【あらすじ】『Bjorn Yandel the Barbarian』Episode 16|地上への帰還とラフドニアの街並み、そして「帰りたい」という本音
目次
- 地上への帰還 ― 混雑と再会の喧騒
- バーバリアン同士の熱狂的な交流
- 驚異の収穫 ― 18万超の魔石
- フェアリーとの再会と“すれ違い”
- 初めてのラフドニア生活 ― 街並みと買い物
- ベッドの上で漏れた一言「帰りたい」
- Q&A(街の仕組み・魔石の価値など)
- 用語集
地上への帰還 ― 混雑と再会の喧騒
第七日目を生き延びた冒険者たちが一斉に地上へ戻る。
灰色の空の下、数百人の冒険者が雑踏を作り、まるでワールドカップのサポーターの群れのような熱気に包まれていた。
生還を喜ぶ声、仲間を探す叫び、そして喪失に泣き崩れる人々――ゲーム画面では見られなかった「現実の迷宮の残酷さ」がそこにあった。
バーバリアン同士の熱狂的な交流
ビョルンは仲間のバーバリアンたちと合流。
「〇〇の息子」「△△の三男」といった長大な血統名で互いを称え合う様子は滑稽でありながら、同胞としての強烈な絆を感じさせる。
彼らの熱量に押され、思わずビョルンも叫ぶ。
「俺が最強の戦士だ!」
瞬間、仲間たちは大歓声を上げ、ビョルンを空に放り投げた。
驚異の収穫 ― 18万超の魔石
魔石換金の場では、それぞれの収穫がスーパーのレジのように次々と計測されていく。
そしてビョルンの番。
その総額は――182,413魔石。
冒険者たちを震撼させる史上最高額に、彼の名は「最強の戦士ビョルン・ヤンデル」として称えられる。
フェアリーとの再会と“すれ違い”
人混みの中、エルウェンを見つけるビョルン。
二人は視線を交わし、口パクで「今夜」「はい」と約束を交わす。
だが、周囲のフェアリーたちの存在、そして「バーバリアンは妖精と親しくなどしない」という空気が二人の間に壁を作る。
エルウェンは姉と行動を共にし、結局まともに話す機会は失われてしまう。
ビョルンはその姿に「ロミオとジュリエットではない」と苦笑しつつも、心にわずかな痛みを残す。
初めてのラフドニア生活 ― 街並みと買い物
仲間の宴には加わらず、街を歩くビョルン。
昼のラフドニアは活気に溢れ、石造りの三階建て以上の建物が立ち並び、水道まで完備された中世以上・近代未満の都市だった。
血と泥にまみれた身体を洗い流し、新しい服(2,500魔石)を購入。
「人間らしさ」を取り戻した瞬間、ようやく自分が異世界に生きる“生者”であることを実感する。
ベッドの上で漏れた一言「帰りたい」
宿に戻り、ベッドに沈み込むビョルン。
過去七日の死闘を思い返し、胸に湧き上がるのはただ一つの想い。
「家に帰りたい」
初めて口にした切実な本音。
冒険者としての誇りや収穫よりも強い、“異世界転移者”としての哀しみが浮かび上がる。
Q&A(街の仕組み・魔石の価値など)
Q. 魔石の価値はどのくらい?
→ パン一切れ=20魔石。ビョルンの収穫=パン9,000枚分。
Q. ラフドニアはどんな都市?
→ 多層の石造建築、水道設備あり。冒険者経済に依存しつつも近代的要素が強い。
Q. 冒険者は必ず“酒場”に行くの?
→ バーバリアンは即直行。だがビョルンは一線を画し、街の探索を優先した。
用語集
- 魔石(Mana Stone)
迷宮内の魔物から得られるエネルギー結晶。通貨としても流通。 - ラフドニア(Rafdonia)
冒険者が拠点とする大都市。石造りの高層建築や水道設備を備え、文明度は高め。 - ブラックホエール酒場
冒険者たちが集合・休憩・情報交換を行う場所。エルウェンとの再会の約束の地。
次回予告
Episode 17では、いよいよラフドニアでの生活が本格化。
装備の換金、情報収集、そして新たな仲間との出会いが待ち受ける。
だが同時に、迷宮とは別の“人間社会の理不尽”が、ビョルンを試すことになる――。