「忙しくてトレーニングの時間なんて取れない」──そんなあなたに朗報です。
英オックスフォード大と神戸大の共同チームが2022年に発表した研究によれば、肘を3秒だけ最大収縮させるトレーニングを1日1回×週5日、たった4週間続けただけで 筋力が平均10.2%向上 しました。しかも総トレ時間は わずか1分 足らず! 本記事では、その実験内容と自宅で再現する具体的メニュー、注意点まで徹底解説します。
研究概要
項目 | 内容 |
---|---|
論文 | Sato S. et al. “Effect of daily 3-s maximal voluntary contraction on elbow-flexor strength.” Eur J Appl Physiol (2022) PubMed |
参加者 | 20〜30代の健康男女 39名 |
期間・頻度 | 4週間・週5日 |
介入 | 1日1回だけ3秒の最大努力収縮(等速装置で肘屈曲) |
比較群 | コンセントリック群/アイソメトリック群/エキセントリック群/コントロール |
主な結果 | エキセントリック群で**+10.2%**、他2群でも+6〜8%の筋力向上。筋厚の顕著変化は無し |
ポイント
- “最大筋力を引き出すテンション” が 3 秒あれば神経系刺激に十分
- 合計 20 日間×3 秒=60 秒 の投資で顕著な成果
- 負荷が高強度(最大努力)であることが成功のカギ
自宅でできる3秒筋トレ・実践プログラム
曜日 | 種目 | フォーム & コツ |
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月 | タオル・アイソメトリックカール | タオルを足に引っ掛け全力で肘を曲げる |
火 | 壁プッシュアップ | 肩幅より広く手をつき胸を壁に押し込む |
水 | イス押しスクワット | チェア座面を押し下げるイメージで立つ |
木 | ドアフレーム・ロウ | ドア枠を握って体を前に引く |
金 | タオル・ハムストリングブリッジ | 両足の下にタオルを敷き滑らせながらブリッジ |
- 3秒フルパワー → 休憩終了。1部位1セットでOK
- 週末は完全休養して関節・腱の回復を促進
- 1セットで物足りなければ 2セット目を+3秒 追加(合計6秒)
成果を最大化する4つのコツ
- 0〜1レップ・イン・リザーブ(“もう1秒も無理”という強度)を意識
- 呼吸を止めない:吸って力を溜め、吐きながら3秒で出し切る
- 週1回の進捗テスト:同フォームで最大10秒計測し、力の伸びを可視化
- タンパク質=体重×1.6g/日+十分な睡眠で合成スイッチON
よくある質問
Q. 3秒だけで筋肥大もしませんか?
A. 本研究では筋厚の有意増加は確認されませんでした。ただし神経系の発火効率が向上するため、その後の通常トレでも高重量を扱いやすくなり、結果的に筋肥大ペースが上がると考えられます。
Q. 家具や道具が壊れない?
A. 壁やイスを使う場合は安定した構造物を選び、滑り止めシューズを着用してください。
Q. 高血圧でも大丈夫?
A. 最大努力は血圧を大きく上げる可能性があります。収縮期160mmHg以上の方は医師に相談のうえ負荷を調整してください。
まとめ
- 3秒×1日1回という“ほぼゼロ時間”投資で筋力+10%
- ポイントは「最大努力」「週5日」「4週間」の3条件
- 自宅でタオルや壁さえあれば再現でき、継続率も抜群