まさにタイトル通りだが、損出しについて適当に損を出せばよいと考えていたが、そんなことはなさそうだったので、メモ代わりに書いておく。
(しかし、2021/11/29,30で株がめちゃ下がったので、下がってから損だしすればよかった。。。12月まで待ってから損出しはするべきだった。まだ今年が終わったわけではないので、この後どうなるかわからんが、12月は利確の時期で下がりやすいのかもしれない。今はまだ配当金がそこまで多くないので、今知れてよかったというところにしておこう。棚から牡丹餅の配当金の一部がなくなったと思えば、初めから無いものだし、むしろ経験できてよかったかな。しかしそうすると意外とNISA枠を使うのがよさそうな気もしてきたな。NISA枠も検討してみるか。)
と、少し愚痴を書いたところで本題に移る。
私は自分ですぐ把握できるように、楽天証券のみで運用している。
よって楽天証券での損出しについて検討した。
まず結論から入るが、以下のとおりである。
「楽天証券で米国株の損出しをする場合は、評価損が-5%以上の株を売らないと損する」
この後、なぜこの結論に至るのか書くが、とりあえず2021年12月1日現在はだとそう思ってもらって構わないだろう。
ではなぜこのようになるのか検証したい。
まず楽天証券の米国株にかかる手数料だが、以下のようになっている。
引用:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/foreign/us/commission.html
ここで最低手数料0米ドルとあるが、これはハッキリ言ってクソだ。2.22米ドル(約250円)以下の取引とかいうが、そんな株はそもそもクソだろうから、ありえない。マジでどうでもいい手数料0米ドルだ。
ではほとんどの人が当てはまるであろう手数料は以下だろう
約定代金 | 手数料 |
---|---|
2.22米ドル超 ~ 4,444.45米ドル未満 | 約定代金の0.495%(税込) |
ここで約定金額とあるが、これは購入時と売却時それぞれにかかる金額のことである。
これはつまり、買って売るだけで、ほぼ1%の手数料がとられる(0.495 x 2=0.99[%])ということである。
ではここで損出しする場合を考えてみよう。米国株の利益にかかる税金は年末調整で取り返せるのでかかっていないとして、残る税金を約20%と見積もる。
また、初めにX円で購入した株がa%価格が下落しているとする。
すると現在の価格は(1-a)X円になる。(ただしaは0<a<1とする。)
これを損出しするために売却して、同じ金額で購入した場合、1%の手数料がとられるので、楽天証券に支払う手数料は0.01(1-a)Xとなる。
要はこの楽天証券に支払う手数料よりも還付される税金のほうが高ければよい。
ここで還付される税金を計算すると以下の通り。
買った時の価格がX円で、売るとき(1-a)Xなので、損した金額を求めるとX-(1-a)X=aXとなる。
そしてこの損した金額分、配当金や売却益が出ていた場合、損益通算できるので、この金額に20%かけた額が還付される額となる。計算すると0.2aXとなる。
以上から最終的にお得になった金額は以下のように計算できる。(まあ、これだけでは差し引きを求めるだけだが一応以下のようになる。)
( 還付される額 )ー( 楽天証券に支払う手数料 )
= 0.2aX ー 0.01(1-a)X
=(0.2aー0.01+0.01a)X
=(0.21aー0.01)X
この差し引きで出た上記の値が0以上になれば還付された金額のほうが大きいということなので、以下のようになる。
(0.21aー0.01)X ≧0
0.21aー0.01≧0
0.21a≧0.01
a≧0.01/0.21
a≧4.76%
つまりaは「株がa%下落しているとする」としたわけだが、aが4.76%よりも大きい場合、還付される金額のほうが大きいということになる。ほぼ同じだが少し言い換えると以下のようになる。
「楽天証券で米国株の損出しをする場合は、評価損が-4.76%(約5%)以上の株を売らないと損する」
また、この時にお得になる金額だが、お得になる金額は0.21(a-0.0476)X円になる。
以上。
少し例を考えてみたいと思う。例えば1万円で購入した株があったとして、現在の価格が9000円(10%の下落)だとする。
これを損出しに利用するために売却して、同じ価格で購入したとする。
すると楽天証券に支払う手数料は9000×0.01=90円
還付される金額は(10000ー9000)×0.2=200円
よってお得になった金額は200-90=110円となる。
ここで先ほど お得になる金額は0.21(a-0.0476)X円 といったが、この式に当てはめて考えると以下の通り。
0.21(0.1-0.0476)×10000=110円となり、先ほどの計算結果と一致する。
ここで例えば3%の含み損がある場合はどうだろう。また1万円で購入した株があったとして、現在の価格が9700円(3%の下落)だとする。
先ほどの計算式より、お得になる金額は0.21(0.03-0.0476)×10000=ー37円となる。これは、損出ししようと思って損失を確定したのに、楽天証券に支払う手数料のほうが大きいために37円損してしまうということを示している。
株式にかかるお金は、端数が中途半端にあるのでざっくりとした計算方法になるが楽天証券で損出しをする場合は5%が一つの目安になるだろう。
4,444.45米ドル 以上の場合はまた計算方法は別になるが、その場合は損益分岐点が5%よりも下がってくる。
手数料が22米ドルで固定されるためだが、それは今度書くか。計算機があると便利だから作ってみるか。
■まとめ
「楽天証券で米国株の損出しをする場合は、評価損が-5%以上の株を売らないと損する」
厳密にいえば4.76%だが簡単に言えばとにかくこれに尽きる。(2021年12月1日現在)