『転生したらバーバリアンになった』小説版・第524話ロングあらすじ【初心者向け・保存版】

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Surviving the Game as a Barbarian | Chapter: 524 | MVLEMPYR
On the 6th floor, there was a place called the Calm Belt. There was almost no wind or current, so a magic-powered propul...

【徹底解説】巨人島に隠された《巨体化》の秘密|『転生したらバーバリアンだった』第524話あらすじ&考察

七体もの巨人に追われたビョルン一行は、集めてきた魔石を船の魔力推進装置へ投入し、限界速度で銀色の海を駆け抜けた。

前話では、一度逃げた巨人が六体の仲間を連れて戻ってきた。地下一階の魔物は、決められた動きを繰り返すだけではなく、状況に応じて仲間を呼び、群れで獲物を追い詰める知性を持っている可能性がある。

今回の第524話では、ビョルンたちはその巨人たちから逃げ切り、ついに救援要請が出された島へ到着する。

そこで最初に遭遇したのは、巨大な怪物ではなく、地下迷宮で最弱級に位置するゴブリンだった。

しかし、そのゴブリンは本来持っていないはずの《巨体化(Gigantification)》を発動する。

さらにトロール、ウェアウルフ、鉄のゴーレムまで、島にいるすべての魔物が《巨体化》を使用していた。

なぜ、異なる種族の魔物が同じ能力を使えるのか。

島全体を覆う巨大化の力は、ビョルン自身にも影響するのか。

巨人島の異常な仕組みと、戦闘員だけでは成立しない遠征隊の姿が見え始める一話となった。

七体の巨人から全速力で逃走

七体のヒッパーマカントを確認したビョルンは、正面戦闘を選ばなかった。

一体を相手にした前回の戦闘でも、ビョルンの戦槌やアルミン探索隊の集中攻撃では、決定的な損傷を与えられていない。

その巨人が七体もいる。

ビョルンが一体を引き付けても、残りが船へ殺到すれば守り切れない。複数の巨人に船を持ち上げられれば、その時点で遠征は終わる。

そこでビョルンは、魔石を魔力推進装置へ大量投入した。

船底の機関が轟音を上げ、船体は銀色の海を猛烈な速度で進み始める。

同時に帆も畳ませた。

通常の航海では風を受ける帆が推進力になるが、魔力推進装置で高速移動している間は、空気抵抗となって速度を下げるからだ。

探索者たちは激しく揺れる甲板で手すりや帆柱につかまり、海へ投げ出されないよう重心を低くした。

しばらくすると、見張り台にいるエルウィンが声を上げる。

「巨人たちは見えなくなりました!」

七体の巨人は、船に追いつけないと判断したのか、ようやく追跡を諦めた。

それでもビョルンは、推進装置を止めさせなかった。

巨人が見えなくなっただけで、安全な海域へ出たとは限らない。海中に別の個体が潜んでいる可能性もある。

ビョルンは、巨人の縄張りを完全に抜けるまで高速航行を続けるよう指示した。

海域ごとに危険度が変わる銀色の海

これまでの航海から、銀色の海では海域によって生息する魔物が異なることが分かっている。

図書館島の周辺にはマクガフィン。

人間島へ向かう海域にはテンタクラン。

そして今回の海域では、ヒッパーマカントが群れで活動していた。

問題は、魔物の危険度が一定ではないことだ。

七等級魔物しか現れない場所もあれば、四等級魔物が出現する島もある。

今回の海域では、二等級級と考えられる巨人が七体も群れを作っていた。さらに地下一階には、一等級魔物まで存在する可能性が示されている。

通常の地下迷宮なら、階層を下るにつれて魔物の強さが段階的に上昇する。

しかし地下一階では、同じ海の中でも場所によって難易度が極端に変わる。

航路を少し間違えただけで、低等級魔物の海域から二等級魔物の縄張りへ入り込むこともあり得る。

地下一階では、魔物を倒す力だけでなく、危険な海域を避ける航海技術が生存へ直結する。

まずは地下一階から脱出する

二等級級の巨人が七体も現れたことで、ビョルンは一瞬、自分たちが地下一階へ来るのは早すぎたのではないかと考える。

現在の装備や船、遠征隊の編成では、この階層のすべての脅威へ対処できない。

それでも、ビョルンはすぐに迷いを打ち消した。

これまでの探索も、常に無謀と呼べる挑戦の連続だった。

危険な場所へ踏み込んだからこそ、希少な聖水(Essence)や装備、情報を手に入れられた。

ただし、今のビョルンは危険なら無条件に突き進めばよいとは考えていない。

まずは地下一階から脱出する。

そして装備や船を整え、より強力な構築を完成させてから再び挑めばいい。

一度の遠征ですべてを攻略する必要はない。

生きて情報を持ち帰り、次の挑戦へつなげることも勝利である。

二時間で約二千万ストーンを消費

アウイェンが現在地を計算し直すと、船はすでに目的地の近くまで到達していた。

本来なら残り六時間ほどかかる距離を、わずか二時間で移動したことになる。

魔力推進装置は、本来、第六階層の無風地帯で船を動かすために使用される。

風も海流もない場所では、通常の帆船は進めない。そのため魔石を燃料として、船を強制的に前進させるのだ。

今回のような緊急離脱でも、装置は絶大な効果を発揮した。

しかし代償も大きい。

ビョルンがアウイェンへ渡した魔石の九割以上が、二時間の航行で消費されていた。

集めた魔石全体の約四分の一。

金額に換算すれば、約二千万ストーンにもなる。

大きな出費だが、ビョルンは必要経費だと判断した。

魔石は再び集められる。

一方、二十七人の仲間や、残された一隻の船は、失えば簡単には取り戻せない。

今回の二千万ストーンは浪費ではなく、仲間の命と遠征を続ける権利を守るための費用だった。

アウイェンの卓越した航海技術

予定航路を外れながらも目的地を発見したアウイェンの技術に、ムル・アルミンは驚いた。

アルミン探索隊には専属の航海士がおらず、普段はムル自身が操船を担当している。

そのため、太陽も星も存在しない地下迷宮で現在地を把握する難しさを理解していた。

今回は巨人から逃れるため、予定航路を無視して限界速度で進んでいる。

それでもアウイェンは海図と航海道具を使い、短時間で現在地を修正して目的地を見つけた。

「あの人は、驚くほど優秀な航海士です」

ムルはアウイェンの操船技術だけでなく、彼が作った海図の精密さも評価し、いつか教えを受けたいと語った。

ビョルンは、その称賛を聞いて気まずそうに反応する。

当初アウイェンを仲間にした理由は、単に利用価値が高そうだったからだ。

しかし現在では、アウイェンは遠征隊を目的地へ導く、替えの利かない専門家となっている。

「英雄のもとには人材が集まるものですね」

ムルの言葉は、ビョルン自身がまだ意識していない変化を示していた。

強い人物がいるだけでは、遠征隊は成立しない。

仲間の能力を見抜き、それぞれへ適切な役割を与える者がいるからこそ、集団は組織として機能する。

巨人島へ慎重に上陸

目的地の島を発見しても、ビョルンたちはすぐに接岸しなかった。

まず船で島の周囲を回り、海岸線や地形を確認する。

北側には切り立った崖が続いていた。

重装備の探索者が登るには時間がかかり、途中で襲撃されれば隊列も組めない。

そこで一行は、傾斜の緩やかな南側の海岸を上陸地点に選んだ。

未知の島では、上陸のしやすさだけでなく、危険が迫った際に船へ戻れることも重要になる。

ムルも、島の特徴が救援要請の内容と一致していると確認した。

こうして一行は、六氏族の探索者が取り残された島へ上陸する。

島は人間島の約十倍もの広さを持っていた。

海岸には、十階建ての建物に匹敵する巨大な樹木が立ち並んでいる。

巨人島という名称から巨大な魔物の存在は予想できるが、植物まで異常に大きいとなれば、島全体へ巨大化の力が働いている可能性も考えられた。

未知の樹木に興奮する魔法使いたち

上陸準備の途中、アルミン探索隊の魔法使いが、巨大樹木の試料を採取したいと申し出た。

これほど大きな木は見たことがなく、未知の魔法素材として価値を持つ可能性があるという。

魔法使いの目は、危険な島へ上陸した不安よりも、未知の素材を発見した喜びで輝いていた。

ビョルンは短時間で済むことを確認し、アイナルに採取を手伝わせる。

切り取られた試料は、通常の木なら丸太と呼べるほど大きかった。それでも巨木にとっては、表面のわずかな一部でしかない。

試料を得た魔法使いたちは、夜になったらすぐ調べよう、研究論文では全員を共同執筆者にしようと興奮していた。

現地の魔法使いたちは、戦闘能力だけでなく、未知の現象を分析し、知識として残す研究者でもある。

巨人島の巨大化現象に法則があるなら、彼らの分析が攻略法の発見につながる可能性もある。

巨人島で現れた普通のゴブリン

島の内部へ入って約三十分後、アメリアが何者かの接近を察知した。

探索者たちは足を止め、戦闘態勢を整える。

ところが、木々の間から現れたのは一体のゴブリンだった。

緑色の皮膚。

大きく開いた口。

手には粗末な刃物。

地下迷宮の浅い階層で何度も遭遇する、見慣れた魔物である。

《巨体化》したビョルンの膝にも届かない。

しかし、ビョルンは警戒を解かなかった。

地下一階では、見た目だけで魔物の強さを判断できない。

普通のゴブリンに見えても、変身、自爆、仲間を呼ぶ能力などを持っているかもしれない。

その直後、ゴブリンは《罠作成(Trap Creation)》を使用した。

作った罠を探索者たちの目の前へ投げ、誰かが踏むのを待つ。

隠されていない罠など意味がない。

あまりにも愚かな行動だった。

それでもビョルンは、罠を避けた先に別の攻撃があるのではないかと疑った。

しかし飛んできた一発の矢が、ゴブリンの頭部を貫く。

ゴブリンは光の粒子となり、あっけなく消滅した。

変身も自爆もない。

本当に、ただのゴブリンだった。

ゴブリンたちが《巨体化》を発動

ビョルンが警戒しすぎた自分を恥じた直後、周囲にいたゴブリンたちが一斉に騒ぎ始めた。

そして、小さな肉体が膨張する。

細い手足へ筋肉が浮かび、体格がひと回り大きくなった。

「ゴブリンが《巨体化》を使った……?」

《巨体化》は、ゴブリンが本来持つ能力ではない。

一体だけなら高位変異種という可能性もある。

しかし、その場にいた複数のゴブリンが同じ能力を発動している以上、希少な変異だけでは説明できなかった。

戦闘そのものは簡単に終わる。

巨大化しても、ゴブリンの基礎能力は低い。

筋力や体格が増しても、ビョルンたちの前衛を突破できるほどではなかった。

《巨体化》は弱い存在を最強へ変える能力ではない。

使用者が元から持っている筋力、耐久力、重量をさらに強化する能力と考えられる。

だからこそ、高い肉体能力を持つビョルンが使用した時に、大きな効果を発揮するのだ。

島にいるすべての魔物が巨大化する

異常はゴブリンだけではなかった。

その後に遭遇したトロールも《巨体化》を使用した。

ウェアウルフも、鉄のゴーレムも同じ能力を発動する。

種族や生態、本来の能力がまったく異なる魔物が、共通して《巨体化》を追加で使用していた。

原因は個体ではなく、島側にあると考えるのが自然だった。

同じ《巨体化》でも、魔物によって危険度は異なる。

ゴブリンは元の能力が低いため、大きな脅威にはならなかった。

一方、トロールは高い筋力と再生能力を持つ。巨大化すれば攻撃範囲が広がり、倒すために破壊しなければならない肉体の量も増える。

ウェアウルフは、筋力の上昇によって突進力と爪の間合いが強化される可能性がある。

鉄のゴーレムが巨大化すれば、重量と装甲の厚みが増し、狭い通路では動く壁となる。

つまり《巨体化》は、魔物が元から持つ長所を拡張する。

巨人島では、魔物の等級だけでなく、巨大化によってどの特徴が強化されるのかまで考える必要がある。

島全体を覆う領域効果

ビョルンは、巨人島そのものに特殊な領域効果があるのではないかと考えた。

島に存在する魔物へ、本来持っていない《巨体化》を一時的に付与する仕組みである。

この仮説なら、異なる種族が同じ能力を使える理由を説明できる。

巨大樹木も、同じ力を長期間受け続けた結果、異常な大きさまで成長した可能性がある。

ただし、力の発生源が島そのものとは限らない。

島の中心にいる強力な魔物。

巨大な魔法装置。

番号付きアイテム。

迷宮に組み込まれた特殊な機構。

何らかの存在が、島全体へ《巨体化》の力を放出している可能性もある。

聖水には《巨体化》が存在しない

ビョルンは、ベルシルへゴブリンの聖水を分析させた。

もしゴブリン自身が変異して《巨体化》を獲得したなら、聖水の波長や構造にも違いが現れるはずである。

しかし分析の結果、巨人島のゴブリンから得られた聖水は、第一階層にいる通常個体のものと一致していた。

この聖水を取り込んでも、《巨体化》を獲得できる可能性は低い。

つまり《巨体化》は魔物自身へ刻まれた能力ではなく、島にいる間だけ外部から与えられていると考えられる。

魔物を倒して、低等級の聖水から《巨体化》を量産することはできない。

能力を得るには、島のどこかに存在する発生源そのものを突き止める必要がある。

巨人島に適した戦闘構築

巨人島では、通常の魔物を相手にする時とは異なる部隊構築が必要になる。

まず重要なのは探知能力だ。

敵が巨大化する前に位置と数を把握し、複数の魔物を引き離して一体ずつ処理する必要がある。

巨大化した魔物は攻撃範囲が広いため、前衛を密集させれば複数人が同時に巻き込まれる。

ビョルンが中心となって敵の注意を引き付け、ほかの前衛は距離を保つ方が安全だろう。

遠距離火力も欠かせない。

巨大化した敵へ接近するほど、広い攻撃範囲に入る。

前衛が動きを止めている間に、弓や魔法で攻撃を集中させる必要がある。

また、《巨体化》した魔物は重量が増える。

沼や柔らかい地面へ誘導すれば、自分の重さによって動きにくくなる可能性がある。

木を倒して進路を塞ぐ。

地面を崩して穴へ落とす。

狭い場所へ誘い込み、巨体を動きの制約へ変える。

力を正面から受け止めるだけでなく、巨大化の弱点を利用する戦い方が重要になる。

戦闘員だけでは遠征隊は成立しない

今回、アウイェンの航海技術や、魔法使いたちの研究者としての能力が改めて評価された。

地下一階では、戦闘力の高い者だけを集めても攻略できない。

航路を見つける航海士。

足跡を読む追跡者。

未知の素材を分析する魔法使い。

船を修理する技術者。

魔石や食料を管理する者。

それぞれの専門家が役割を果たすことで、初めて長期遠征が成立する。

ビョルンは、アウイェンに航海を任せ、エルウィンには索敵と遠距離攻撃、ベルシルには魔法支援と分析を任せている。

自分一人ですべてを解決しようとはせず、仲間の能力を活かして部隊を動かしている。

英雄だから人材が集まるのではない。

集まった人材を正しく活かせる者が、英雄として認められるのだろう。

五時間前の人間の足跡

ビョルンたちが巨人島へ来た目的は、島の調査だけではない。

共同体の掲示板へ救援要請を出した六氏族の探索者を救う必要がある。

探索を続けると、一行は人間の靴による足跡を発見した。

アルミン探索隊の一人が調べたところ、ラフドニアの職人が作った靴の跡だと判断された。

彼は以前、王室捜査部で働いており、痕跡の分析に慣れているという。

足跡がつけられたのは、約五時間前だった。

「人間の足跡です」

この発見によって、救助対象が少なくとも数時間前までは生きていた可能性が高まった。

すでに全滅しているのではないかという不安を抱えていたビョルンにとって、大きな希望となる情報である。

しかし、なぜ探索者たちは移動を続けているのかという疑問も残る。

安全な拠点を確保しているなら、そこに留まり救助を待つ方がよい。

それでも移動しているなら、魔物に追われている、食料や水を探している、負傷者を治療できる場所へ向かっているなど、立ち止まれない事情がある可能性が高い。

新しい足跡は生存の証明であると同時に、危機が現在も続いていることを示していた。

巨人島攻略の鍵は理解すること

現時点で島に現れた魔物は、ビョルンたちが対処できる範囲にある。

しかし、巨人島の本当の危険は、目の前の魔物の強さではない。

島の仕組みが分かっていないことだ。

なぜ《巨体化》が付与されるのか。

どこまで効果範囲が広がっているのか。

島の中心へ進むほど効果が強くなるのか。

探索者にも影響するのか。

巨大化した一等級魔物まで存在するのか。

外縁部のゴブリンが弱かったからといって、島の奥まで安全とは限らない。

むしろ奥へ進むほど、基礎能力が高く、《巨体化》と相性のよい魔物が現れる可能性がある。

巨人島では、目の前の魔物を倒し続けるだけでは攻略できない。

巨大化の力がどこから与えられているのか。

救助対象は何を見つけ、どこへ向かっているのか。

島の中心に何が存在するのか。

異常の共通点を探し、仲間の専門知識を借りて仕組みを理解することが、攻略の鍵になる。

まとめ

第524話では、ビョルン一行が七体のヒッパーマカントから、魔力推進装置を使って逃走した。

約二千万ストーン相当の魔石を消費したものの、二十七人の命と残された船を守るためには必要な出費だった。

急な高速航行の後でも、アウイェンは現在地を計算し直し、目的地の島を発見する。その航海技術は、操船経験を持つムル・アルミンからも高く評価された。

巨人島へ上陸すると、十階建ての建物に匹敵する巨大樹木が一行を迎える。

さらに、ゴブリン、トロール、ウェアウルフ、鉄のゴーレムなど、島の魔物はすべて本来持たない《巨体化》を使用した。

ベルシルの分析では、ゴブリンの聖水は通常個体と同じ構造を持っていた。

このことから、《巨体化》は魔物自身の能力ではなく、巨人島の領域効果によって一時的に付与されている可能性が高い。

そして探索の途中、一行は約五時間前につけられた人間の足跡を発見した。

救援要請を出した探索者たちは、少なくとも数時間前までは生きていた可能性がある。

次回は足跡の先で何が待っているのか。

六氏族の探索者は無事なのか。

そして島全体へ《巨体化》を与えている存在の正体が、最大の注目点となる。

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