『転生したらバーバリアンになった』小説版・第275話ロングあらすじ【初心者向け・保存版】

転生したらバーバリアンだった
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ドレイク襲来と“裏切りイベント”決着編──ハンスJという「人間のバグ」

第275話「Whirlpool(1)」は、
274話ラストで空から乱入してきたドレイク&ノーアーク組との本格的な交戦が描かれる回です。

同時に、これまで伏線として積み上げられてきた

  • 「裏切り者は誰か?」
  • 「ハンス・アウロックは本当に信用していいのか?」

というサスペンスが、一気に“現実の流血”として決着してしまう、非常に重いエピソードでもあります。

ざっくり流れをまとめると、

  1. ドレイク襲来 → 緊急防御&隊列再構築
  2. ベルバーソン vs 主人公のタイマン戦
  3. カーミラによる“甘言”+ハンスの過去暴露
  4. 主人公が仕込んでいた「裏切り対策」が発動し、ハンス即処刑
  5. 裏切りパターンは潰したものの、戦闘はまだ続行中──で次回へ続く

という構成です。

ここから、順を追って詳しく見ていきます。


1. ドレイク襲来──疲弊したパーティへの追い打ち

274話のグアノ・シーサーペント戦を終え、
4等級エッセンスを回収した直後、空から黒い影が炎をまき散らしながら落下してきます。

それが、ノーアーク側の召喚士カーミラが操るドレイク

● 状況は最悪レベルの厳しさ

  • エルウェン:前戦闘のダメージで戦闘不能(ほぼ動けない)
  • エルシナ:神力(回復リソース)がほぼ空
  • レイヴン:MP残量少なめ
  • 主人公自身も:スキル連発とボス戦でMPがかなり減っている

つまり、**「フルコンディションなら勝てる相手でも、今の状態では危険な相手」**がここに来て乱入してきた状況です。

そんな中でも、主人公は即座に判断を下します。

「配置につけ(Battle stations!!)!」

この一声で、すでに何度も修羅場を潜り抜けてきた仲間たちが
反射的に防御態勢へ移行するのが、これまでの積み重ねを感じさせる良い描写です。


2. レイヴンの成長が光る「マジックバリア」

炎を吐きながら接近してくるドレイクに対して、
真っ先に反応したのがレイヴン

「アレルベス・ウィアル!」

7等級の代表的な防御魔法**[マジックバリア]を即座に展開し、
さらに
氷属性強化**まで一瞬で付与してくるあたり、
探索者としての成長っぷりがはっきり描かれます。

  • ドレイクの炎ブレス → バリアの氷属性で軽減
  • 炎が傘に当たる雨粒のように散る → 一瞬の時間稼ぎに成功

この短い描写だけで、

  • レイヴンの詠唱スピード
  • 属性理解
  • 臨機応変な強化の入れ方

が、以前とは段違いになっていることが伝わります。

もっとも、その防御もドレイクの本気タックルには耐えられません。

  • ブレス → バリアで防ぐ
  • その直後、ドレイク本体が全身で突撃
  • 7等級防御魔法が砕け散るほどの物理衝撃

ブレスと体当たりの連携は、
“調教師(テイマー)系の基本戦術”とも言えるコンボであり、
相手側の成熟した戦闘経験が垣間見える部分です。

ここでアヴマンもすかさず**爆裂矢(Dangerous Substance)**を叩き込みますが、
ドレイクは翼で身体を覆ってダメージを減衰。
即殺には至りません。


3. ベルバーソン vs 主人公──スキル切れのタイマン戦

ドレイク背から飛び降りてきた男こそ、
ノーアークの剣士ベルバーソン

  • 白いオーラを纏った剣
  • 騎士のオーラとは違うが、危険な一撃であることはタンク経験値で理解できる

主人公は瞬時に、

「これを正面から食らうのはマズい」

と判断し、盾で受けて衝撃を殺します。

  • 直撃していれば、大ダメージは確実
  • 実際、盾には傷が入るほどの威力

ここからタイマンモードに移行していきます。

● しかしここで決定的な問題:MP切れによる[巨大化]解除

主力スキル[巨大化(Gigantification)]を使い、
巨体を活かした圧殺戦法に持ち込もうとするも──

「魂力不足により[巨大化]解除」

前のボス戦&連戦の影響で、
肝心のリソース(MP/ソウルパワー)が枯渇。
つまり、“パワーで押し切るいつもの戦法”が使えない状況です。

一方のベルバーソンは、

  • ノーアーク仕込みの対人戦スキル
  • シールドの死角を狙うコントロール
  • 毒を塗った剣で“当てるだけで価値がある”攻撃

と、PvPプレイヤーらしい戦い方をしてきます。


4. オーガエッセンス[鉄皮] vs ベルバーソンの毒剣

[巨大化]が切れて苦しいかと思いきや、
ここで主人公のビルドが本領発揮します。

オーガのパッシブスキル [アイアン・ハイド(Iron Hide)]
= 斬撃系物理ダメージに対する耐性2倍

ベルバーソンの斬撃は、
主人公の腕を貫通しつつも深く入らずに止まる

  • 「刺さったけど、致命にはならない」
  • → その瞬間、主人公は反撃で側頭部狙いのメイス一撃

結果、ベルバーソンは咄嗟に腕でガードし、
左腕を潰される形で生存を選ぶ

  • 「腕を失っても命は残る」
  • → 判断自体は冷静で、相手の戦闘経験値の高さも伺える

しかしその後は、

  • 周囲から湧き続ける雑魚モンスター
  • ベルバーソンが[鉄皮]を見抜き、刺突中心の攻撃に切り替え
  • 剣に塗られた毒のおかげで、被弾=回復が追いつかない

と、じわじわ不利な展開に。

主人公はここで一旦「短期決戦」を諦めます。

「まずはMPを貯めろ。
防御と情報収集に専念し、相手のエッセンス構成を見極めてから仕留める」

という“プレイヤーらしい発想”に切り替えるのが、
いかにもこの作品の主人公らしいところです。


5. カーミラの甘言と、「ハンスJ事件」の真相暴露

戦いが膠着し始めた頃、
離れた位置から女の声が響きます。

「ハンス・アウロック!!
邪魔してないで、こっちを手伝いなさい!」

ドレイクの主であるカーミラの声です。

続けて──

「ノーアークの者でしょ? 私があんたのことを伝えたのよ」

要するに、

  • ハンス、お前がノーアークの内通者なのは、こっちは把握済みだ
  • おとなしく“こっち側”につけ

という露骨すぎる“味方勧誘”です。

もちろん、主人公サイドの仲間は即座に否定。

「そんなもの信じるわけない!」
「卑怯な口車に乗るか!」

しかしカーミラは畳みかけます。

「じゃあ教えてあげる。
ハンス・アウロックは12年前、モントリナ伯爵家の娘を殺して、その罪を揉み消したのよ!」

この発言によって、

  • ハンスの“貴族殺し”の過去
  • それを隠すために行われた工作
  • そしてその弱みを握られ、ノーアーク側に取り込まれていた

という構図が一気に浮かび上がります。


6. “Doppelganger Forest”との対比──今回は「事前に対策済み」

ここで主人公は、
過去に経験した**「ドッペルゲンガーの森」での裏切りイベント**を思い出します。

当時は、

  • 中ボス戦のどさくさ
  • 味方からの突然の裏切り
  • 予想以上の被害

という、かなり苦い経験として刻まれていました。

しかし今回は違います。

主人公は、ドレイク襲来直後、
すでに**「ボイスチャット(Voice Control魔法)」の使用条件付きでの作戦会議**を済ませています。

「レイヴン、ボイスコントロールを発動しろ。
俺たちだけが会話を共有できるように」

そしてその中で、
「もしハンスが裏切る素振りを見せたら、即座に刺せ」
という指示を事前に出していたのです。

対象は複数:

  • エルウェン
  • レイヴン
  • アヴマン

しかし、実際に即座に“殺しの一手”を実行できたのは──

エルウェン

でした。


7. エルウェンの一刺し──裏切り者処刑と、戻れない一線

カーミラの暴露に対し、
ハンスはおそらく何か言い訳をするつもりだったのか、
あるいはノーアーク側へ向けて魔法を放つつもりだったのか。

「イヘルノ・カル・ベルデイ──」

と詠唱を始めた瞬間、
背後から短剣が胸を貫通します。

刺したのは、
戦闘不能状態で後方にいたはずのエルウェン。

  • 前衛ほど派手な動きはできない
  • しかし、事前に「裏切り兆候があれば刺せ」と命じられていた
  • さらに、もともと“敵を殺すこと”への心理的ハードルが低い傾向

これらが合わさり、
彼女は迷わず“裏切り候補”を排除する行動に出たわけです。

周囲は当然騒然となります。

  • エルシナ:
    「どうして!? まだ裏切りと決まったわけじゃないのに!」
  • エルウェン:
    「でも、詠唱してましたよね」

このやりとりが象徴するのは、

  • 「事実としての裏切り」よりも
  • 「裏切る可能性があるかどうか」を重視する、極限環境の倫理観

です。

主人公は、そこであっさりと言い切ります。

「よくやった、エルウェン」

仲間を守るために“危険な駒”を潰した彼女を、
100%肯定する立場を取ったわけです。


8. ハンスJという存在──「強いのに信用できない」の終着点

ハンスJはこれまで、

  • 魔術師としては超優秀(4等級、チェインライトニング持ち、詠唱高速)
  • しかし、
    • 空気が読めない
    • 無神経な正論を吐く
    • 過去にとんでもない事件を起こしている
    • ノーアークと裏で繋がっている疑惑

という、“強いけれど危険なピース”として描かれてきました。

275話でついに、

  • ノーアーク側からの暴露
  • 詠唱開始という“裏切りの実動”
  • エルウェンによる即時処刑

この3点によって、
彼の物語上の役割は完全に終わります。

主人公の一言、

「ハンスはやっぱり“そういう存在”なんだよな」

という諦めにも似た認識は、
読者にとってもある種の納得をもたらすラストでした。


9. エルシナとパーツランの反応──倫理と現実の境界線

ハンス処刑後の反応も、キャラ性がくっきり分かれる見どころです。

● エルシナ(神官)

  • 「まだ裏切りと決まっていなかった」
  • 「彼の魔法がこちらを狙っていたとは限らない」

と、人道的・倫理的な観点から強いショックと拒否反応を見せます。

● パーツラン(探索者、リーダー格)

  • 一瞬驚くものの、すぐに冷静さを取り戻す
  • 「今は戦場だ」
  • 「裏切りの可能性があった以上、処断もやむなし」

という立場を取り、
エルシナに対し「後で話そう」と戦闘継続を促します。

ここで、
**“神官=道徳と信仰の人”**と
“探索者=現場の合理を知る人”
という構造的対立も浮き彫りになっています。


10. 裏切りイベントは乗り越えたが、戦いはまだ終わらない

ハンスJ処刑により、

  • ノーアークによる「内側からの崩壊」作戦は不発
  • 主人公の「先読みと事前準備」によって“裏切りパターン”は無事突破

……のはずでしたが、
ラスト一文で不穏な気配が漂います。

「『ヤンデル! アヴマンが──!』」

誰かが叫ぶところで、第275話は終了。

  • 新たな被害者が出たのか
  • ノーアーク側の反撃か
  • あるいはモンスターが割り込んできたのか

詳細は次話以降へ持ち越しとなります。


11. 第275話のテーマ・見どころまとめ

● 戦闘・戦術面

  • ドレイク+ノーアークコンビ vs 疲弊した主人公一行
  • MP切れで頼みの[巨大化]が封じられた状態でのタイマン
  • [鉄皮]によるビルド差の活かし方
  • 声魔法による“味方だけのライン”の活用と、事前仕込みの強さ

● 人間ドラマ・心理面

  • ハンスJの「過去」と「裏切り」が、敵の口から一気に暴露される構図
  • エルウェンの“迷いのない殺し”と、それを称賛する主人公
  • エルシナの道徳的拒絶と、パーツランの合理的容認

「極限状況では、“正しさ”より“生き残るかどうか”が優先される」

という、本作らしいシビアな価値観が、
非常に分かりやすい形で表現された回でした。

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