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【徹底解説】記録保管所の周回狩りと新種テンタクラン|『転生したらバーバリアンだった』第511話あらすじ&考察
第511話「墓場(3)」では、記録保管所が持つ驚異的な機能と、記録の海に生息する新種魔物の特徴が明らかになる。
ビョルンが最近名付けたマクガフィンは、すでに巨大図書館の本へ登録されていた。
名称だけではない。発見者と命名者がビョルン・ヤンデルであることまで、正確に記録されている。
古代の施設が、なぜ現在の出来事を知っているのか。
ビョルンは、世界の過去や未来を保存するとされる神話上の「記録石」との関係を疑う。
しかし、今の一行には謎を検証する方法がない。
そこでビョルンたちは、解けない問題をいったん後回しにし、魔物の能力や聖水情報を確認できる記録保管所を狩り場として活用していく。
現在の出来事を記録する図書館
マクガフィンという名前を決めたのは、ごく最近の出来事だった。
それにもかかわらず、本には名称、発見者、命名者が記されている。
施設がビョルンたちの会話を聞いていたのか。
記憶や認識を読み取ったのか。
あるいは、迷宮内の出来事が自動的に保存されているのか。
ビョルンにも答えは分からない。
ただし、世界のあらゆる歴史を記録するとされる「記録石」を利用した施設なら、今回の現象も説明できる。
記録保管所が記録石そのものではなく、その情報を閲覧する端末である可能性もあるだろう。
「調査や研究は魔法使いがすることだ。私たちは探索者なんだから、探索すればいい!」
考え込むビョルンを現実へ戻したのは、アイナルの一言だった。
今の一行に、施設を研究する専門知識はない。
推測を続けるより、目の前にある仕組みを試す方が現実的である。
能力値と聖水まで分かる完全な魔物図鑑
記録保管所の本には、魔物の能力が具体的な数値で記されていた。
都市の資料では「動きが速い」「雷に強い」といった曖昧な表現しか得られない。
しかし、記録保管所では素早さ、耐性、跳躍力、魂力などを数値として確認できる。
さらに、魔物から得られる聖水(Essence)の色と、吸収時に獲得する技能まで分かる。
探索者にとって、聖水の選択は構築全体を左右する重要な判断である。
強力な技能でも、現在の役割や既存能力と噛み合わなければ、構築全体を弱くすることがある。
記録保管所の情報を使えば、不要な聖水を誤って吸収する危険を減らし、仲間ごとに必要な能力を狙える。
これは単なる魔物図鑑ではない。
探索者の構築を設計するための資料でもあった。
本を使った召喚狩り
ビョルンたちが本を石台へ置くと、記載されていた魔物が石扉から出現した。
敵の種類も出現位置も事前に分かるため、戦闘前から陣形を整えられる。
ビョルンが正面。
アイナルとミーシャが左右。
エルウィンは射線を確保し、ベルシルは魔法を準備する。
通常の迷宮では、敵と遭遇してから役割を整えなければならない。
記録保管所では、最も有利な状態で戦闘を開始できる。
攻略方法を理解した一行は、本を探す班と戦闘班に分かれた。
捜索班が上層で本を探し、下で待つ戦闘班へ渡す。
戦闘中にも次の本を探すことで、移動や待機の時間を減らしていく。
個人の強さだけでなく、それぞれの能力を一つの仕組みとして動かすことも、探索隊の効率を左右する。
三日間で一千万ストーン以上
ビョルンたちは三日間、召喚と討伐を繰り返した。
上層へ進むほど、本に記される魔物の数と等級は上がる。
一冊から百体以上が出現することもあり、三日間で得た魔石は一千万ストーンを超えた。
聖水も七つ出現したが、六つは六級未満だったため処分し、五級聖水だけを残している。
記録保管所では、敵を探して歩く必要がない。
再出現を待つ必要もない。
不意打ちや別の探索隊との獲物争いも避けられる。
魔石と聖水を稼ぐ目的だけなら、ほとんど理想的な狩り場だった。
しかし、ビョルンたちは満足できない。
ここは新区域である。
既知の魔物を安全に狩っている間にも、ほかの探索隊は未知の島や新種を発見している可能性がある。
新区域で最も大きな利益を生むのは、魔石だけではない。
新種の命名。
未知の聖水。
攻略情報。
最初の発見者だけが得られる利益である。
新種テンタクランの本
三日間、新種の本は見つからなかった。
ところがアイナルが、見覚えのない魔物の本を発見する。
名称はテンタクラン。
記録の海に生息する四級魔獣である。
狼に似た四足の身体を持つが、全身から触手が伸び、背中には骨の翼が付いている。
さらに技能も、異なる魔物から集められていた。
海商人の《平和主義者》。
ガーゴイルの《悪の音》。
メデューサの《石化の呪い》。
リヴァイアサンの《水中咆哮》。
自然な進化で生まれたというより、複数の魔物情報を組み合わせて作られた存在に見える。
記録の海の新種は、探索者が複数の聖水を組み合わせるように、既存魔物の技能を再構築した「完成済みの構築」なのかもしれない。
発見後に更新される記録
テンタクランの本には、銀獅子団のマザーキン・リルグラムが発見者として記録されていた。
つまり、この本は最初から図書館にあったのではない。
銀獅子団がテンタクランを発見したあと、記録保管所へ情報が追加された可能性が高い。
新種は、誰かに発見され、名前を付けられた時点で、初めて世界の正式な記録へ登録されるのだろう。
マクガフィンの情報も、未来が書かれていたのではない。
ビョルンが発見して命名した事実が、ほぼ同時に反映されたと考えられる。
大量の白紙本も、まだ発見されていない新種のために用意されているのかもしれない。
テンタクランを一撃で討伐
ビョルンたちはテンタクランの本を石台へ置いた。
技能名は分かっていても、発動条件や連携方法までは不明である。
特に警戒すべきは《石化の呪い》だった。
前衛のビョルンが動きを止められれば、敵が後衛へ向かう危険がある。
そのため、アイナルとミーシャは攻撃役だけでなく、第二の壁として左右に立つ。
石扉から現れたテンタクランは、触手でビョルンを拘束しようとした。
ビョルンは一本だけを腕で受け、拘束力を確認する。
触手は強かったが、彼を固定するほどではない。
ビョルンが腕を引くと敵の姿勢が崩れ、その瞬間にミーシャが首元へ踏み込んだ。
急所を正確に斬られたテンタクランは、ほかの技能を使う間もなく倒れる。
敵が弱かったわけではない。
能力を知り、出現地点を把握し、事前に陣形を整えていた。
さらに、ミーシャが一瞬の隙へ最大火力を集中できるほど成長していた。
情報、準備、連携がそろったからこその一撃だった。
記録保管所を離れる決断
テンタクランの情報が追加されたことで、ほかの探索隊が新種を発見し続けていることが分かった。
ビョルンは、記録保管所へ残るか、別区域へ移るかを仲間へ尋ねる。
今回は自分が投票しないと伝えた結果、全員が別区域の探索を選んだ。
記録保管所は安定して稼げる。
しかし、探索者たちが求めるのは、安全な収益だけではない。
誰も知らない場所へ最初に入り、新しい発見を自分たちのものにしたい。
それが探索者としての欲望だった。
撤退前の三級魔物狩り
ビョルンは、すぐには記録保管所を離れなかった。
すでに三級魔物が出現する階層まで到達している。
一度外へ出れば、再び同じ場所まで進める保証はない。
そこで、仲間の構築に必要な三級聖水を狙い、もう少しだけ狩りを続ける。
召喚されたのは、スチールジャイアント、フェニックス、アースワーム、深淵のスケルトンなどだった。
重量級には進路をずらし、再生型には核を集中攻撃する。
地中型は潜る前に動きを止める。
高い耐久力を持つビョルンも、すべての攻撃を無意味に受けるわけではない。
耐えられる物理攻撃は引き受け、石化や魂への攻撃は仲間とともに避ける。
防御構築とは、何でも耐えることではない。
受ける攻撃を選び、危険な効果を回避する仕組みである。
狙っていたベラリオスは見つからなかったが、《初心者幸運》によって深淵のスケルトンの聖水を獲得した。
十階層由来の希少な聖水であり、都市へ持ち帰れば高値で売れる。
倒せても効率が悪ければ撤退する
上層では、三級魔物が二体同時に現れる戦闘も増えた。
一体ずつなら倒せる。
しかし、拘束型と遠距離型、回復型と防御型など、組み合わせによって危険度は大きく上がる。
戦闘時間が延び、魔力、回復薬、装備、集中力の消耗も増えていく。
さらに先へ進むことは可能だった。
だが、狩りの目的は最も強い敵を倒すことではない。
一定時間内に、安全にどれだけ利益を得られるかである。
「ここまでだ」
ビョルンは十分な成果を得た時点で撤退を決めた。
倒せることと、繰り返し狩る価値があることは同じではない。
上層の本を持ち去る
撤退前、ビョルンは上層の本を回収するよう指示した。
すべて収納できなければ、海へ捨てるという。
記録保管所では、本を石台へ置いて魔物を倒すことが、次の階段を開く条件となる。
上層の本を持ち去れば、後続隊はその先へ進めない。
狙いは、記録保管所の情報と狩り場を独占することだった。
誰かが新種を発見すれば、すぐに情報が本へ追加される。
記録保管所にいれば、直接遭遇していない新種の能力や聖水を確認し、安全な条件で戦うことまでできる。
この施設の本当の価値は、魔石収入だけではない。
墓場全体の新発見を集める情報中枢であることだ。
本を持ち去る行為は、競争上は合理的である。
一方、後続の探索隊から見れば明確な妨害だった。
出口で待っていた探索者たち
一行が記録保管所の出口へ戻ると、別の探索隊が待っていた。
武器を抜き、陣形を組み、入口を塞ぐように立っている。
「……ヤンデル男爵?」
彼らはビョルンの身分を知っていた。
しかし、友好的とは限らない。
目的は攻略情報か。
持ち去った本か。
内部で得た魔石や聖水か。
ビョルンたちは三級魔物との連戦を終えた直後で、体力も魔力も万全ではない。
一方、相手は戦闘準備を整え、位置的にも有利だった。
魔物なら、能力や行動規則を分析できる。
しかし人間は、交渉、偽装、囮、奇襲を使う。
安全な召喚狩りを終えたビョルンたちは、再び予測不能な人間同士の世界へ戻ることになった。
考察|記録保管所と記録石
マクガフィンやテンタクランの情報が即座に反映されたことから、記録保管所は現実の出来事と同期している可能性が高い。
施設そのものが世界を観測しているのではなく、記録石のような巨大な情報源へ接続しているのかもしれない。
記録石が世界の出来事を保存する。
記録保管所は、魔物に関する情報を本として表示する。
石台は記録された魔物を実体化する。
この構造なら、古代の施設へ現在の情報が追加される理由を説明できる。
ただし、未発見の新種は本へ現れない。
未来の情報が記録されていても、現在の世界で発見されるまで閲覧できない制限があるのだろう。
考察|新種と探索者の構築
テンタクランは、異なる魔物の技能を一体へ組み込んでいた。
これは探索者が複数の聖水を吸収し、自分の役割に合わせて能力を組み合わせる方法に似ている。
記録の海では、保存された魔物情報を使い、新しい能力構成が作られているのかもしれない。
今後現れる上位新種では、単に強い技能を集めるだけでなく、拘束から石化、妨害から範囲攻撃といった連携まで完成している可能性がある。
記録の海は、新しい魔物を生み出し、その性能を試す実験場なのかもしれない。
まとめ
第511話では、記録保管所が現在の出来事を即座に反映し、魔物の能力、耐性、聖水、獲得技能まで記録する施設だと判明した。
さらに本を石台へ置くことで、記載された魔物を有利な条件で召喚できる。
三日間の周回狩りで、ビョルンたちは一千万ストーン以上の魔石と複数の聖水を得た。
その一方で、銀獅子団が新種テンタクランを発見し、その情報が本へ追加される。
新種は、発見と命名によって初めて世界の正式な記録へ登録される可能性が高い。
テンタクランは複数の既存魔物の技能を持つ複合型魔物だった。
記録の海は、魔物情報を再構築して新しい存在を生み出す場所なのかもしれない。
ビョルンたちは別区域の探索を選び、撤退前に三級魔物を追加で狩った。
戦闘効率が悪化した段階では無理に先へ進まず、十分な利益を得て撤退している。
最後には上層の本を持ち去り、後続隊が先へ進めないようにした。
合理的な先行者戦略である一方、ほかの探索者から見れば明確な妨害でもある。
そして出口には、武器を構えた探索者たちが待っていた。
次回は、魔物以上に予測の難しい人間同士の駆け引きが始まることになりそうだ。
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