『転生したらバーバリアンになった』小説版・第573話ロングあらすじ【初心者向け・保存版】

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Surviving the Game as a Barbarian | Chapter: 573 | MVLEMPYR
Misha Kalstein is a traitor. Since that information first came out of Butterfly's mouth, Fox tried to dig deeper into it...

転生したらバーバリアンだった 第573話 あらすじ&考察|ミーシャの「裏切り」とノアーク侵攻計画

ミーシャは本当に「裏切り者」だったのか

最後の円卓会議では、普段とは違う「真実を答えるゲーム」が続いていた。

参加者が質問を投げかけ、回答者はその中から一つを選んで答える。ただし、答える以上は嘘をつけない。

そんな中、ビョルン・ヤンデルが密かに待っていた質問をフォックスが口にする。

ミーシャ・カルシュタインが「裏切り者」だという話について。

以前、蝶仮面は確かにそう語っていた。

ビョルンにとっては聞き流せない話だ。

ミーシャは長く行動を共にしてきた仲間であり、彼女が戻ってきた経緯にはイ・ベクホと蘇生石が関係している。

ところが蝶仮面は、すぐには答えず、逆にフォックスの反応へ興味を示した。

「かなり興味があるみたいね?」

ここで危険なのは質問の内容だけではない。

なぜフォックスがそこまでミーシャを気にするのか。

その関心自体が正体を探る手掛かりになる。

フォックスは地下1階についても多くを知っている。そこへビョルンの仲間であるミーシャへの強い関心まで加われば、「ビョルンの近くにいる人物ではないか」と推測される可能性が高まる。

ビョルンもすぐにその危険へ気づいた。

フォックスの正体――ヴェルシルまでたどられるのは避けたい。

そこで彼が考えるのが、地下1階から帰還する人間の数だった。

生還者がごく少数なら、「地下1階にいた人物」という条件だけで候補を絞りやすい。

反対にアルミン遠征隊やヘクツ一族などから大勢が帰還すれば、その中にヴェルシルを紛れ込ませられる。

つまりビョルンにとって、生還者を増やすことは単なる戦力温存ではない。

仲間の正体を隠すための情報防御にもなる。

ミーシャへの疑惑を確認しながら、同時に別の仲間の身元まで守る。

円卓では、情報を得ることと情報を与えないことを同時に成立させなければならない。

黒仮面までミーシャを気にする

蝶仮面には、フォックス以外からも質問が飛ぶ。

女王が尋ねたのは、蝶仮面が誰から円卓への参加コードを入手したのかということだった。

蝶仮面の背後関係を探るうえで重要な質問だ。

そして珍しく口を開いた黒仮面は、さらに気になることを尋ねる。

「ミーシャはビョルンの命を脅かす存在なのか?」

ビョルンは当然、疑問を抱く。

なぜ黒仮面がそこまで具体的に、ビョルンとミーシャの関係を気にするのか。

単に「裏切り者」という言葉に興味を持っただけならまだ分かる。

しかし黒仮面が知りたいのは、ミーシャがビョルンにとって直接的な脅威なのかどうかだった。

この時点では意図を判断できない。

ただし、ビョルンにとって一つだけ好都合なこともあった。

黒仮面までミーシャについて質問したため、フォックスだけが不自然に興味を示している構図ではなくなったのだ。

正体露見の危険が完全に消えたわけではないが、視線は分散する。

そして蝶仮面は、ミーシャに関するフォックスと黒仮面の質問へまとめて答えると告げる。

欲しかった情報が一気に手へ入りそうな場面。

普通なら喜ぶところだ。

しかしビョルンの頭に浮かんだのは別の疑問だった。

なぜ、そこまで親切にする?

情報をくれるなら、その情報を渡すことで相手にどんな利益があるのかを考える。

善意に見える行動ほど、その裏を確認する。

それはこの世界で生き続けるうちに、ビョルンへ染みついた習慣だった。

前話で自分自身が「壊れている」と認めざるを得なかった直後だけに、その思考には自嘲も混じる。

それでも警戒をやめることはできない。

疑うことによって生き残ってきたのも事実だからだ。

明らかになったミーシャの「命令」

蝶仮面によれば、ミーシャは誰かの命令を受けてビョルンのもとへ戻ったという。

つまり、ビョルンに明かしていない目的があったこと自体は事実らしい。

だが、その直後に重要な説明が加わる。

「ビョルンの死とは関係ない」

少なくとも蝶仮面の話では、ミーシャはビョルンを殺すために送り込まれたわけではない。

命令の内容は、ビョルンの近くで様子を観察し、情報を伝えること。

言ってしまえば監視役だ。

そこでビョルンの中で、いくつかの情報がつながる。

命令者として思い浮かぶのはイ・ベクホ

そしてミーシャが持ち帰ってきた蘇生石だ。

表面的に見れば、イ・ベクホはミーシャへ監視を依頼し、その対価として蘇生石を渡したことになる。

しかしビョルンは逆の可能性を考えた。

監視が目的なのではなく、蘇生石をミーシャへ渡すために「依頼」という形を作ったのではないか。

イ・ベクホは以前から、ビョルンが死ぬ未来を示唆していた。

ならば蘇生石をビョルンのもとへ届けるため、あえてミーシャを経由させた可能性もある。

もちろん、これは確定した事実ではなくビョルンの推測だ。

だから彼はさらに、他の命令がなかったのかを確認する。

蝶仮面の知る限り、追加の命令はない。

それが正しいなら、ミーシャが別の大きな陰謀へ積極的に加担している可能性は低そうだ。

最初に「裏切り者」という言葉だけを聞いたときと比べれば、印象はかなり変わる。

秘密の命令を受けていたことは事実。

しかしビョルンを殺す目的ではない。

そして監視そのものも、蘇生石を渡すための名目だった可能性がある。

「裏切り」という一言だけでは整理できない事情が見えてきた。

親切すぎる蝶仮面とイ・ベクホの影

ミーシャへの疑惑が薄くなるほど、今度は別の疑問が強くなる。

なぜ蝶仮面は、そんな内部事情まで知っているのか。

ミーシャが命令を受けていたこと。

その内容が監視と情報伝達だったこと。

ビョルン殺害の命令ではなかったこと。

かなり踏み込んだ事情まで把握している。

さらに、その情報を惜しげもなくビョルンたちへ話している。

円卓は価値ある情報を交換する場所であり、慈善活動の場ではない。

だからビョルンは、一つの可能性を考える。

蝶仮面はイ・ベクホとつながっているのではないか。

イ・ベクホは調査官の正体がビョルンだと知っている。

もし蝶仮面が彼の側にいる人物なら、ミーシャについて詳しいことにも、円卓でビョルンへ情報を渡すことにも説明がつく。

そしてビョルンは、さらに嫌な可能性へ思考を進める。

イ・ベクホはビョルンに、この世界への執着を捨てさせようとしていた。

ならば「ミーシャは裏切り者だ」という刺激的な情報自体が、ビョルンと仲間の信頼関係を揺さぶるためのものだった可能性はないか。

仲間を疑い始めれば、この世界への未練を弱められるかもしれない。

ただし、蝶仮面とイ・ベクホの関係はまだ確定していない。

重要なのは、ビョルンが情報の内容だけではなく、

「誰が、なぜ、この情報を与えたのか」

まで考えていることだ。

黒仮面は核心を避ける

蝶仮面の次は黒仮面が質問を受ける番となる。

当然、先ほどのミーシャへの質問が追及される。

蝶仮面は、なぜミーシャがビョルンを脅かすか気にしたのかを尋ねる。

フォックスは別方向から黒仮面の立場を探る。

「地下1階にいるの?」

さらに女王は、黒仮面が知るアウリル・ガビスと次元魔法に関する情報源を尋ねる。

どれも黒仮面の正体へ近づき得る質問だった。

しかし彼が選んだ答えは、

「地下1階へ行ったことはない」

というもの。

真実ゲームである以上、この回答そのものには価値がある。

ただし肝心な部分は残った。

なぜミーシャを気にしたのか。

アウリル・ガビスについて、どこから情報を得たのか。

真実を話すことと、核心を話すことは同じではない。

黒仮面は答えを一つ出しながら、自分にとって重要な秘密は守った。

地下1階では生還者の数まで「戦力」になる

今回、地下1階にいるかどうかが何度も正体推測の材料になっている。

誰が地下1階の事情を知っているのか。

誰がビョルンやミーシャについて詳しいのか。

誰がその場から生還したのか。

条件を積み重ねれば、仮面で顔を隠していても候補を絞れる。

だからビョルンは、ヴェルシルの正体を守るためにも生還者を増やしたい。

ここで面白いのは、人数がそのまま情報防御になることだ。

通常、味方が多く生き残れば戦力を温存できる。

しかしビョルンにとってはそれだけではない。

人数が増えるほど「地下1階にいた人物」という条件の価値が薄まり、ヴェルシルを特定しにくくなる。

つまり、

戦力の維持=匿名性の維持

という関係が成立している。

迷宮探索は、目的地へ到達して終わりではない。

仲間を生きて帰す。

持ち帰った情報を守る。

誰が何を知ったかまで管理する。

そこまで含めて成功させなければならない。

第573話では直接的な戦闘こそ少ないが、こうした意味ではすでに激しい情報戦が続いている。

道化師の「面白い話」

黒仮面の次は道化師の番となる。

他のメンバーからは次々と質問が出るが、ビョルンには今の道化師へどうしても聞きたいことがなかった。

すると道化師は、ビョルンから質問されないことを露骨に残念がる。

そこでビョルンは言った。

「面白い話なら何でもいい」

少し不用意な発言にも思える。

相手は道化師だ。

何を「面白い」と考えているか分からない。

だが一方で、道化師の性格なら決められた質問に答えさせるより、本人に自由に選ばせた方が価値ある情報を引き出せる可能性もある。

そして実際、飛び出したのは予想以上の大ネタだった。

ノアークと王家の戦いそのものを変えかねない情報である。

壁の外へ出たノアーク

道化師が語ったのは、ノアーク勢力が壁の外へ出た後の話だった。

彼らが目にした世界は、それまで聞かされていたものとは大きく違っていたという。

広大な森と野原。

そして、恐れられていた「魔女の呪い」も確認できない。

ノアークの人々は壁外を探索し、やがて定住可能な土地を見つける。

そこで当然、一つの疑問が生まれる。

「なぜ王家は人々を壁の中へ閉じ込めた?」

もし外に人間が暮らせる土地があるのなら、なぜ外へ出ることを阻むのか。

ノアークはその理由について考え、やがて何らかの「答え」にたどり着いたという。

ただし、第573話ではその答えの内容までは明かされない。

王家が本当に何かを隠しているのか。

ノアーク側の認識が正しいのか。

ここはまだ断定できない。

分かっているのは、ノアーク自身が重大な決断を下すほど、その答えを重く受け止めたということだけだ。

ノアークがラプドニア侵攻を決断

そして道化師は核心を口にする。

「ラプドニアを侵攻する」

円卓の参加者たちが一斉に反応する。

ノアークと王家は、これまでも敵対してきた。

ノアークは迷宮第7階層を占拠し、王軍と戦いながら勢力を伸ばしている。

つまり、新たに戦争が始まるというよりも、これまで迷宮内で続いていた戦争が現実世界へ移ろうとしていると考えた方が近い。

これは大きな変化だ。

迷宮内での戦闘なら、基本的には迷宮へ入った探索者や軍が当事者になる。

しかしラプドニアそのものが戦場になれば、影響範囲が大きく広がる可能性がある。

そのため皆が知りたがったのは侵攻の時期だった。

いつ始まるのか。

どのような形で実行されるのか。

だが道化師は、そこから先を明かさない。

侵攻するという事実だけを出し、最も実用的な部分は伏せた。

重大情報ではあるが、現時点ですぐ戦力配置へ反映できるほどの材料はない。

ここでもビョルンに必要なのは、情報の価値と「今それを使えるか」を分けて考えることだ。

ビョルンは情報と戦力をどう組み合わせるのか

第573話では、ビョルンの状況判断がかなり分かりやすく表れている。

ノアーク侵攻は極めて大きな危機だ。

しかし時期が不明なら、今すぐ具体的にできることは限られる。

一方、地下1階で誰を生還させるかは、現在の判断で結果が変わる。

だからビョルンは、危険の規模だけで優先順位を決めていない。

「今、自分の行動で変えられることは何か」

を見ている。

これは戦闘でも同じだ。

強い敵がいるからといって、何も考えず全戦力をぶつければいいわけではない。

敵の位置、目的、戦力、味方の状態を知り、戦う場所とタイミングを選ぶ。

情報は戦力とは別のものではなく、戦力を正しく使うための資源なのだ。

円卓でビョルンが質問を控えることにも同じ考え方がある。

自分で蝶仮面へ聞かなくても、フォックスがミーシャについて質問してくれれば答えを得られる。

しかも、自分がミーシャへ興味を持っているという情報を渡さずに済む。

何を言うかだけでなく、

誰に言わせるか、いつ黙るか。

それまで含めて交渉になっている。

調査官という仮面が生んだ「見えない戦力」

前話でビョルンは、自分が今でも調査官を演じ続ける理由を考えていた。

昔は弱く、情報がなければ生き残れなかった。

だから自分を大物に見せ、人を操ってでも情報を集めた。

しかし今のビョルンは、以前よりはるかに強い。

それでも円卓には価値がある。

女王、道化師、狼、黒仮面、蝶仮面。

彼らが持ち込む情報は、自分一人では手に入れにくいものばかりだ。

そして「調査官は底知れない人物だ」という印象を維持することで、相手の方から情報を差し出すことさえある。

道化師はその象徴だろう。

ノアークの侵攻計画を語り終えたあと、彼が最も気にしたのは参加者全体の反応ではなかった。

「少しは面白かった?」

調査官がどう評価したか。

そこを異常なほど気にしている。

ビョルン自身も、まるで道化師が自分の気を引くためだけに侵攻計画を明かしたように感じている。

なぜそこまで承認を求めるのかは分からない。

別の目的がある可能性も残る。

ただ一つ言えるのは、ビョルンが作り上げてきた「調査官」という虚像が、今では他人の行動を変えるほど大きな存在になっていることだ。

仮面そのものが情報を引き寄せる戦力になっている。

第573話考察――「壊れた」ビョルンだからできる判断

今回のビョルンは、蝶仮面が情報をくれても素直に喜ばない。

ミーシャの危険が薄れても完全には安心しない。

道化師が大情報を持ってきても、そのまま飛びつかない。

常に相手の意図と、その情報をどう使えるのかを考えている。

前話でビョルンは、自分がもう「生き残るため」という理由だけでは説明できないほど、他人を利用する思考へ染まったことを自覚した。

皮肉なのは、その性質が今回もビョルンと仲間を守っていることだ。

ミーシャを感情だけで切り捨てない。

蝶仮面の親切を疑う。

ヴェルシルの正体を守るため生還者の数まで利用する。

ノアーク侵攻も、情報が不足している段階では判断を急がない。

確定した事実と、自分の推測を分ける。

それが現在のビョルンの強さでもある。

問題は、その思考が「必要だから身につけた技術」なのか、すでに「本人の性格そのもの」になったのかということだろう。

本人自身が、その境界を意識し始めている。

第573話の構築理論――すべてが次の戦場につながる

第573話には派手な直接戦闘がない。

それでも、多くの戦いが同時に準備されている。

ミーシャの裏切り疑惑は仲間への信頼

フォックスの正体露見は情報管理

蝶仮面と黒仮面は正体不明の情報源

地下1階は現在進行中の探索と生還

ノアーク侵攻は王家との大規模な対立

一見すると別々の問題だが、共通しているのは、

「相手が何を知り、次に何をするのか分からない」

という不確定性である。

だからビョルンは情報を集める。

情報源を疑う。

仲間の正体を守る。

生還者を増やす。

敵対勢力の動きを知る。

そして必要になるまで戦力を残す。

すべては、自分たちが戦う条件を少しでも有利にするためだ。

ビョルン・ヤンデルの強さは、戦闘が始まってから発揮されるものだけではない。

戦う前から勝率を少しずつ積み上げる。

第573話は、その戦い方が濃く描かれた回だった。

第573話まとめ

ミーシャの「裏切り」という個人的な問題から始まった今回の話は、最後にはノアークと王家の戦争という巨大な問題へ広がった。

しかし根底にあるテーマは共通している。

誰を信用し、どの情報を信じ、どの危険へ備えるのか。

ビョルンは一つの情報だけで結論を出さない。

ミーシャへの疑惑が薄れれば、その情報を持つ蝶仮面を疑う。

ノアーク侵攻を知っても、時期が分からなければ即座には動かない。

そうして不確定な危険を一つずつ整理しながら、自分と仲間が生き残る可能性を高めている。

重要ポイント

  • ミーシャは命令を受けてビョルンのもとへ戻り、監視と情報伝達を求められていた
  • ビョルン殺害の命令ではなく、蘇生石を渡すことが本当の目的だった可能性もある
  • 蝶仮面がミーシャの事情を詳しく知る理由は不明で、イ・ベクホとの関係も疑われる
  • 黒仮面もミーシャとビョルンの関係へ不可解な関心を示した
  • ノアークがラプドニア侵攻を決断し、王家との対立が迷宮の外へ広がろうとしている

次回の注目点

  • 質問を受ける側となった調査官が、どこまで情報を明かすのか
  • 円卓の参加者たちが調査官に何を知りたがっているのか
  • 最後の円卓がどのような形で終わるのか

大量の答えを得たはずなのに、それ以上の疑問が残る。

そして円卓の順番は、ついにビョルン――調査官へと回ってくる。

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