【転生したらバーバリアンだった 第577話】あらすじ&考察|帰還を捨てる者たちと、オーリル・ガビスとの20年越しの対話
帰還を前に、円卓から人が消えていく
フォックスが円卓を去り、ゲームの参加者はウルフ、ゴブリン、クイーンの三人だけになった。
空席の増えた円卓を見て、オーリル・ガビスは残念そうにする。せっかく準備したのに、もう三人しか残っていない。
しかし、この展開に驚いていたのはガビスだけではない。
ビョルン・ヤンデルも同じだった。
まさか、これほど簡単に「帰還」の権利を手放す者が続くとは思っていなかったからだ。
前話で提示された賞品は、金でも装備でもない。
ゲームに勝てば、元の世界へ帰れる。
長い間この異世界で生きてきたプレイヤーたちにとって、本来なら何物にも代えがたい報酬のはずだった。
深淵の門を開いて帰還するという目標が極めて困難だからこそ、多くのプレイヤーはこの世界で生きることを受け入れてきた。
そこへ突然、別の帰還手段が示されたのである。
だからビョルンは、最後には激しい心理戦になると考えていた。
正体を暴かれる危険があっても誰も席を立たず、相手が先に降りることを期待しながら秘密をさらし続ける。
そんなチキンレースになると思っていたのだ。
この世界では、プレイヤーであることが知られるだけでも危険につながる。「悪霊」と判断されれば命に関わるため、円卓で守られてきた匿名性には大きな価値がある。
それでも、勝った瞬間にこの世界から去れるのであれば、正体が知られた後の危険など関係なくなる。
だからこそ、ビョルンは誰も簡単には降りないと予想した。
ところが実際には、ジェスターとブラックマスクは最初から参加せず、バタフライも早々に辞退。フォックスも、今の人生を大切にしたいという理由で帰還を手放した。
長くこの世界で生きれば、人の価値観は変わる。
最初は何としてでも故郷へ帰りたかったとしても、こちらで人と出会い、自分の生活や居場所を築けば、帰還だけが唯一の正解ではなくなる。
ビョルンはそこで気づき始める。
このゲームは、単純に「一番帰りたい人間」を決めるものではない。
ゴブリンまでゲームを降りる
ガビスがOXクイズを再開しようとしたところで、ゴブリンが遠慮がちに手を挙げた。
「ここでやめます……」
バタフライ、フォックスに続く三人目の辞退者だった。
ガビスは露骨に機嫌を悪くし、理由も聞かずに出ていくよう促す。
逆にゴブリンのほうが戸惑い、自分から辞退理由を話し始めた。
フォックスの言葉にも多少は影響された。
しかし、それだけではない。
しばらく口ごもった末、ゴブリンが出した答えは単純だった。
「嫌な予感がするんです」
帰還という巨大な報酬を捨てる理由としては、あまりに曖昧だ。
だが、ビョルンの評価は違った。
ゴブリンの勘なら無視できない。
ゴブリンは危険を感じれば慎重になるタイプだ。
この世界で長く生き残ってきた者の違和感には、言葉では説明できなくても積み重ねられた経験が反映されている可能性がある。
しかも、ゲームの主催者はオーリル・ガビスだ。
「勝てば帰してやる」と言われたところで、何の疑いもなく信用できる人物ではない。
ゴブリンの予感に明確な根拠があるかは分からない。
それでも、この状況で警戒すること自体は極めて自然だった。
去る前、ゴブリンは他のメンバーへ挨拶する。
異世界へ連れてこられ、仮面をつけて同じ円卓に集まったのも一つの縁だと、少し感傷的な話を始める。
ところが長い前置きの末に出てきた本題は、実に現実的だった。
「もし僕を殺すことになっても、見逃してください」
仮面が外れた以上、いつか現実の世界で正体に気づかれる可能性がある。
そのとき敵対する立場になっているかもしれない。
それでも同じプレイヤーなのだから、できれば情けをかけてほしい。
美しい友情の確認というより、生き残るための切実なお願いだった。
こうしてゴブリンも円卓を去る。
残ったのはウルフとクイーン。
いきなり決勝戦である。
クイーンが「帰還」よりも重く見たもの
ビョルンは、さすがにここからが本当の勝負だと思った。
ウルフが降りればクイーンの勝ち。
クイーンが降りればウルフの勝ち。
ここから先こそ、故郷へ帰りたい願望と、自分の秘密を守りたい心理が真正面からぶつかるはずだった。
ところが――。
「私もここでやめる」
クイーンまで辞退を宣言する。
これにはガビスも明確に反応し、声に苛立ちをにじませた。
だが、クイーンの判断は感情任せではない。
「あなたを信用していない」
重要なのは、クイーンが「ガビスには帰還させる能力がない」と判断したわけではないことだ。
むしろ、本当にその力を持っている可能性は高いと考えている。
それでも信用しない。
相手に能力があることと、その能力を約束どおり自分のために使ってくれることは別問題だからだ。
さらにクイーンは、ウルフとガビスの距離の近さにも注目していた。
二人には明らかな接点がある。
ならば、最初からウルフを勝たせるつもりだった可能性はないのか。
仮にクイーンが秘密をさらしながら最後まで残っても、ゲームを管理しているのはガビスだ。
参加者側には公平性を保証する手段がない。
これはビョルンから見ても合理的な判断だった。
帰還したいという願いが強ければ強いほど、それを利用されたときの弱点も大きくなる。
「ここまで耐えたのだから」
「次こそ本当に帰れるかもしれない」
そう考え始めれば、どこまでも相手の要求に付き合わされる可能性がある。
クイーンは、その入口で降りた。
フォックスもゴブリンも先に辞退していたことが、彼女の判断を後押しした面もあるだろう。
「帰るためなら何でもする」という価値観そのものが、すでに円卓では絶対ではなくなっていた。
まさかの優勝者ウルフ――ガビスの計画は空振りに
クイーンが立ち去ったことで、勝者は自動的に決まった。
ウルフである。
秘密を最後まで守り抜いたわけでも、心理戦で他の参加者を脱落させたわけでもない。
他の全員が自発的に降りた結果、最後に残った。
本人もすぐには実感できなかったようだが、やがて状況を理解すると興奮して確認する。
「本当に帰れるのか?」
ガビスは、約束は約束だと認める。
ただし、その場ですぐに帰還させるわけではない。
時が来れば自分から向かうので、今は外で待つように告げた。
一方、ガビスの機嫌は明らかに悪い。
ビョルンにとっては、それが妙に面白かった。
普段のガビスは本心を見せず、相手を煙に巻きながら意味深な言葉を残す人物だ。
そんな老人が、自分で用意したゲームが想定外の形で終わったために露骨に苛立っている。
もっと質問を続けるつもりだったのかもしれない。
参加者がどこまで秘密をさらすのか、何を選ぶのかを見たかった可能性もある。
だが、肝心の参加者が次々と降りてしまった。
こうしてOXクイズは、ガビスの期待とは裏腹にあっけなく終了する。
そしてウルフも部屋を出た。
円卓に残されたのは、オーリル・ガビスとビョルン・ヤンデルだけだった。
二人きりになって始まる本当の対話
他の参加者がいなくなったことで、ようやく聞けることがある。
ビョルンが最初に確認したのは、ウルフへの報酬だった。
「本当に帰すつもりなのか?」
この問いには、「二人だけなのだから本当のことを言え」という意味も含まれている。
だが、ガビスは相変わらず核心を避ける。
逆にビョルンへ、どう思うのかと問い返した。
ビョルンも遠慮せず、きれいに終わるとは思えないと答える。
ガビスは信頼が足りないと言うが、ビョルンからすれば冗談ではない。
信用してほしいのなら、まず信用できる行動を取るべきだ。
ガビスは情報を小出しにし、核心だけを隠し、今回に至っては帰還を賞品にした暴露ゲームまで開催した。
そんな人物を無条件で信じるほうが難しい。
OXクイズでガビスが見せたかったもの
ビョルンは、なぜこんなゲームを用意したのかと改めて尋ねる。
するとガビスは、信頼と賭けについて語る。
「信じることは賭けに似ている」
何かを得ようとするなら、そのぶん何かを危険にさらす。
今回なら、帰還という巨大な報酬を求める代わりに、自分の情報が暴かれる危険を受け入れる。
ガビスはビョルンと話す前に、何かを実際に見せたかったらしい。
しかしゲームが想定外に早く終わったため、今さら言葉で説明するのも馬鹿らしいという態度を取る。
その「何か」が具体的に何だったのかは、この時点では分からない。
ただ、結果として象徴的な光景は生まれた。
帰還という最大級の報酬を提示されても、プレイヤーたちは必ずしも動かなかった。
今の人生を選んだ者。
危険を察して降りた者。
ガビスを信用できずに降りた者。
報酬が大きければ誰もが同じ行動を取るわけではない。
そして、信用できない相手が提示する報酬は、その価値すら不確かなものになる。
ガビスの本当の狙いを断定することはできない。
それでも第577話では、「帰還」と同じくらい「信頼」が大きなテーマになっている。
「どうやって俺だと分かった?」――20年越しの疑問
ビョルンは次に、自分自身について切り込む。
「どうやって俺だと分かった?」
これは他のメンバーがいる間には聞きにくかった質問だ。
今日のガビスは、シーカーの仮面の中にいる人物についてかなり深いところまで把握している様子だった。
単に円卓メンバーとしてのシーカーを知っているだけではない。
過去に接点を持った人物と現在のビョルンを結びつけ、ビョルン・ヤンデルという正体にまでたどり着いているように見える。
交渉するなら、相手が自分についてどこまで知っているのかを確認しなければならない。
情報量の差そのものが武器になるからだ。
ガビスの答えは意外にも単純だった。
「二十年間、待っていた」
待っている間に十分な情報が集まり、ビョルン・ヤンデルだと知ることができたという。
説明としては理解できる。
しかし、すぐに別の疑問が生じる。
それほど前から分かっていたのなら、なぜ以前の円卓で即座に正体を知っているように振る舞わなかったのか。
ビョルンが追及すると、ガビスは「ビョルンの側からすれば、まだ自分と会っていなかった」という趣旨の説明をする。
そのため接触する時期を待った。
そして今なら頃合いだと判断したらしい。
ここから少なくとも分かるのは、ガビスがビョルンとの接触時期を意図的に調整していたということだ。
これまでは、できるだけ会わないようにしていた。
ところが今回は、その方針を変えた。
ならば当然、理由がある。
そしてガビスは、どうしても早く確認しておきたいことがあったと明かす。
ガビスが計画を変えてまで知りたかった「魔女」
ガビスが尋ねたのは、魔女についてだった。
「魔女とは、どこでどうやって会った?」
ビョルンはすぐに既視感を覚える。
以前、ウルフからも同じことを聞かれていたからだ。
ウルフにも詳しく答えていない。
その後、ガビス本人が現れて同じ情報を求めてきた。
ここから「ウルフの質問はすべてガビスの指示だった」とまでは断定できない。
しかし、少なくとも一つは分かる。
魔女との遭遇に関する情報を、ガビスはかなり重要視している。
しかも彼は、それまでビョルンとの接触をなるべく避けていたという。
その方針を変えてまで確認したかった。
ビョルンはそこに交渉の余地を見つける。
それまでの会話ではガビスが圧倒的に優位だった。
円卓について知っている。
ビョルンの過去についても知っている。
この場所で使える権限まで取り戻している。
何を尋ねても、答えを持っているのはガビスの側だった。
ところが魔女の話だけは違う。
知りたがっているのはガビスであり、答えを持っているのはビョルンなのだ。
情報の価値を見抜いた瞬間、立場が逆転する
そのことに気づくと、ビョルンの態度は露骨に変わる。
椅子に深く座り、脚まで組む。
突然ふてぶてしくなったビョルンをガビスも怪訝そうに見るが、強く制止はしない。
ビョルンは、その反応まで観察している。
少なくとも欲しい情報を得る前に、簡単に会話を切るつもりはない。
そう読めるからだ。
ここにビョルンの戦い方の特徴が表れている。
第577話には直接的な戦闘はない。
王家遠征軍の戦闘や地下1階での具体的な探索も、この回では描かれていないため、魔女やガビスの目的と無理に結びつけることはできない。
ただし、ビョルンが普段の探索や戦闘と同じように、情報を集め、危険を評価し、自分の手札を確認してから動いていることは分かる。
未知の敵を相手にするなら、単純な戦力だけでは不十分だ。
相手が何を知っているのか。
何を隠しているのか。
何を求めているのか。
そうした情報が増えるほど、取るべき行動を選びやすくなる。
探索でも同じで、正しい情報があれば限られた戦力を無駄な方向へ投入せずに済む。
反対に、どれほど強くても目的や場所を誤れば、その力を十分には生かせない。
情報は戦力の代わりではなく、戦力をどこへ向けるか決めるものでもある。
今回のビョルンは、腕力を使う必要すらない。
魔女について知っているというだけで、ガビスに対するカードを得た。
情報は「持っているだけ」では武器にならない
さらに面白いのは、魔女と会った事実そのものは、以前からビョルンが知っていたことだ。
新しい情報を手に入れたわけではない。
変わったのは、その情報の価値を知ったことだった。
ウルフが欲しがった。
そしてガビス本人も欲しがった。
しかも、ガビスは接触を避けていた方針まで変えている。
ここまで材料がそろったことで、単なる過去の経験が交渉カードへ変わる。
情報は知っているだけでは足りない。
誰が欲しがっているのか。
どの程度欲しがっているのか。
相手はそのために、どこまでこちらに付き合うのか。
そこまで把握して初めて、情報は具体的な力になる。
ビョルンはまさに、その価値を測り始めている。
過去の因縁と「20年」という時間
ガビスの「二十年間待った」という発言も重要だ。
二人の関係は、単純に今日始まったものではない。
過去の接点があり、さらに双方の認識には時間のずれが絡んでいる。
ガビスは二十年間待ったと言う一方、以前の段階ではビョルンへの接触を控えていた。
そして今になって、頃合いだと判断した。
この時間構造やガビスの真意を、第577話だけですべて説明することはできない。
ただし、彼が過去のビョルンと現在のビョルンを意識しながら行動していることは重要だ。
知っていたからこそ、会わなかった。
ところが今回は会いに来た。
その変化の背景に、魔女について早く確認したいという事情がある。
だからビョルンは、ガビスが質問してきた瞬間に情報の価値を察知できた。
過去の因縁を今すぐ解明できなくても、「相手が予定を変えた」という事実だけで交渉材料になるのである。
「サイダーをください」――主導権が逆転した瞬間
ビョルンの視線が、先ほどまで使われていたOXの札へ向く。
ガビスがこの空間で使える権限を取り戻していることも思い出す。
そこでビョルンは笑みを浮かべ、急に丁寧な口調で要求した。
「喉が渇いたんですが、サイダーを作ってくれませんか?」
しかも、氷をたっぷり入れて冷たくしてほしいという注文付きだ。
一見すれば完全なギャグである。
帰還という途方もない報酬を提示し、円卓メンバーの秘密を握り、二十年という時間まで絡めて現れたガビス。
そんな相手に対し、ビョルンが優位を察した直後の要求がサイダーなのだから、いかにも彼らしい。
しかし、この場面には交渉上の意味もある。
少し前までの構図は、
ガビスが質問し、他の者が答える。
というものだった。
ところが今は、
ガビスが知りたがり、ビョルンが答えを握っている。
完全に逆転している。
ビョルンはいきなり魔女の情報を渡さない。
まず小さな要求を出し、相手がどこまで応じるのかを見る。
もちろん、本当にサイダーが飲みたかったという面もあるだろう。
そのうえで、相手の反応まで測る。
これがビョルンの強みだ。
戦えるから戦うのではなく、その場で最も有効な手札を使う。
戦力が必要なら戦力を使う。
探索なら情報を集める。
そして相手が情報を欲しがっているなら、その情報自体を武器にする。
第577話は戦闘のない回だからこそ、ビョルンのこうした強さがはっきり見える。
考察|帰還チケットが明らかにしたプレイヤーたちの変化
今回もっとも印象的なのは、帰還という報酬の扱われ方だろう。
かつてなら、プレイヤーにとって元の世界へ帰ることは最大の目標だったはずだ。
ところが時間が経過したことで、その前提そのものが揺らいでいる。
フォックスには今の人生がある。
ゴブリンは帰還より目の前の危険を警戒した。
クイーンは帰還できる可能性があっても、ガビスを信用できない以上は賭けないと判断した。
そしてウルフは、他の者が全員降りたことで勝者になった。
つまり今回のOXクイズでは、誰が最も帰りたいのかという競争すら成立しなかった。
異世界で過ごした年月が長くなるほど、こちらで得たものも増えていく。
人間関係。
立場。
日々の生活。
それらをすべて捨てて帰ることが、本当に無条件の幸福なのか。
少なくとも円卓のメンバーたちは、もう同じ答えを持っていない。
ガビスが見せたかったものは「信頼の限界」だったのか
ガビスは、ビョルンに何かを見せたかったと語っている。
その正体は明言されていないため断定できない。
ただ、一つの可能性として、今回の結果そのものが「信頼」の問題を浮き彫りにしたとは考えられる。
どれほど魅力的な報酬を提示しても、提示した人物が信用されなければ人は動かない。
あるいは、報酬そのものに以前ほどの価値を感じていなければ、危険を冒す理由もなくなる。
「何を与えるか」だけでなく、「誰が与えると言っているのか」が重要なのだ。
そして皮肉なのは、そんなゲームを用意したガビス自身が、最後にはビョルンから同じ問題を突きつけられていることだ。
ビョルンもガビスを信用していない。
だから魔女について聞かれても、素直にすべて話す理由はない。
OXクイズで参加者に信頼とリスクを迫ったガビスが、今度は自分自身の信用を試される側へ回ったとも読める。
まとめ|第577話の重要ポイント
第577話は派手な戦闘ではなく、帰還、信頼、情報の価値を中心に物語が動いた回だった。
- ゴブリンは「嫌な予感」を理由に辞退。帰還という巨大な報酬より、生存者としての警戒心を優先した。
- クイーンもガビスを信用できないとして辞退。帰還させる能力の有無と、約束を守る人物かどうかを分けて考えた合理的な判断だった。
- ウルフが他の参加者の辞退によって優勝。ガビスが期待していたOXクイズは、想定外にあっけない結末を迎えた。
- ガビスは二十年間待ち、ビョルン・ヤンデルの正体を把握していた。それでも接触時期を調整し、今回になって直接話すことを選んでいる。
- 魔女との遭遇情報がビョルンの交渉カードになった。ガビスがその情報を強く求めていると察した瞬間、二人の力関係が変化した。
次回に向けて注目したいのは、ガビスがなぜ魔女との遭遇をそこまで重要視しているのかという点だ。
さらに、ビョルンが手にした情報カードをどう使うのか、そして二十年という時間を挟んだ二人の因縁が何につながるのかも気になる。
第577話の最後でビョルンが求めたのは、氷たっぷりのサイダー。
しかし本当に重要なのは飲み物ではない。
質問する側だったオーリル・ガビスと、答えさせられる側だったビョルンの立場が、そこで初めて入れ替わったことだ。
帰還を賭けたOXクイズは終わった。
その代わりに始まったのは、ビョルン・ヤンデルとオーリル・ガビスによる、互いの情報を賭けた本当の駆け引きだった。
