『転生したらバーバリアンだった』第565話「目的地(5)」あらすじ&考察|破滅の未来とビョルンの本当の武器
反抗しても、従っても待っているのは破滅
ジェローム・セイントレッドの不審な行動を問い詰めたビョルン・ヤンデル。
前話では、その選択の先に待つ最悪の未来が示された。
ジェロームはビョルンの工作を見抜き、さらに彼を「鉄仮面」と結びつけて裏切り者だと断定。王家遠征軍との全面衝突へ発展し、最終的にはビョルンにとって大切な仲間が三人も命を落とすことになる。
では、ジェロームを疑わず命令に従っていればよかったのか。
答えは否だった。
運命を司る女神レアトラスが時間を巻き戻し、ビョルンに見せたのは、神託を受けずにジェロームへ従った場合の未来である。
反抗しても破滅する。従っても破滅する。
第565話では、この二つの未来の間に存在しないはずの「第三の道」を、ビョルン自身が作り出していく。
そして、その過程で浮かび上がるのが、本人さえ十分には自覚していなかったビョルン最大の武器だった。
神託がなければ、ビョルンは地下へ降りていた
違和感を生んだのは未来を知っていたから
巻き戻った時間が止まったのは、ジェロームがビョルンに先頭を進むよう求めた場面だった。
ところが、そこで未来のビョルンは反発しない。
条件を少し交渉しただけで、族長が消えた木の下へ潜り込もうとする。
今のビョルンから見れば不用心に思える行動だ。
だがレアトラスは、その理由を示す。
「この未来には神託がなかった」
神託によって「何かが起きる」と知らされていたからこそ、ビョルンはジェロームの細かな変化に敏感になっていた。
族長との関係が異様なほど早く築かれたこと。
族長を追う軍勢が、ビョルンの動きに合わせるように進路を変えたこと。
任務を何より優先するジェロームが、救出対象であるはずのビョルンを危険な先頭へ立たせようとしたこと。
一つ一つなら見逃した可能性もある。
しかし神託によって警戒心が高まっていたビョルンは、それらを一本の線として結びつけた。
つまり、神託が答えを教えたのではない。
神託があったからこそ、ビョルン自身の観察力が異常を拾えたのである。
その前提がなければ、ジェロームの要求を多少不自然に感じても、裏切りまで疑うことはなかった。
そして未来のビョルンは、そのまま地下へ降りる。
援軍の来ない地下と、隠されていた空間
景色が切り替わる。
そこは見覚えのない洞窟だった。
中央にはポータルの石碑。
その近くには意識を失ったビョルンが横たわり、族長が何らかの儀式を始めている。
レアトラスによれば、この場所は以前訪れた地下空間のさらに下に隠されていた場所らしい。
ビョルンたちは地下へ降りた後、大量の敵と長時間戦うことになる。
援軍を待ちながら。
しかし、待っても援軍は来ない。
何百もの敵を相手に消耗を重ね、最後には力尽きたビョルンが捕らえられ、この洞窟まで運ばれる。
そこでようやく構図が見えてくる。
ジェロームに従って地下へ降りるという行為そのものが、ビョルンを孤立させ、消耗させるための罠だった可能性が高い。
さらに厄介なのは、地下1階という場所だ。
ここは単純に敵を倒せば攻略できる戦場ではない。
未知の地形を進み、探索対象を探し、怪物へ対応しながら、撤退経路まで維持しなければならない。
大人数の王家遠征軍を投入する意味もそこにある。
前衛、後衛、探索、警戒、負傷者の保護。
複数の役割を同時に成立させてこそ、大規模遠征は機能する。
逆に言えば、援軍との連携を絶たれた少数部隊が未知の地下で大量の敵に包囲されれば、どれほど強力な探索者でも消耗を避けるのは難しい。
ビョルン自身の強さを正面から突破する必要はない。
戦わせ続けて弱らせればいい。
そう考えれば、この罠はビョルンを捕獲する方法として非常に合理的だった。
族長が欲しかったのはビョルンの「身体」
黒い煙と肉体の乗っ取り
時間が加速し、族長の身体から黒い煙のようなものが溢れ始める。
それは倒れているビョルンへ向かい、少しずつ身体の中へ入り込んでいった。
やがて族長自身は崩れ落ちる。
代わりに起き上がったのはビョルンだった。
いや、正確には――ビョルンの身体を使う何者かだった。
「ついに……」
自分の喉から出ているはずなのに、そこにビョルン自身の気配はない。
ここで族長の目的が明らかになる。
欲しかったのはビョルンの命ではない。
ビョルン・ヤンデルという肉体そのものだった。
これまで何度も死線を越え、聖水(Essence)や能力を積み重ねて作り上げてきた身体。
強靭な耐久力。
圧倒的な前衛能力。
仲間を守るために育て続けたバーバリアンの肉体。
族長は、その中身だけを入れ替えようとしていた。
ビョルンにとって、それは単純に殺される以上に最悪な結末だ。
自分が死ぬだけなら、自分で終わる。
だが身体を奪われれば、自分の姿をした敵が仲間の前に現れる。
自分が積み上げた力が、仲間を殺すための武器へ変わる。
「守らないビョルン」が生み出した惨劇
制約を失った肉体は戦争兵器になる
族長に身体を奪われたビョルンは、その後ジェロームと接触する。
族長は事前に約束されていた何かを要求するが、ジェロームは取引を最後まで守るつもりがなかった。
「死人は喋らない」
取引相手を残すより、秘密ごと消してしまった方が安全。
ジェロームはそう判断した。
ここから戦場は一気に崩れる。
数百の怪物と遠征隊が戦う中心で、ビョルンの身体を奪った族長が暴れ始めた。
その強さを見て、未来を観察しているビョルン自身さえ驚く。
理由は単純だった。
族長には守るものがない。
ビョルン本人なら、常に仲間の位置を見る。
後衛が狙われれば戻る。
味方が巻き込まれる攻撃は避ける。
敵を倒せる状況でも、仲間を守るために最適解を捨てることがある。
それは弱さではなく、パーティーで戦う前衛として当然の行動だった。
しかし族長には、その制約がない。
怪物が巻き込まれても構わない。
遠征隊員が何人死んでも構わない。
後先を考えず、目の前の敵を最も効率よく破壊すればいい。
その結果、仲間を守るために作られたビョルンの身体が、純粋な殺戮兵器へ変わってしまう。
ビョルンの強さには、普段から大量の「自制」が含まれていた。
その制限をすべて外した肉体がどれほど危険なのか。
第565話は、本人自身にその現実を見せつける。
一瞬だけ戻ったビョルンが選んだ死
族長は遠征隊を蹂躙し、ついには後衛の魔法使いへ到達する。
だが、攻撃を振り下ろそうとした瞬間、その身体が止まった。
ぎこちない動きで武器を投げ捨てる。
盾を外す。
防具まで緩める。
そしてアメリアへ告げた。
「エミリー……俺を殺せ……」
ビョルン本人の意識が一瞬だけ身体を取り戻したのだろう。
だが、そこで彼が選んだのは逃走でも反撃でもない。
自分自身の死だった。
もう一度族長に身体を奪われれば、再び仲間が殺される。
ならば、その前に身体そのものを使えなくする。
ビョルンらしい、極端なまでに現実的な判断である。
しかしアメリアの刃は震える。
敵を殺すのとは違う。
目の前にいるのは仲間であり、その仲間本人から「殺してくれ」と頼まれている。
その迷いを断ち切るように前へ出たのがジェロームだった。
ジェロームは戦場の指揮官として、ここで迷えば再び族長が身体を掌握する可能性を考えたのだろう。
未来のビョルンも抵抗しない。
最後には目を閉じ、自分の死を受け入れる。
そしてジェロームの剣によって、ビョルン・ヤンデルは命を落とした。
英雄の死が王家遠征軍を壊していく
ビョルンを殺せば危機が終わるわけではない
族長に奪われた肉体は止まった。
戦術だけを考えれば、一つの脅威を排除したことになる。
しかし遠征全体では、むしろ新たな崩壊が始まった。
アナバダ一族はジェロームへ武器を向ける。
さらに王家遠征軍の内部からも、ジェロームの行動を疑問視する者が現れる。
彼らが見たビョルンは、最後まで遠征隊を殺そうとしていた怪物ではない。
一度意識を取り戻し、自ら武器を捨て、自分を殺してでも周囲を救おうとした男だった。
「男爵は最後まで俺たちを助けようとした」
そこへ、これまでビョルンが積み重ねてきた評価が加わる。
王家から爵位を与えられた英雄。
数々の危機を生き延びてきた探索者。
そして最後には、自分の命より周囲の生存を優先した人物。
そんな男を犠牲にしたことが、本当に王家のためなのか。
ジェロームが「任務」を理由にしても、兵士たちの目の前で起きた出来事との間には大きな隔たりがあった。
メランド・カイスランも剣を抜く。
「俺は、自分が信じる正義のために剣を取る」
王家遠征軍に所属する人間が指揮官へ異を唱える意味は重い。
それでもカイスランは、命令に従うことと正しい行動を取ることが、もはや同じではないと判断した。
こうして遠征隊は一つの軍隊ではなく、それぞれが自分の立場を選ばなければならない集団へ変わっていく。
地下1階では「統率」そのものが戦力になる
この分裂が危険なのは、場所が地下1階だからだ。
未知の空間で探索を続けるには、単純な人数以上に統率が重要になる。
誰が前衛を担当するのか。
誰が魔法使いを守るのか。
どこへ進むのか。
何を探索対象とするのか。
どこまで戦い、いつ撤退するのか。
これらを共有できなくなれば、大人数であることさえ混乱の原因になる。
つまり未来の王家遠征軍は、ビョルンを失っただけではない。
同じ目的へ向かって動くという、軍隊最大の強みまで失っている。
反抗した未来では仲間が死ぬ。
従った未来では身体を奪われ、遠征隊そのものが崩壊する。
ここまで見れば、どちらか一方を選べばよいという問題ではないことが分かる。
ミーシャ・カルシュタインが持っていた蘇生石
混乱する戦場で、レアトラスはビョルンに別の場所を見るよう促す。
そこにいたのはミーシャ・カルシュタインだった。
彼女は周囲の争いへ加わらず、ビョルンの遺体へ近づいていく。
そして取り出したのは、極めて希少な蘇生石。
死者を蘇らせる能力を持つアイテムだった。
ビョルン自身も簡単には入手できない代物であり、なぜミーシャが持っているのか疑問に思う。
そこで思い浮かべたのがイ・ベクホだった。
彼が蘇生石を所有していることは知られているため、そこから渡った可能性をビョルンは考える。
ただし、この時点では詳しい経緯までは分からない。
それでも重要なのは、ビョルンが死んだところで未来が完全に終わってはいなかったことだ。
しかし、蘇生できるからといって安心できる未来ではない。
それまでに死んだ者。
崩壊した遠征隊。
仲間たちが受けた傷。
それらまでなかったことになるわけではない。
「ビョルンが生き返る」ことと「この未来が正しい」ことは別問題なのである。
レアトラスがビョルンに見せたかったもの
ビョルンはレアトラスへ問う。
なぜここまで自分を助けるのか。
返ってきた答えは短い。
「その結末は正しくない」
何をもって正しくないのか。
ビョルンの死なのか。
仲間の死なのか。
遠征隊の崩壊なのか。
さらに先の未来に問題があるのか。
第565話だけでは断定できない。
ただ、レアトラス自身にも「望ましくない未来」が存在することだけは分かる。
そして未来観測が終わったとき、さらに厄介な事実が判明する。
ビョルンが未来を見ている間も、現実の時間は止まっていなかった。
すでに仲間たちは拘束され、ビョルン自身も族長のもとまで運ばれている。
しかも能力まで封じられた状態。
力ずくで逃げることはできない。
未来を知ったのに、すでに処刑台の上まで連れてこられているような状況だった。
ビョルンの本当の武器は「言葉」
絶望的な状況でビョルンはレアトラスへ尋ねる。
どうすればいいのか。
しかし女神は完成した答えを渡してくれない。
「道を示せても、道そのものは作れない」
そしてレアトラスは、これまでビョルンの旅を見てきたからこそ分かると告げる。
彼の最大の武器は、冷静な判断力でも知識でも勇気でもない。
「あなたの本当の力は、言葉です」
ビョルン本人は納得できない。
バーバリアンになって以降、問題を拳で解決してきた記憶の方が圧倒的に多いからだ。
だがレアトラスが見ているのは別の部分だった。
かつてラルカズの迷宮で《制御された願い(Controlled Wish)》を使い、ドラゴンスレイヤーとの会話で時間を稼いだ結果、本来なら死ぬ運命だった者たちが生き残った。
言葉そのものに魔力があるわけではない。
会話によって相手の行動を変え、時間を作り、未来の条件を変える。
レアトラスが評価しているのは、その能力だった。
族長との交渉戦――情報を戦力へ変える
最初に命乞いをしない
現実へ戻ったビョルンは、族長の前で目を覚ます。
そこで最初に口にしたのは助けを求める言葉ではない。
「俺の身体を奪っても、街には戻れないぞ」
これが上手い。
「殺さないでくれ」と頼めば、ビョルンは最後まで犠牲者のままだ。
族長には計画を変更する理由がない。
だからまず、自分はお前の目的を知っていると示す。
さらにレアトラスから未来を見せられたことを明かす。
実際にビョルンが光を放って意識を失った場面を族長側も見ているため、完全に荒唐無稽な話として切り捨てにくい。
ここでようやく、処刑される側と処刑する側ではなく、情報を交換できる二者になる。
相手が知らないことを探し出す
ビョルンは未来のすべてを正直には説明しない。
交渉に使いやすい形へ情報を組み替える。
族長がビョルンの身体を奪う。
その後ジェロームに奇襲される。
そして敗北する。
すると族長が反応した。
「あいつが奇襲するのか?」
ビョルンにとっては、この反応そのものが情報になる。
族長は未来について何らかの知識を持っている。
記録石についても知っている。
ビョルンが最終的にこの階層を脱出すると考えるだけの根拠もあるらしい。
しかし、ジェロームが自分を裏切ることまでは知らない。
情報差が見つかった。
戦闘能力を封じられたビョルンに、新しい武器が生まれた瞬間である。
目的と手段を切り離す
ここからビョルンは、族長の目的を分解する。
族長が本当に欲しいのは「ビョルン・ヤンデル」なのか。
おそらく違う。
ビョルンの身体を奪うのは、地下1階から抜け出し、街へ戻るという目的を達成するための手段だ。
族長はビョルンがいずれこの階層から脱出すると確信している。
そこでビョルンは発想を変える。
「俺じゃなくてもいいだろ?」
自分を助けてほしいと頼むのではない。
自分より都合のいい選択肢があると提案する。
これによって命乞いが取引へ変わる。
善意に頼るのではなく、自分を生かすことが相手の利益になる構造を作る。
まさにレアトラスが「言葉」と呼んだ力だった。
第三の選択肢――ジェローム・セイントレッド
ビョルンが代わりに提示したのはジェロームだった。
王家遠征軍の指揮官。
高位の騎士であり、オーラを扱う実力者でもある。
さらに王家側で通用する身分を持つ。
もし族長が身体を奪って外へ出ることまで考えているなら、単純な肉体性能以外にも価値を見いだす可能性はある。
ただし、ビョルンが最大の切り札として提示したのは別の要素だった。
ジェロームが持つ聖水だ。
「あいつにはエブルスの聖水がある」
ここで第565話は大きく意味を変える。
ビョルンは単に「ジェロームの方が強い」と勧めているのではない。
族長が欲しいもの。
族長が知らない未来。
ジェロームの立場。
ジェロームの能力。
地下1階からの脱出。
それぞれ独立していた情報を一つにつなぎ、族長にとって検討する価値のある新しい選択肢へ作り替えている。
第565話考察――なぜ「言葉」がビョルンの強さなのか
情報は組み合わせることで戦力になる
今回のビョルンには武器がない。
能力も封じられている。
仲間も拘束されている。
真正面から戦えば勝ち目はほとんどない。
それでも彼には情報があった。
レアトラスから見せられた未来。
ジェロームが族長を裏切るという未来。
族長が記録石を知っているという反応。
ジェロームが持つエブルスの聖水。
これらは一つだけでは族長を倒せない。
しかし組み合わせると意味が変わる。
「ジェロームは裏切る」だけなら警告。
「ジェロームの身体を奪えばいい」だけなら危険な提案。
そこへ「ジェロームなら地下1階から抜け出せる可能性がある」という要素を結びつければ、族長の最終目的へ直接届く。
情報Aと情報Bを、相手の欲望Cへ接続する。
それによって情報が戦力になる。
これがビョルンの交渉の基本構造だ。
ビョルンは「正しいこと」を説得しない
もう一つ重要なのは、ビョルンが族長を改心させようとしていない点だ。
「身体を奪うのは悪いことだ」
「仲間を傷つけるな」
そんな正論を言っても意味がないと理解している。
見るのは相手の利益だけ。
何を欲しがっているのか。
何を恐れているのか。
何を知らないのか。
その三つを探し、自分の生存と相手の利益が同じ方向を向くように条件を並べ替える。
これは話術というより、人間を含めた戦場分析と言った方が近い。
王家遠征軍とジェロームの因縁
ジェロームとビョルンの関係も、この構図をさらに面白くしている。
ジェロームは以前から、任務を非常に重視する人物だった。
だからこそ、過去には任務遂行のためビョルンを守る側にも回った。
そんな男が今回は、逆にビョルンを危険な地下へ送り込もうとした。
その矛盾が、ビョルンに裏取引の存在を確信させる決定打になった。
一方で、ビョルン自身も目的達成のためには非常に現実的だ。
必要なら嘘をつく。
相手の弱みを利用する。
感情より生存を優先する。
そう考えると、二人は正反対というより、似た部分も持っている。
違うのは最優先する対象だ。
ジェロームは王家と任務を優先する。
ビョルンは自分と仲間の生存を優先する。
目的が一致している間は頼もしい味方になれるが、目的が分かれた瞬間、その合理性が互いを追い詰める刃になる。
第564話から続く衝突が単純な善悪だけでは割り切れないのは、そのためだろう。
まとめ
第565話「目的地(5)」では、ビョルンが二つの破滅的な未来を見たことで、これまでとは違う戦い方へ踏み出した。
重要なポイントは次の4つ。
- ジェロームへ反抗する未来でも、素直に従う未来でも大きな犠牲が出る。
- 族長の目的はビョルンを殺すことではなく、彼の身体を利用して地下1階から脱出することにあると考えられる。
- 能力を封じられたビョルンは、未来の情報と相手の欲望を組み合わせて交渉材料へ変えた。
- レアトラスが評価したビョルン最大の武器は、力ではなく「言葉によって新しい選択肢を作る力」だった。
反抗すれば破滅。
従っても破滅。
ならば、二つの中から選ばなければいい。
「俺じゃなくてもいいだろ?」
この一言から、存在しなかった第三の道が生まれる。
次回の注目点は、エブルスの聖水という切り札を族長がどう評価するのか、そしてビョルンが作り出した第三の選択肢が本当に破滅の未来を変えられるのかという点だ。
力を封じられたことで、逆に浮かび上がったビョルン・ヤンデルのもう一つの強さ。
第565話は、彼が「強いバーバリアン」であるだけでなく、情報と人間の利害そのものを戦力として扱える探索者であることを改めて示した回だった。
