に過ぎず、委員会相互介入の事実をもって紛争として扱うことがある。
    • 言い負かす言葉言い切る資格(学派・実績)を持つ者が、その場の裁定者になり得る。
  2. 魔術師の“社会的攻撃力”
    • レイヴン(アルテミオン)とエフレイン(ワートン)の学派ネットワーク最小コストの解決を導いた。
    • 暴力の前に、社会性で勝つ――5層ではこの力が生存率を押し上げる。
  3. “ハンス”というトリガー
    • 名指しで呼ばれたハンスは、不運の記号として再登場。今後の火種になり得る。
  4. ナビ担当=隊の舵
    • 地図作成疲労を伴うが、ルート主導権トラブル時の帰投力を隊にもたらす。斥候不在の“Apple Nark”では必須技能
  5. 人間の“関門”
    • フィールド専有金と脅威で成り立つ。対価で一度入れてもらえるが、反復は拒否されがち。抜け道の知識がボトルネックを破る。

主要キャラクターの心情・成長

  • ビョルン・ヤンデル力で押す準備をしながらも、言葉の勝利を受け入れる柔軟さ。地図というスキルに手を伸ばし、**隊の“航路”**を握る。
  • レイヴン学派の威光論理で停戦を成立。結果志向ゆえに地図の効率を疑うが、成長動機としての“練度上げ”も理解を示す。
  • ミーシャ・カルシュタイン空気の緩衝材。精髄は売却の計算へと即座に切り替え、現実的な資金運用を支える。
  • アイナール等級4へ到達。攻撃アクティブ不足という課題を織り込みつつ、前線滞在力は向上。
  • アヴマン・ウリクフリト矢の初動で抑止力を示す。横取りの場でも感情を抑え、隊の引き際を見極める。
  • メルトソン・ネルボ威勢だけでは隊を導けないことを突きつけられる。**魔術師が司る“社会的秩序”**の前に退却。
  • エフレイン・ヴェロ水系の名門・ワートン派合理と面子の釣り合いを言葉で取る、いわば“隊の弁護士”。

戦術メモ:5層・横槍対策の“即応テンプレ”

  • 初見介入に備えた“落とし”の準備
    • 氷系(Ice Spear/Flash Freeze)を先置き非実体の核固定
    • 水矢の即応(アヴマン):水素袋水瓶ボルト先装填
    • 遮熱+視界:レイヴンの**『冷血(Cold Blood)』**で燃費を守り、光球の位置を固定
  • 地形活用
    • 尾根の縁での戦闘は崖落としが最短。押し・刈りの役割分担(ビョルン押圧、ミーシャ刈り取り)。
  • 揉めた時の出口
    • 委員会に行く前に学派ネット中間解決記録魔法(録証)を併用できるなら尚可。

まとめ:剣と同じ重さの“言葉”を持て

精髄を巡る衝突は、刃の交差ではなく学派の握手で終わった。5層〈大魔力の森〉の現実は、モンスターだけでなく人間の利害とも戦うことを教える。
“Apple Nark”は力で押せる準備をしつつ、言葉で勝つ術も身につけた。
そして地図――斥候不在の穴を埋めるための地味で重い筋トレが、やがて隊の生存率を変える。

次回予告的考察

  • ビョルンが狙う**“アレ”(5層の隠しギミック/成長の抜け道**)の正体
  • ハンスの再登場と、その影響
  • クラン占有地を避けた代替育成ルート
  • アイナールの攻撃アクティブ獲得計画、ミーシャの霊獣段位引き上げ

言葉、そして地図
三つの道具を携え、“Apple Nark”はさらに深い森の心臓部へ進む。

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