仮想通貨の決済スピードについて~VISA~

Visa Brand Payment Electronic Icon  - mohamed_hassan / Pixabay 仮想通貨
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AMAZONのVISA離れから、仮想通貨による安価な決済方法にとって代わる可能性があるが、問題はその決済スピードだと思われる。

決済スピードを図るのに用いられる単位としては「TPS」(Transactions Per Second)が用いられる。
1秒間あたりのトランザクションとのことだが、トランザクションとは何だろう。
いくつか引用すると以下のようにある。

トランザクションとは暗号資産(仮想通貨)の取引の記録です。その構造は、支払い元を示すインプットと支払い先を示すアウトプットを中心に構成されています。

例えば、ビットコイン(BTC)のトランザクションはマイニングによって承認されます。
マイニングはマイナー(採掘者)によって行われ、トランザクションが不正なものではないか、信頼できるかなどを検証します。
検証が完了した(承認された)トランザクションはブロックチェーンに取り込まれます。

引用:GMOコインhttps://coin.z.com/jp/glossary/246.html


ビットコインのトランザクション(取引)は複数の TxIn(支払元)と複数の TxOut(支払先)によって構成されます。

すべての TxIn は秘密鍵によって署名する必要があります。そして TxIn の合計数量と TxOut の合計数量の差が手数料と呼ばれ、ブロック生成時に採掘者が手に入れます。

TxIn にはアドレスも数量も書いておらず、支払元のコインを入手したトランザクション(取引)とそのトランザクション内の TxOut の何番目かのインデックスしか書かれていません。

そのため TxIn の合計数量を計算するには 1 億以上あるトランザクションから対象となるトランザクションを取り出さなくてはなりません。ビットコインデーモンを新たに作成する場合一番苦労する点でしょう。

さらにその支払元のコインが二重払いになっているかを判定するためには工夫を要します。

引用:bitFlyerhttps://bitflyer.com/ja-jp/s/glossary/transaction

仮想通貨におけるトランザクション(Transaction)とは簡単にいえば取引のことで、前の持ち主から受け取った取引のハッシュ値と、送り先のアドレスなどを含め、所有者の秘密鍵で電子署名したものを言います。

ビットコインのトランザクションにおいては、過去から現在、未来に至るまで、すべての取引がチェーン状に繋がっているため、存在しないはずの偽のビットコインを送ることができません。これにより、トランザクションの「実在性」が証明できるようになりました。

ただし、この仕組みだけでは過去のトランザクションの実在性が証明できても、過去のトランザクションを複数回使っていないことは証明できません。例えば、送られてきた1BTCを同時に2人に1BTCずつ送れてしまうということです。この問題は二重支払いと呼ばれており、これを解決しないことには決済手段として使えないことがわかるかと思います。

従来の電子マネーでは中央管理の認証局がチェックし、二重支払いを防いでいました。しかしながら、ビットコインの発明者サトシ・ナカモトは、プルーフオブワークに基づくブロックチェーンの仕組みを考案することで、二重支払いの問題を実質的に解決しました。

またビットコインのトランザクションにはP2PKH(Pay to PublicKey Hash)とP2SH(Pay to Script Hash)があり、スクリプトと呼ばれるビットコイン専用のOP_CODE(実行コード)を含めることで、マルチシグやエスクロー、マイクロペイメントなどさまざまなスマートコントラクトサービスをビットコインのトランザクションで表現することができます。

引用:bitbankhttps://bitbank.cc/glossary/transaction

正直なんのこっちゃっという感じだが、要は取引のことである。何かの本では、例えば、「どこどこからどこどこにいくらのビットコインを送る」という記録がトランザクションで、それがいくつか合わさったものがブロック、ブロックが鎖のようにどんどん繋がっていくからブロックチェーン。というように読んだ気がする。

1秒間当たりの取引の数がTPSで、それなら確かに決済スピードだと考えてよいだろう。単純に考えてよいのかわからないが、TPSの逆数(1/TPS)をとると、1取引当たりの時間になる。
例えば1TPSで考えると、これは1取引にかかる時間が1秒ということになる。これはつまり、例えばアマゾンでこの1TPSの仮想通貨が使えるようになったとして、最後に「支払う」のボタンが押されたときに、支払いが完了するまでに1秒かかるということである。

もっと言うと、1TPS,10TPS,100TPSの仮想通貨があったとして、支払いが完了するまでの時間は、その逆数になるので、1秒、0.1秒、0.01秒かかるということである。表にまとめると簡単だが以下の通り。

TPS110100
支払いが完了するまでの時間1秒0.1秒0.01秒

ではTPSが大きいほうが良いことが分かったところで、まずはVISAのTPSについてみてみたいと思う。
少し調べてみるとまずは以下のような資料を見つけた。

引用:https://usa.visa.com/dam/VCOM/global/about-visa/documents/aboutvisafactsheet.pdf

ここにはTPSは書かれていないが、200か国以上で使われているらしい、ほぼ全世界とみなしてよいのではないだろうか。

ここでVISA USAをあさっていると以下のようにあった。

Visa Inc. (NYSE: V) is the world’s leader in digital payments. Our mission is to connect the world through the most innovative, reliable and secure payment network – enabling individuals, businesses and economies to thrive. Our advanced global processing network, VisaNet, provides secure and reliable payments around the world, and is capable of handling more than 65,000 transaction messages a second. 

引用:https://investor.visa.com/news/news-details/2021/Visa-Inc.-Fiscal-Second-Quarter-2021-Financial-Results/default.aspx

直訳すると以下の通り。

Visa Inc.(NYSE:V)は、デジタル決済の世界的リーダーです。私たちの使命は、最も革新的で信頼性が高く安全な決済ネットワークを通じて世界をつなぐことです。これにより、個人、企業、経済が繁栄できるようになります。当社の高度なグローバル処理ネットワークであるVisaNetは、世界中で安全で信頼性の高い支払いを提供し、1秒間に65,000を超えるトランザクションメッセージを処理できます。

65000!!!想像よりも大きい値だ。1取引当たりの時間としてはこの逆数なので1/65000秒=0.000015秒となり、もうクリックし終わった瞬間には決済が終わっている感じだ。むしろボトルネックは通信速度になりそうだ。

ただほかのページでは少し異なることも書いてある。

Benefits of accepting Visa

A reliable network 

VisaNet, the world’s largest electronic payments processing network, is capable of processing more than 56,000 transaction messages a second.1  

Larger transactions 

While the average cash transaction is $17, credit card purchases average $70 while debit card purchases average $36.2

Efficiency and speed 

Transactions are typically settled in 24-72 hours. 

Improve the customer experience 

As check usage continues to decline, card usage is on the rise, especially for younger customers.

Reach more consumers 

Consumers carry 2.3 billion Visa cards worldwide.3

The best way to reach them? Start accepting Visa.  

1 Based on testing conducted in August 2014 with IBM. 

2 Visa Payment Panel Study (2Q11 to 1Q12 time period); Visa MARS Data: March 2015 – May 2015 

3 Figures are rounded, exclude Visa Europe and are as of December 31, 2014. Figures from the latest operational performance data. 

引用:https://usa.visa.com/content_library/modal/benefits-accepting-visa.html

直訳すると以下の通り。

ビザを受け入れることの利点

信頼できるネットワーク 

世界最大の電子決済処理ネットワークであるVisaNetは、1秒間に56,000を超えるトランザクションメッセージを処理できます。1  

大規模なトランザクション 

平均的な現金取引は17ドルですが、クレジットカードでの購入は平均70ドル、デビットカードでの購入は平均36ドルです。2

効率とスピード 

取引は通常24〜72時間で決済されます。 

カスタマーエクスペリエンスを向上させる 

小切手の使用量が減少し続けるにつれて、特に若い顧客の場合、カードの使用量は増加しています。

より多くの消費者にリーチする 

消費者は世界中で23億枚のVisaカードを持っています。3

それらに到達するための最良の方法は?ビザの受け入れを開始します。  

1 2014年8月にIBMで実施されたテストに基づいています。 

2ビザ支払いパネル調査(2011年第2四半期から12年第1四半期)。Visa MARSデータ:2015年3月– 2015年5月 

3数値は四捨五入されており、Visa Europeを除き、2014年12月31日現在のものです。最新の運用実績データからの数値。 

こちらを見るとIBMでのテストでは 「1秒間に56,000を超えるトランザクションメッセージを処理できた。」とある 。

IBMのテストがどのようなものか今度調べてみるとして、VISAは少なくとも50000TPSとみなせばよいと思われる。(株主や顧客向けなので誇張している可能性はある。ほかのサイトでは4000~6000、24000TPSなど様々な書かれ方がされている。)

これより、ひとまずVISAは50,000TPSとみなして仮想通貨の決済スピードと比較していこうと思う。

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