『転生したらバーバリアンになった』小説版・第188話ロングあらすじ【初心者向け・保存版】

転生したらバーバリアンだった

『Surviving the Game as a Barbarian』第188話 要約&徹底解説(Item Power ③)

Surviving the Game as a Barbarian | Chapter: 188 | MVLEMPYR
Item Power (3) Item Power (3) I'm walking through the dark forest. Endlessly following the direction where the Doppelganger disappeared from the Shadow Altar. "...

導入――暗い森を“キャリータンク”が割って進む

ビョルンたちは第三章「影の祭壇」での寄生体排除を終え、逃げた“影(マローダー)”を追って第四章に突入。森の闇は濃く、緊張は切れない。陣形はビョルンが数メートル先行し、後続が追う“やや広がった隊形”。通常の探索距離としては遠いが、彼は一人で進撃路をこじ開けられる「キャリータンク」だ。
気配を捉えた瞬間、ビョルンの短い号令――「Battle stations!」。光球魔法の外縁から、十数〜数十体のドッペルが湧く。第四章では“封印進捗”に連動してフィールド上のコピーが指数関数的に増えるのが特徴で、さらに人間(自分たち)への変身をやめ、帝国兵の姿で現れる。ゲーム準拠の“仕様”だが、今は理由を考える時ではない。

リープ着地→リコイル→挑発ブーストの三段始動

ビョルンは距離を詰め、**【リープ】→着地衝撃波→地形特性「反動(Recoil)」**のコンボで一帯を吹き飛ばす。

「ジャンプ力が一時的に10倍、着地時に衝撃波」
というスキル文言どおり、着地の風圧だけで前線がたわむ。さらに総重量500kg超(巨体化+装備)が条件を満たし、地面が揺れて敵群が一斉に浮く。即座に【野性解放】の雄叫び(ベヘェーラァー!)で脅威度×3を獲得、近接AIは挑発に縛られビョルンの周囲へ殺到。帝国兵型は技能自体は乏しいが、基礎値が高くクラス構成も多様(盾兵・弓・槍・剣・魔・クロスボウ)。それでも“避けない・退かない”AI傾向ゆえ、タンクが抱え、後衛が焼くのが最適解になる。

二枚魔術の真価――雷雨+支援で面を更地に

レイヴンの5級攻撃魔法《ライトニング・ボルト》が完成し、頭上から雷束が5秒間の集中降下。ここにパルテイアンの5級支援《術式強化》が乗って威力は体感2倍。ビョルンは魔法誤射を避け一拍置き、雷が止むと残った個体をアイナル/ミーシャ/アヴマンで刈り取る。
この“抱える→雷雨→刈り残し掃討”が以後の標準手順になる。討伐後、メイス戦士は安全地帯に残したガイドのサーマンを案じるが、祭壇周辺へはドッペルの侵入が難しいため据え置き判断が維持される。護衛資源を削ってでも全火力を前へ――それが今回の方針だ。

“封印率”という時限装置――20%到達と逆算

移動と戦闘を繰り返すうち、地面の微振動=**封印解除率20%に到達(概ね10分で1%**上昇)。レイヴンの提案で、ボスへの落とし穴(シンクホール)手前を捜索し、「封印石(Sealing Stone)」を発見。

「封印石を起動、封印解除率−10%」
と表示される。第四章では森に複数の封印石が生え、第三章クリア後に得られる**『供犠の記録』でも存在が示唆される。本隊は通りがかり分だけ“ついで起動”し、基本戦術は変えず一気呵成でボスへ**。ここで隊を二分して石管理とボス攻略を並走させるのが“教科書的”だが、今回はそもそも人員が半減している。ゆえに――
オールイン(総力一点突破)。
これがビョルンとレイヴンが独立に出した同結論であり、全員一致で採用される。成功率9割と読むが、最後は踏み込みの胆力が要る。

降下――冷たい洞窟と“仕掛けとしての導入”

ビョルンが先行してシンクホールへ飛び込み安全を確認、続いて全員が降下。洞窟は冷え、薄霧の向こうから不気味な咆哮。四十歩ほど進むと霧が晴れ、床に巨大魔方陣、周囲に転がる“真実の石”、そして中央に背を向けた子どもの影。顔がゆっくり振り返る――目鼻口が上下逆という悪夢的ビジュアルで、哀願から憤怒へ感情が跳ねる。この“同情→否認→開戦”の前口上を、ビョルンはセオリー破りにスキップ

「ベヘェーーーラァーー!!」
雄叫びとともに踏み込み、開幕ヘッドショット。手応えは“水入りサンドバッグ”のようにぐにゃり。直後、黒いスライム核が露出・膨張し、やがて**“もう一人のビョルン”**が立っていた。

ボスの本質――“模倣+上乗せ”というインチキ設計

ボス固有の**《ミミクリ》は、一般エッセンスでは入手不能の“コピー特権”。ただし野外個体と違い、模倣先の能力値・技能に、5級相当の基礎値が上乗せされる“原典より強いコピー”。試しに横へ躱すと、振り下ろされたメイスは地を抉り、洞窟全体が震えるクレーター。ビョルン自身が「この出力はSTR+200先の未来」と評する理不尽スケールだが、彼にはアイテムで埋める術**がある。
No.2988《ガーディアン・コープス・インシグニア》のショック吸収を信じ、盾で受け止め続ける。衝撃音は鈍く、圧は想像以上だが、レイヴンの短詠唱デバフが間断なく刺さり、ようやく「捌ける」手応えを得る。ここまでが第1前段。本番はここから。

フェイズ移行――《肉塊散弾》と“分身4体”の問題

「《フレッシュ・エクスプロージョン》」
とともに、模倣ビョルンの体表から黒い粘体の弾片が四散、床で“うごめくバラ肉”となって別個体へ変態。レイヴンが炎で焼くも、数が多すぎて取りこぼす。最終的に**“4体のクローン”が完了――ここまでは想定内。
ビョルンは「本体は俺が止める。分身は全無視せず隊で落とせ」と判断し、第二段階の段取りに入る――が、レイヴンの報告が異様だった。
「4体とも“ハンス・クリセン”よ!」
分身4体の外見がすべて
ハンスG**。通常は“生死を問わず参加者15名のうち誰か”に化けるため、同一人物4連確率的にも、心理的にも異常値だ。レイヴンは「ビョルンが混じっていないから良い兆候」と冷静に捉える。純戦力で言えば、召喚士×4はむしろ隊に有利だ。だがビョルンの胸はドクン、と強く脈打つ
第四章全体を覆う**“ハンス・ジンクス”が、ここで象徴として露出した形だ。最弱の象徴が4連で現れることの“悪い偶然”は、ビョルンの内心に冷たい汗**を呼ぶ。戦術上の優位と、不吉の徴――この二つが同時にのしかかる。

ここまでの戦術整理(実戦レイヤー)

  • タンク始動:リープ→反動→挑発で“面”を抱える。
  • 魔術の波:レイヴン雷雨+パルテイアン強化で一掃。
  • 封印管理:封印石は“ついでに−10%”、基本は一点突破
  • ボス戦:開幕カットイン潰し→模倣先はビョルン強化版
  • フェイズ2:本体はビョルン固定。分身4は隊で刈る
  • 異常事象:分身4すべてがハンスG。戦力的には好都合、だが心理的には不穏フラグ

仕掛けの解説――“分身=任意”ではなく“意味のある選択”?

分身の姿が全ハンスという演出は、単なるランダムではなく、「このリフトで積み上がった不運/因縁の凝縮」を読者に示す仕掛けと考えられる。第四章は信頼と分断の試練。ここに「最も信頼しがたく、最も分断を招いた存在」を4重写しで投げ込むことで、隊の心を試す構図になる。戦闘的にはむしろ楽なのに、心理的負荷を増す――このズラしが本章の肝だ。

最小限の引用で押さえるキー台詞

  • ビョルンの号令と開戦合図:

「Battle stations!」

  • レイヴンの分身識別:

「4体とも“ハンス・クリセン”!」

  • 戦術選択の本音:

「無視して分身を落とせ。俺は本体を止める」

(※いずれも短文・最小限の引用に留めています)

火力線のこれから――“二魔×機動×遮断”で畳み掛ける

以後の理想展開は明確だ。

  1. 本体拘束:ビョルンが盾受けを継続、【野性解放】+インシグニア吸収時間を買う
  2. 分身殲滅:召喚成立前に雷→矢→接近の三段で刈り取り。ハンス型は“召喚前に潰す”が鉄則。
  3. 波状強化:パルテイアンの強化バフをレイヴンの雷/炎/呪詛に重ね、詠唱クールを交互に。
  4. 位置取り再編:分身一体落ちるごとに包囲角を絞って本体に線形射線を作る。
  5. 短期決戦:封印解除率の時間圧力が常に背後にあるため、**道具(ポーション/号笛/巻物)**は惜しまない。

これがオールイン戦術の正解ルートだ。隊の練度は第三章での一連の“相互信頼の復元”によって底上げされた。心理的トゲを残さないまま、アイテムパワーと二魔の回転で押し切れるか――読者への見せ場はここからである。

小ネタ&観察――“仕様と感情の交差点”

  • 子どもの見た目 → 黒スライム → 模倣という流れは、プレイヤー既視感の“ボス前口上”をビョルンが自発的にスキップすることでテンポ良く戦闘へ。物語のテンポと彼のキャラ(考えるより殴る)が一致していて気持ちいい。
  • 雷雨5秒は、ゲームなら“DoT+多段Hit”に近い。パルテイアンの術式強化は、倍率だけでなく詠唱安定・散布密度にも寄与している描写。
  • 封印石−10%は、管理班を切った今回の保険。偶然見つけた分だけ起動し、全押しの不安を軽減している。
  • 全ハンス分身は、戦闘難度を下げつつ物語上の呪いを強める“うまい手”。ジンクスの可視化は、次話で心理が崩れる可能性を暗示する。

まとめ――“力でねじ伏せる準備”はできた。あとは折れないこと

第188話は、フィールド掃討→封印石→ボス到達→模倣&分身までを一気に描き、オールイン戦略の成立性を証明した回だ。ビョルンはリープ+盾受け+挑発で“抱えの主導権”を握り、レイヴンとパルテイアンの二魔構成が“面の削り”を現実にする。そこへアイナル/ミーシャ/アヴマンの機動と火線が噛み、短時間決着へのレールは敷かれた。
唯一のノイズは、分身4体=ハンスという“心理の刃”。戦術は優勢、心はざわつく。この非対称が、次話の“ワンミス”を誘いうる。アイテム・パワーで押し切るのは、心が折れなければの話だ。

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