バーバリアンとして生き残る – 第119話 「暗雲（3）」要約と考察【大ボリューム・完全版】
第119話は、トロル戦後の余波と新たな火種の予兆を描く重要回です。
ビョルンたちは大怪我を負った仲間の治療を終えて一息つくものの、
その裏で「カロン」「ギルド」「アーウェン」「新たな女の影」という複数の伏線が同時に動き始めます。
戦闘回ではありませんが、人間関係の衝突と今後の展開を大きく左右する重要エピソードです。
トロル戦後の療養と回復
トロル戦の激闘を終えたビョルン一行は、しばらく探索活動を休止することに決定。
- 特に呪術士 ドワーキーのダメージが深刻。
- 高品質ポーションを使っても回復は遅く、最終的に**神殿で高位治癒（High-Grade Healing）**を受ける必要があった。
「ふぅ、ようやく立てるようになった…」
「後遺症はないか？」
「大丈夫だ、次の迷宮にも出られるさ」
奇跡的に後遺症なしで回復できたのは、初動で高級ポーションを使ったおかげ。
これにより次回遠征にも影響はなく、ひとまずチームは安堵します。
今回の収支と痛すぎる出費
今回の遠征は「奇跡的に全員生還」という成果があったものの、経済的には大赤字。
- 収入：
- 依頼報酬＋魔石＋素材販売 → 推定40万ストーン／人
- 支出：
- 高級ポーション代：20万ストーン
- 装備修理費：未計算（高額確定）
- ドロップ：
エッセンス無し → これが痛恨。
「あのトロル、倒したんだからエッセンスくらい落とせよな…」
結果的に「大勝利」なのに、財布は軽くなったビョルン。
戦闘は命懸けなのに、この世界の稼ぎ構造はかなり厳しいことが浮き彫りになります。
突然のギルド訪問要請
装備整理をしていると、探検者ギルドの職員が訪問。
「ビョルン・ヤンデルさんですね？ ギルドまでご同行願えますか？」
かつて誤認逮捕で地下牢送りになった記憶がよぎり、ビョルンは一瞬警戒。
しかし今回は衛兵も同行しておらず、雰囲気は柔らかい。
理由を尋ねると――
「証人として来ていただきたいのです」
対象はなんと新人カロン。
ギルドから「彼がマローダー（略奪者）ではない証人」として呼ばれた形でした。
ギルドでの再会 ― カロン編
ギルド支部で待っていたのは、見覚えのある支部長と、ソファで寝たふりをしているカロン。
「カロン、寝たふりはやめろ。ここじゃ必要ない」
「……どうして分かったんだ？」
「お前ならやると思っただけだ」
ここでカロンはビョルンに戦士としての敬意を示し、互いの信頼が深まります。
● マローダー疑惑は既に晴れていた
- ギルドはすでに魔法でカロンの無実を確認済み。
- 本来、証人として呼ぶ必要すらなかった。
ビョルンは即座に気付きます。
「……俺じゃなくて、俺を呼ぶこと自体が目的だな」
ここでギルドの真意が浮かび上がります。
“彼女”からの呼び出し ― 新たな火種
支部長から語られた本題は――
「アーバンズ嬢が、あなたにお会いしたいそうです」
アーバンズ嬢。
それは以前、ビョルンが人質に取ったギルド地方長の娘。
ビョルンは即答。
「断れ。忙しい」
しかし支部長は粘ります。
- 「あなたに不利益はない」
- 「むしろ有益な話になる可能性が高い」
- 「詳細は会ってみないとわからない」
つまり、彼女は何かしらビョルンに「依頼」をしたい様子。
伏線として、貴族・ギルド・迷宮攻略の大きな案件に関わる可能性があります。
エルウェンの帰還 ― 再会のすれ違い
物語の後半は一転してエルウェン視点に。
● ビョルンを探す決意
- かつての初パーティ仲間であるビョルンが生きていたと知ったエルウェン。
- 感極まって街を駆け抜け、彼の宿へ。
「……やっと、会える」
再会に胸を高鳴らせながらドアをノック。
しかし開けたのは――
赤髪の獣人女性、ミーシャ。
● 部屋の中で見た光景
- 部屋番号はビョルンの部屋で間違いなし。
- ミーシャは「ビョルンはさっき出かけた」と告げる。
- さらに髪からは濡れた水滴が落ちる。
「……一緒に住んでるんですか？」
「え、えっと…違いますけど……？」
表向きはにこやかに応対するエルウェン。
しかし内心では複雑な感情が渦巻きます。
微笑みの裏で揺れる感情
エルウェンは一見、落ち着いた声で告げます。
「……大丈夫、誤解なんてしてません」
「でも、人のものを欲しがるのは、罰を受けても仕方ないですよね？」
この一言には、嫉妬と所有意識、そして再会への強い執着が滲んでいます。
つまり、今後は――
ビョルン × ミーシャ × エルウェンの三角関係が動き出す可能性が高い、という伏線。
第119話の重要ポイントまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 遠征結果 | トロル撃破 → 全員生存 |
| 収支 | 約＋40万ストーン／人、ただし修理費で赤字濃厚 |
| ギルド要請 | カロン無実の証言依頼（実際は別件が目的） |
| アーバンズ嬢の登場 | 過去の人質事件で因縁のある貴族。ビョルンに接触希望 |
| エルウェン再登場 | ビョルンと再会を目指すが、部屋でミーシャと鉢合わせ |
| 新たな火種 | ギルド案件＋人間関係の波乱＋新展開の予兆 |
考察：今後の展開予想
- ギルド＆アーバンズ嬢ルート
→ ビョルンに対する「特別な依頼」か、「迷宮深層探索」に関わる大きな案件の可能性大。 - カロンの成長イベント
→ 新人から正式な仲間へ昇格する布石か。 - エルウェンの心情変化
→ ミーシャとの関係に緊張が走る。
→ 次章以降は「再会イベント」＋「感情衝突」になる可能性大。
総評
第119話は戦闘から人間関係ドラマへ大きく転換する回です。
- トロル戦の余韻で「仲間の絆」が強化。
- ギルドからの新たな火種が提示。
- エルウェン再登場で恋愛・嫉妬・対立の伏線発生。
つまり、
物語が次章から「迷宮攻略編」＋「人間関係編」の二軸で進む可能性が極めて高いです。
