AMAZONのVISA離れについて

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2021年11月17日にアマゾンが、イギリスで発行されたVISAカードを2022年1月19日から受け入れないと発表した。VISAのクレジット決済手数料が高いためらしいが、どうなんだろう。
2021年8月にはシンガポールでも0.5%のカード手数料を要求するようになり、アマゾン内でVISA締め出しの動きがある。そこで実際決済手数料がどのくらいなのか考えてみた。

まずクレジットカードの手数料だが、ググると下記の「スマート県庁大作戦 アクションプラン」という神奈川県庁の資料が出てきた。

引用:https://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/892153.pdf

規模によって手数料が変わってくるようだが、アマゾンは超・超・超大手なので1%台と思われる。が、規模からすると1%を切っていてもよいのかもしれない。シンガポールで0.5%要求しているぐらいなので0.5%以上とは思われるが、VISAに正面切って対抗するとは決済手段が多様になってきた表れなのかもしれない。

ここでVISAを使うと思われるオンラインストアの売り上げを見てみたい。

決算資料でオンラインストアの部分を検索してみると以下のように出てくる。

引用:https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1018724/000101872421000020/amzn-20210630.htm

ここの純売上高のオンラインストア(1)の項を見ればよい、google翻訳の直訳だが中身は以下の通り。

(1)総売上高を記録する製品販売およびデジタルメディアコンテンツを含みます。小売インフラストラクチャを活用して、書籍、ビデオ、ゲーム、音楽、ソフトウェアなど、物理形式とデジタル形式の両方で利用可能なメディア製品を含む、消耗品と耐久消費財の幅広い選択肢を提供します。これらの製品販売には、トランザクションベースで販売されるデジタル製品が含まれます。無制限の視聴権または使用権を提供するデジタル製品のサブスクリプションは、「サブスクリプションサービス」に含まれています。

サブスク以外の小売りなので、まあ、要はアマゾンのオンラインストアでの総売上とみてよいだろうと思う。

として2021年の1/1~6/30までの6か月間でのオンラインストアの純売上高は106,058百万ドル。
よくわからないので、円に直すと12,123,118,777,000円(1ドル約114円)である。値が大きすぎてこれでもよくわからないので単位をつけていくと12兆1231億1877万7000円である!

円に直して少しピンと来たところで例えば半数の人がVISAを使っていて、手数料が1%だったとして計算すると、

12兆1231億1877万7000円  ÷ 2 ×1% = 606億1559万3900円

VISAは手数料だけで半年に606億円も売り上げているのか、しかもアマゾンだけで。すごいな。

ここでアマゾンの 2021年の1/1~6/30までの6か月間の当期純利益を見ると 15,885百万ドルとある。
日本円にして1兆8157億5875万2500円である。ある意味この利益のうちの606億円をVISAが食っているわけだが、割合としてはざっくり606÷11857≒5%である。
これは思ったよりも大きい。オンライン決済はオンラインストア以外でも利用されているため、推定ではあるが、実際は606億円より大きくなる可能性もある。

例えばVISAの手数料を1%と見積もったが、0.5%と半分になれば、VISAの手数料も約300億円減る。
まあ、イギリスやシンガポールの例はVISAに対する脅しだろうが、アマゾンは他の手も考えているだろう。

それが仮想通貨なのかもしれない。
もしカード決済ではなく、仮想通貨の支払いでよければその手数料はかなり安い。例えば以前見たリップルでは、一取引当たり20円である。1%の手数料とすれば2000円のものをVISAで購入した時と同じ手数料だが、それ以上の金額で購入した場合、リップルのほうが手数料は安く済む。

ましてや、もしリップルの支払手数料が購入者もちであれば、手数料は一切かからない、つまり半年で600億円、年間1200億円の削減につながる。
もちろんリップル等ほかの仮想通貨で購入できるようなシステム構築費用やその維持費はかかるだろうが、もしかしたらその費用はVISAに支払う手数料と比較すると微々たるものなのかもしれない。

仮に仮想通貨で決済できるようにするとして、問題は決済スピードであろう。

次は決済スピードについてみていこうと思う。

2021年11月19日

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