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【徹底解説】聖水を確定入手できる万年筆と地下1階の出口|『転生したらバーバリアンだった』第551話「秘密の部屋(4)」あらすじ&考察
第1記録保管室を発見したことで、ビョルンたちの地下1階探索は大きく前進した。
前話で最大の謎として残されたのは、ハムシクが大切に守っていた金色の本だ。そこには、魔法を学ぶために故郷を離れる兄と、その別れを悲しむ妹の物語だけが記されていた。
兄が最後の大賢者ガヴリリウスなのか。それとも別人なのか。現時点ではまだ分からない。
しかもハムシクによれば、この本はいつか「資格を持つ者」へ渡さなければならないという。
しかし今回、第1記録保管室から見つかったのは、過去へつながる謎だけではなかった。
狙った色の聖水を確定で手に入れられる万年筆。
そして地下1階の島々だけでなく、地下2階への道と地上への出口まで示している可能性のある地図。
これまで手探りだった地下1階が、ここに来て初めて「攻略可能な構造」として見え始める。
- 第1記録保管室で見つかった7冊の特殊召喚本
- ハムシクの机にあった謎の万年筆
- 欲しい色の聖水を確定させる規格外の能力
- 強力な万年筆にも制限はある
- ハムシクは「生まれた時から」使い方を知っていた
- 万年筆も「資格を持つ者」へ渡す品
- 地下1階全体を示す地図
- 巨人島の「下向き矢印」が意味するもの
- 族長の島には「上向きの矢印」
- 転移石碑には別の起動条件がある
- 図書館島攻略には等級1モンスターまで待っている
- ハムシクが覚えた「冗談」
- 特殊召喚本を実際に使ってみる
- 「???」から現れたのはドレイク
- 色付き召喚本で万年筆の仕組みが実証される
- なぜビョルンは万年筆をすぐ使わないのか
- 聖水構築は「何を取るか」だけではない
- 「資格を持つ者」は何者なのか
- 地下1階には「帰還」と「さらに深く進む道」がある
- 出口発見によって族長戦の意味が変わった
- 迷宮99日目――地上ではビョルン生存の噂
- レイヴンが願う「噂が本当であってほしい」
- レイヴンが感じていたのは安堵だけではない
- レイヴンは「王国の魔術師」と「探索者」の間にいる
- 王宮から届いた直接命令
- まとめ|地下1階の攻略ルートが一気に見え始めた
第1記録保管室で見つかった7冊の特殊召喚本
まずビョルンたちは、第1記録保管室で得たものを整理していく。
前話の金色の本とは別に見つかったのが、7冊の特殊な召喚本だった。
普通の本棚では見つけられない特殊な本ばかりで、明らかに通常の召喚本とは性質が違う。
ある本には10体を超える希少なミミック。
別の本では、モンスターの絵が通常の白黒ではなく赤や青などに塗られている。
さらに、モンスターの一部が「???」で隠され、何が召喚されるのか分からない本まで存在する。
地下1階は、ほとんど攻略情報の存在しない未開拓領域だ。
だからこそビョルンも、未知の本を見つけたからといって何も考えず使用することはない。
何が出現するのか。
現在の戦力で対処できるのか。
特殊な条件はあるのか。
価値が分からないものほど、まず仕様を確認する。
長年『ダンジョン・アンド・ストーン』を攻略してきたビョルンらしい慎重さだった。
ハムシクの机にあった謎の万年筆
そんな中、ビョルンが目をつけたのが一本の万年筆だった。
ハムシクの机に置かれていた、一見すればただの筆記具だ。
だが、第1記録保管室にある以上、本当に普通の万年筆とは考えにくい。
ビョルンが使い方を尋ねると、ハムシクは明らかに言いづらそうな反応を見せる。
しかし、ビョルンとはすでに「友達」になっている。
秘密を守るべきか。
友達には教えるべきか。
ハムシクなりに迷った末、その能力を明かした。
「この万年筆で本の絵に色を塗れば……その色の聖水を手に入れられる。」
その説明を聞いた瞬間、ビョルンは思わず声を上げる。
無理もない。
これは聖水(Essence)の入手ルールそのものへ干渉できる道具だったからだ。
欲しい色の聖水を確定させる規格外の能力
探索者にとって、聖水は構築の根幹を決める。
しかし目的のモンスターを倒したからといって、理想の聖水が簡単に手に入るわけではない。
まず目的のモンスターと遭遇する。
倒す。
そこから聖水が出るのを待つ。
さらに必要な能力に応じて、どの聖水を狙うのかまで考えなければならない。
どれだけ戦闘力が高くても、最後には運が残る。
ところが、この万年筆を使えば召喚本に描かれたモンスターへ色を付け、その色の聖水を確定で入手できるという。
つまり、
「いつ落ちるか分からない聖水」を「確実に手に入る聖水」へ変えられる。
単純な武器や防具とは価値の方向が違う。
装備なら現在の戦闘力を上げる。
しかし万年筆は、将来どんな能力を手に入れるかという構築そのものを操作できる。
ビョルンが「こんなものが存在していいのか」と思うほど強力なのも当然だった。
強力な万年筆にも制限はある
もちろん、何の制限もないわけではない。
対象は等級3以下。
さらに使用回数は、
わずか二回。
無限に使えるのであれば、目的の召喚本さえ手に入れれば好きな聖水を次々に確定できる。
さすがにそこまで壊れた道具ではなかった。
それでも『ダンジョン・アンド・ストーン』の厳しさを知るビョルンからすれば、二回でも十分すぎる。
等級3には最終構築へ残り得る強力な能力も存在する。
その聖水を一つ確定で入手できるだけでも価値は大きい。
しかも二回。
使いどころさえ間違えなければ、ビョルンの完成形そのものを左右する切り札になる。
そしてビョルンは、なぜ探索者たちが新しく開放された地下1階へあれほど執着するのか、改めて理解する。
5階も6階も7階も。
最初に開拓された時代には、今回の万年筆のような誰にも発見されていない隠し要素が存在したのだろう。
未開拓領域には、既知の階層を繰り返し探索するだけでは手に入らない価値が眠っている。
ハムシクは「生まれた時から」使い方を知っていた
ここでビョルンは疑問を抱く。
ハムシクは万年筆の能力だけでなく、等級制限や使用回数まで詳しく知っている。
過去に使ったことがあるのではないか。
しかしハムシクは否定した。
一度も使っていない。
それでも使い方を知っている。
理由は、
「生まれた時から知っていた」
からだという。
これは前話で見え始めたハムシクの性質と一致している。
金色の本についても、そこに書かれた兄妹が誰なのかは知らない。
なぜ重要なのかも説明できない。
しかし、
「大切に守らなければならない」
「資格を持つ者へ渡さなければならない」
という役割だけは知っていた。
万年筆も同じなのだろう。
誰が作ったのかは知らない。
なぜその能力を持っているかも知らない。
それでも管理者として必要な使い方だけは理解している。
ハムシクは普通の生物のように経験から知識を得たというより、第1記録保管室を管理するために必要な情報を最初から与えられた存在と考える方が自然だ。
万年筆も「資格を持つ者」へ渡す品
そして案の定、万年筆にも金色の本と同じ問題があった。
ハムシクによれば、この万年筆も本来は資格を持つ者へ渡さなければならない品だという。
ビョルンはその資格者ではない。
それでもビョルンは、ごく自然に万年筆を確保しようとする。
当然ハムシクは止める。
そこでビョルンは万年筆の使用回数に注目した。
二回使える。
なら、
一回だけ自分が使い、残り一回の状態で資格者へ渡せばいい。
相当に都合のいい理屈だ。
ハムシクも反発する。
しかしビョルンはさらに確認する。
「二回残った状態で渡さなければならないという決まりはあるのか?」
ハムシクは答えに詰まった。
そんな規則はない。
なら問題ない。
ビョルンの中では、それで話は終わりだった。
本来の意図を考えれば、資格者へ二回分残しておく方が自然だろう。
しかしビョルンが見るのは製作者の気持ちではない。
明文化されたルールのどこまでが許されているか。
ゲーム時代から、仕様の穴を見つけて攻略へ利用してきたビョルンらしい考え方だった。
地下1階全体を示す地図
そして第1記録保管室には、万年筆とは別方向で極めて価値の高いものが残されていた。
地下1階の地図。
これまでビョルンたちは海を渡り、島を一つずつ発見することでしか地下1階の地理を把握できなかった。
しかし地図には、開始地点となった岩島を中心として複数の島が描かれている。
航海士のアウエンと確認すると、まだ訪れていない島は二つ。
一つは図書館島から約1週間。
もう一つは、
約1か月。
その距離だけでも、地下1階が単なる一つの迷宮階層とは思えないほど巨大なことが分かる。
さらに遠い島は、以前見えた虹とほぼ同じ方向に存在していた。
ただの偶然とは考えにくい。
そこで一行は、その未知の島をひとまず**「虹島」**と呼ぶことにする。
今まで虹は海の向こうに見える謎の現象でしかなかった。
しかし地図によって、それが具体的な攻略候補へと変わった。
巨人島の「下向き矢印」が意味するもの
地図を詳しく見ていたヴェルシルは、さらに重要な印を発見する。
場所は巨人島。
以前ビョルンたちが滞在した洞窟だ。
そこには転移石碑を示すと思われる印が描かれていた。
実際、ビョルンたちはそこで石碑を見つけている。
問題はその下。
誰が見ても意味を想像できる、
下向きの矢印。
全員が同じことを考えた。
地下1階にある転移石碑。
そこから下へ向かう。
最も自然な意味は――地下2階だ。
これまでビョルンたちは、生き残ることと地上へ戻ることを最優先にしてきた。
だが、そのさらに下にも世界が続いている可能性が示された。
族長の島には「上向きの矢印」
そして地図に描かれた転移石碑は、全部で二つしかなかった。
もう一つは――族長の島。
こちらの石碑には、巨人島とは反対に上向きの矢印が付いていた。
下が地下2階なら、上が示すものはほぼ一つしかない。
地上。
つまり族長の島の転移石碑こそ、ビョルンたちが探し続けていた地下1階からの出口である可能性が高い。
「少なくとも、出口は見つかった。」
仲間たちは歓喜する。
地下1階へ落とされて以来、地上へ戻る方法が存在する保証すらなかった。
それが今、初めて具体的な場所として見つかったのだ。
しかしビョルンは素直には喜べない。
出口があるのは、よりによって族長の島。
つまり帰還するためには、遅かれ早かれ族長の問題と向き合わなければならない。
出口の発見は希望であると同時に、族長との衝突を避け続けることが難しくなった瞬間でもあった。
転移石碑には別の起動条件がある
さらに問題がある。
巨人島の石碑は、すでに発見している。
しかし動かなかった。
地図に明確な意味が記されている以上、石碑そのものが偽物だったとは考えにくい。
ならば、転移には何らかの別条件が必要なのだろう。
特定のアイテム。
特定モンスターの討伐。
島の攻略。
あるいは地下1階全体に関係するクリア条件。
現時点では分からない。
その最有力候補として浮上するのが、未探索の虹島だ。
以前から遠方に見えていた虹。
その方向に存在する未知の島。
わざわざ目印のような現象まで存在する以上、重要な場所である可能性は高い。
現段階では、
図書館島で戦力と情報を集める
→ 虹島を攻略する
→ 転移石碑の起動条件を探す
→ 族長の島へ向かう
→ 地上へ帰還する
という流れが、有力な攻略ルートとして見えてくる。
図書館島攻略には等級1モンスターまで待っている
ただし、図書館島そのものもまだ攻略し切ったわけではない。
ビョルンはハムシクへ、本棚の最上段から何が召喚されるのか尋ねる。
返ってきた名前から判断すると、最終的には等級1モンスターまで倒す必要がある。
幸い、複数を同時に倒さなければならないわけではないらしい。
それでも等級1は別格だ。
高い攻撃力と耐久力だけではない。
特殊能力を一つ読み違えるだけでも、一気に戦線が崩壊しかねない。
本棚が高くなるほど敵も強くなり、最終的に等級1へ到達する。
この構造を見ると、図書館全体が段階式の試験のようにも見えてくる。
そこでビョルンはハムシクへ、
すべて倒せば「資格」を得られるのか。
と尋ねる。
しかしハムシクにも分からなかった。
つまり、
図書館完全攻略=資格獲得
という可能性はあるものの、まだ仮説にすぎない。
ハムシクが覚えた「冗談」
第1記録保管室の調査を終え、ビョルンが外へ出る方法を聞く。
するとハムシクは平然と言った。
「一度入ったら、もう出られない。」
ビョルンの思考が一瞬止まる。
しかし直後、ハムシクは楽しそうに、
「ピッ! 冗談!」
と笑った。
以前ビョルンから、友達同士なら冗談を言うものだと学んだらしい。
これは小さな場面だが、ハムシクという存在を考えるうえでは興味深い。
彼には生まれつき与えられた知識や役割がある。
その一方で、友達や冗談のような社会的な概念は後から学習できる。
つまりハムシクは、固定された命令に従うだけの装置ではない。
外部との交流によって人格を変化させる存在でもあるのだ。
特殊召喚本を実際に使ってみる
休息後、ビョルンたちは第1記録保管室から持ち出した特殊召喚本の検証を始める。
最初は、10体以上の希少ミミックが描かれていた本。
本を開くと、描かれていた通り複数のミミックが出現した。
通常の探索なら、ミミックは宝箱などへ擬態して奇襲することで危険度を高める。
だが今回は、召喚されると最初から分かっている。
奇襲という最大の利点を失っている。
ビョルンたちは前衛を固定し、ミミックを正面へ集め、後衛の射線を確保する。
複数戦では、敵を一体ずつ追いかけると陣形が崩れる。
それよりも、敵側から狭い正面へ集まる形を作り、同時に攻撃を受ける数を制限する方が安全だ。
そこへ遠距離攻撃や魔法を重ねて処理していく。
十体以上いても、現在の一行なら戦闘そのものは大きな問題にならない。
しかし――聖水は一つも落ちなかった。
大量に倒せるからといって、報酬まで保証されているわけではない。
ここでも『ダンジョン・アンド・ストーン』らしい厳しさが残っていた。
「???」から現れたのはドレイク
次は、正体が「???」で隠された本。
こちらは何が出るか分からないため、召喚前から警戒する。
巨大な地上型なのか。
高速型なのか。
遠距離攻撃を使うのか。
最悪の場合、現在の戦力でも危険な上位モンスターかもしれない。
未知の敵との戦闘では、最初の数秒が最も怖い。
相手の攻撃方法も射程も分からない状態で不用意に接近すれば、一撃で致命傷を受ける可能性がある。
前衛と後衛の距離を確保し、ビョルンも即座に前へ出られる位置で待つ。
そして現れたのは、等級4の飛行モンスター・ドレイクだった。
警戒していたほどの超強敵ではない。
飛行能力を持つため地上型とは戦い方が違うが、今の一行なら対応可能だ。
「???」だからといって、必ずしも最高等級の敵が出るわけではないらしい。
色付き召喚本で万年筆の仕組みが実証される
そして最後に、モンスターの絵が赤や青に塗られた本を試す。
赤いモンスターを召喚。
討伐。
すると、赤い聖水が落ちる。
続いて青い本。
召喚。
討伐。
今度は、青い聖水。
これで仕組みはほぼ確定した。
色付き召喚本から呼び出されたモンスターは、本に塗られた色と同じ聖水を確定で落とす。
つまり万年筆は、聖水そのものを作り出しているわけではない。
召喚本へ色を付けることで、
召喚されたモンスターのドロップ条件を書き換える道具
と考える方が自然だ。
この能力が実戦で確認された意味は大きい。
ハムシクの説明を信じるだけの段階から、実際に利用可能な攻略手段へ変わった。
なぜビョルンは万年筆をすぐ使わないのか
ここまで確認できれば、すぐ目的の聖水へ万年筆を使いたくなる。
ビョルンにも欲しい聖水はある。
特にベラリオスは明確な構築候補だ。
それでも万年筆は使わない。
理由は単純。
通常狩りで自然に手に入る可能性がまだあるから。
今万年筆を使う。
その翌日に通常ドロップで同じ聖水が出る。
そうなれば、二回しかない確定入手権を一回無駄にしたことになる。
逆に狩りを続け、自然に目的の聖水が出れば、万年筆は別の入手困難な聖水へ回せる。
だから待つ。
万年筆は「今欲しい物をすぐ取るための道具」ではなく、
最後まで埋まらなかった構築上の穴を確実に埋めるための保険
として使う方が合理的なのだ。
聖水構築は「何を取るか」だけではない
ここでビョルンの聖水構築を整理すると、以前とは考え方が大きく変化している。
序盤なら、強力な聖水を入手した時点で採用するだけでも十分な強化だった。
しかし現在は違う。
欲しい能力を決める。
そのモンスターへ到達する。
何度も倒す。
自然ドロップを狙う。
それでも取れなければ万年筆という切り札を使う。
つまり、
能力の選択だけでなく、入手経路まで含めて構築を設計している。
地図で探索効率を上げることも。
召喚本で討伐回数を増やすことも。
万年筆を温存することも。
すべて最終構築へつながっている。
情報や周回環境そのものが、ビョルンにとっては戦力の一部なのだ。
「資格を持つ者」は何者なのか
そして金色の本に続き、万年筆も資格者へ渡すための物だった。
このことから、第1記録保管室は単なる物置ではなく、
未来の何者かへガヴリリウスの遺産を継承する施設
だった可能性が高まる。
問題は、資格条件だ。
図書館最上段の等級1モンスターまで倒すことなのか。
特定の記録保管室を攻略することなのか。
ガヴリリウスの血縁なのか。
特殊な能力や魂を持つ者なのか。
現時点では分からない。
ただし確かなこともある。
族長ほど強くても、ハムシクの言葉を理解できなかった。
一方、ビョルンは会話できても金色の本の資格者ではない。
つまり、
強ければ資格者というわけでもない。
ハムシクと会話できれば資格者というわけでもない。
この「資格」は、かなり特殊な条件で判定されているようだ。
地下1階には「帰還」と「さらに深く進む道」がある
地図で判明した二つの転移石碑も重要だ。
巨人島は下向き。
族長の島は上向き。
素直に考えれば、
巨人島 → 地下2階
族長の島 → 地上
という構造になる。
つまり地下1階には、さらに深く迷宮へ進む道と、地上へ帰る道の両方が存在する可能性がある。
今のビョルンにとって優先すべきなのは帰還だろう。
しかし探索者として考えれば、誰も攻略していない地下2階が気にならないはずもない。
地下1階だけで万年筆のような異常な隠し報酬が見つかった。
なら地下2階には何があるのか。
今すぐではなくても、将来的に非常に大きな目的地になる可能性がある。
出口発見によって族長戦の意味が変わった
さらに重要なのは、出口が族長の島にあることだ。
これまで族長への備えは、
いつか衝突するかもしれない相手への準備
という意味合いだった。
しかし出口が族長の島にあるなら話は変わる。
地上へ帰るために、その島へ行かなければならない。
つまり族長対策は、
帰還のために必要な準備
へ変化した。
これまでビョルンが最後の聖水枠を安易に埋めず、族長対策の余地を残していた判断にも、さらに重みが出てくる。
そして万年筆という確定入手手段まで手に入った。
出口の場所が分かったことで、構築の完成期限も少しずつ現実味を帯び始めている。
迷宮99日目――地上ではビョルン生存の噂
特殊召喚本の検証後も、ビョルンたちは朝、昼、夜と狩りを続けた。
そして迷宮へ入ってから99日目。
翌日には、地上側で再び迷宮が開く時期が迫っていた。
その頃、地上では一つの噂が急速に広まっていた。
ビョルン・ヤンデルは地下1階で生きている。
さらに、
番号付きアイテムを二つ所持している。
情報源は悪霊側であり、真偽は確認されていない。
それでも、死亡したと思われていたビョルンの生存情報は十分すぎるほど衝撃的だった。
地下1階の冒険は、ついに外の世界へ影響を及ぼし始めている。
レイヴンが願う「噂が本当であってほしい」
その噂を耳にした一人がレイヴンだった。
現在の彼女は、王国第3魔法兵団の副隊長。
部下からビョルンの生存説について尋ねられても、
「真偽は関係ない。自分たちの仕事をすればいい」
と冷静に返す。
しかし本心では、噂が本当であってほしいと思っている。
ビョルンが生きている。
それが確認できるだけで、毎日心配し続ける必要がなくなるからだ。
だがレイヴンの感情は、それだけではない。
レイヴンが感じていたのは安堵だけではない
地下1階。
誰もまともに攻略していない未踏領域。
未知の島。
未知のモンスター。
未知の魔法。
ガヴリリウスの仕掛け。
魔術師であり探索者でもあるレイヴンにとって、これほど興味を刺激される場所はない。
そのど真ん中で、ビョルンと仲間たちが冒険を続けている。
一方、自分は王国で制服を着て仕事をしている。
いつもなら見慣れた制服。
魔法兵団の徽章。
しかし、この日に限って妙に窮屈に感じる。
心配だから行きたい。
それだけではない。
自分もその未知を見たい。
その気持ちも確実にある。
だからこそ、ビョルンが本当に地下1階で大冒険をしているなら「腹が立つ」。
安心。
羨望。
焦り。
探索者としての好奇心。
いくつもの感情が入り混じっているのだろう。
レイヴンは「王国の魔術師」と「探索者」の間にいる
現在のレイヴンには役職がある。
王国第3魔法兵団の副隊長。
自由に迷宮へ潜っていた以前とは立場が違う。
だからこそ、
「自分の仕事をすればいい」
と部下へ言いながら、同じ言葉を自分にも言い聞かせる。
本当は行きたい。
しかし責任がある。
ビョルンたちは未知の地下1階を進んでいる。
自分は机に向かって仕事をしている。
この対比が、彼女の閉塞感を強くしていた。
王宮から届いた直接命令
そしてその日の夕方。
レイヴンのもとへ、王宮から直接の公文書が届く。
格式張った難解な文章。
しかし最後まで読み終えた瞬間、レイヴンは椅子から飛び上がる。
そして急いで荷物をまとめ始めた。
この時点では、命令の具体的な内容は明かされていない。
だから断定はできない。
ただしタイミングは意味深だ。
ビョルン生存の噂。
地下1階への注目。
翌日に迫る迷宮開放。
そして王宮からレイヴンへの直接命令。
地下1階やビョルンと関係する任務である可能性は十分に考えられる。
長く分断されていた地上と地下の物語が、再び接続しようとしているのかもしれない。
まとめ|地下1階の攻略ルートが一気に見え始めた
第551話で最大の変化は、地下1階がただの広大な未知の世界ではなく、攻略可能な構造として見え始めたことだ。
第1記録保管室では、召喚本へ色を付けることで狙った聖水を確定させられる万年筆が発見された。
使用回数は二回、対象は等級3以下という制限があるものの、最終構築を確実に完成させるための切り札としては極めて強力だ。
そして地図からは、
- 虹島という未探索地
- 巨人島から地下2階へ進める可能性
- 族長の島に地上への出口がある可能性
が判明した。
ただし転移石碑には起動条件があり、その鍵が虹島にある可能性も残っている。
図書館島自体もまだ完全攻略されておらず、最上段には等級1モンスターまで待っている。
「資格を持つ者」の条件も依然として不明だ。
一方、地上ではビョルン生存の噂が広がり、レイヴンのもとへ王宮から直接命令が届いた。
地下では帰還への道筋が見え始め、地上でもビョルンを巡る動きが始まる。
第551話は単なる秘密の部屋の戦利品確認回ではない。
地下1階攻略の全体像と、地上側の物語が同時に動き始めた大きな転換点と言えそうだ。
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