『転生したらバーバリアンになった』小説版・第176話ロングあらすじ【初心者向け・保存版】

転生したらバーバリアンだった

『転生したらバーバリアンだった』第176話「Doppelganger(1)」詳説

Surviving the Game as a Barbarian | Chapter: 176 | MVLEMPYR
Doppelganger (1) Doppelganger (1) Red bobbed hair that reaches her shoulders. A tattoo under her eye. A lean, muscular physique, a little over 170 centimeters t...

— “地下の化け物”が地上に来た日、選ぶのは戦いか、それとも記憶の抹消か —

まずは超要点

  • 地下都市ノアーク側:赤髪の暗殺者アメリアに緊急任務。王家が“牢の狂人”を釈放し投入、戦況は激化。ノアークは2年間の完全封鎖を発動、少数精鋭を地上へ密出し。アメリアの主任務はラフドニアでの情報収集、副任務は特定探索者の暗殺
  • 地上ラフドニア側:ビョルンは酒場を渡り歩き噂を精査。討伐の余波で上位クラン壊滅・物価不安・長期戦の気配。だが彼は潜ると決断、アブマン(熊男)とレイヴンも即応。
  • 深夜の宿で**“あの女”と遭遇。かつて下水で心を折られた8層級の殺戮者**(耳の傷、赤ボブ)。彼女は冷然と言う—「また叩きのめして記憶を消す」。緊迫の引き。

A面(ノアーク視点):アメリア招集、“封鎖”発令、そして地上行き

  • アメリア:肩までの赤いボブ、目の下のタトゥー、切れた耳(敢えて治さない“忘れないための傷”)。
  • 呼び出しの理由:王家が“牢の狂人”を現場投入。ノアーク側は死者が激増、一気に劣勢。
  • ドラゴンスレイヤー:右腕(or 片腕)損壊で戦線離脱中。ノアークでは「記憶の復元法がある」との情報(錬金術師の示唆)。=奪われた装備の所在や“誰にやられたか”を埋め戻す布石。
  • 都市封鎖:ノアークは2年間、出入り不能の大結界を上げる英断。だが秘密通路からごく少数だけ外へ。
  • アメリアの任務
    1. ラフドニアで情報収集(王家・ギルド・塔・クラン動向)
    2. 機会があれば特定の探索者を殺害(=ビョルンの可能性が濃厚)
  • 章題「Doppelganger」示唆:アメリアは“化ける”“成り替わる”類の作法・道具・技能を備えている可能性。地上での偽装侵入が想定される。

B面(ラフドニア視点):酒場と噂と“生存の数学”

ビョルンは毎夜の酒場巡りで、浮ついた風聞から事実に近い核を拾い上げる。要点は3つ:

  1. ノアークも重傷:土壇場の扉閉鎖で辛うじて持ちこたえ。多数が目撃。
  2. 王家の未知戦力:討伐では“王家未登録級”の化け物探索者が前線で暴れた証言。
  3. クラン地図の塗り替えトップ10のうち3クラン壊滅、5–6層主力の半数超が解散。—> 狩場の統制力は低下(短期的には狩りやすく、長期的には供給不足とインフレの火種)。

ビョルンの結論:潜るべき

  • 理由A:混乱の終わりは読めない。停滞は劣化。
  • 理由B:ノアークも回復に時間を要する=鏡狩りの“安全域”が当面生きる。
  • 理由C:彼らには鏡フィールド1階層スキップといった独自ルートがある。
  • 理由D:将来の半強制的な徴募も見越せば、今、底上げしておくのが最適解。

チーム意思統一の速さ

  • アブマン:迷わず「リーダーに従う」。経験十年の男が口でなく態度で支持
  • レイヴン:王家から魔術塔への危険通達が来ていない=ひとまず“入場自体は危険指定外”というプロの嗅覚でGO。
  • ミーシャ&アイナル:夜食(チキン)をかじりつつ即承認。ミーシャはぼやき、アイナルは闘志。全員の矢印が前を向く。

C面(遭遇):階段で出会った“悪夢の女”

  • 深夜三時半、宿の階段。赤ボブ・耳の古傷・しなやかな刺客の立ち姿
  • 彼女は不意の邂逅に眉をひそめつつ、最短手を口にする。「殴って記憶を消せばいい」。
  • かつて下水でビョルンを一蹴し、文字通り“”を見せつけた女。地上にいるという事実が恐るべきサイン。
  • ノアーク封鎖と矛盾?—矛盾しない
    • 「封鎖=都市の出入り制限」だが、事前に外へ出した少数精鋭がいる設定。
    • 彼女はまさに外回りの殺し屋/潜入工作員

しかも章題「Doppelganger」。
彼女が**“誰かになりすまして”近づくのか、あるいはビョルンの“もう一つの自分”(=過去の敗北体験)が再来する比喩なのか。どちらにせよ“正体の揺らぎ”**が主題。


戦術・メタの見どころ

  1. 記憶消去=情報戦の核
    • 殴って消す/術式で消す/薬物で消す…手段は不明でも、目撃の抹消は彼女の常套。
    • ビョルンの優位性(鏡や隠し仕様)は、記憶を守れなければ崩れる。今回は真正面の殴り合い以外の“情報防衛”が鍵。
  2. 王家の“牢の狂人”
    • 解き放たれた“ピース”は、ノアークの主力級をも数でなく質で削る
    • これが“討伐2nd”の地図を変える。王家vsノアークに、**第三勢力(地上の化け物探索者)**が割り込む相。
  3. クラン地図リセット→ソロ/小隊時代
    • 狩場の“管理”が弱まることで、鏡周回勢が伸びる一方、PKと搾取の芽も増殖。
    • ビョルン隊は鏡(ミラーロッデン→異界)動線で一歩先へ。だがアメリア級の個人暗殺は“網の外”から飛んでくる。=護衛プロトコルが必須。

物語としての“芯”:敵にも“顔”がある

アメリアは耳の傷を敢えて残す。“忘れないための痛み”を自分に刻む女。
彼女にも矜持と論理がある。
だからこそ、彼女とビョルンは対称になる。

  • ビョルン:仲間を守るために強くなる/知と地の利で勝つ。
  • アメリア:復讐(あるいは使命)を完遂するために生きる/記憶を消し、証跡を断つ。
    この衝突は“力と記憶”の戦いになる。どちらが物語を所有するかの勝負だ。

次への布石(予想と注目)

  • 開幕の一撃:宿という閉所、深夜、住人多数。騒ぎを起こさずに無力化を狙うのが彼女。
  • ビョルンの対抗
    • 時間稼ぎ(会話で“相手の目的と制約”を引き出す)
    • 騒音誘発(階段・床・扉などで第三者を巻き込む
    • 装備差の補填(オーブ・オブ・ファイアは火に限るが、“合言葉起動”が咄嗟に切れるか)
    • 仲間招集(同宿のミーシャ&アイナル。特に**アイナルの《貪食》+《貪欲の翼》**が継戦を支える)
  • Doppelganger要素
    • 変装・代役・身代わり・“記憶を書き換えて別人にする”=人格偽装
    • 後々、“誰が本物か”を揺さぶる局面が来るかも。チーム内の認証手順(合図・暗号)の整備が急務。

まとめ一言

地下の怪物は、壁を越えて来る。
剣の強さだけでなく、記憶=物語の連続性を狙う“情報の刃”が、今まさに突きつけられた。
第176話は、戦(いくさ)の第二幕へ向けて“地上に忍び寄る影”を置く回。
次話、ビョルンが“殴られて忘れる前に”何を選んで、どう時間を稼ぐのか。選択と判断の妙に注目です。

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