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【徹底解説】救助隊との合流と40メートル級の怪物|巨人島で発見された転移石の謎|『転生したらバーバリアンだった』第525話あらすじ&考察
地下一階「巨人島」の探索は、新たな局面を迎えた。
前話では、島に生息するゴブリンやトロール、ウェアウルフ、鉄のゴーレムまでが《巨体化(Gigantification)》を使用することが判明した。
魔物から得られる聖水(Essence)には変化がなかったため、《巨体化》は個体固有の能力ではなく、巨人島にいる間だけ外部から与えられている可能性が高い。
さらにビョルン一行は、約五時間前につけられた人間の足跡を発見していた。
今回の第525話では、その足跡を追い、救援要請を送った六氏族の生存者と合流する。
しかし救助は無傷では終わらなかった。
救助隊を目前にして命を落としたベリオン。
海でビョルンたちを苦しめたヒッパーマカントの死体。
ヴァルクサスを素手で引き裂いたという四十メートル級の怪物。
そして洞窟の奥に設置された転移石。
六氏族との再会による安堵と、巨人島の本当の危険が同時に示される一話となった。
五時間前の足跡を追う
足跡を詳しく調べたのは、アルミン探索隊に所属するミハイル・レクタだった。
彼はかつて王室捜査部で働いており、追跡や現場分析を得意としている。
レクタは足跡の大きさや歩幅から、痕跡を残したのは二人の男性だと判断した。
二人は足跡を隠そうとはしていない。
ただし、周囲を何度も確認しながら、ゆっくり慎重に進んでいた。
「人間ではなく、島の魔物を警戒していたのでしょう」
足跡を消していない以上、追跡者よりも魔物に見つかることを恐れていた可能性が高い。
少なくとも五時間前までは、救助対象が生きていた。
すでに全滅した集団の痕跡ではないという事実は、ビョルンたちにとって大きな希望だった。
ビョルンはレクタの技術を認め、追跡を正式に任せる。
自分ですべてを判断するのではなく、最も能力の高い専門家に仕事を委ねる。ビョルンの遠征隊が、個人の集合から組織へ変わりつつあることが分かる場面である。
森に横たわるヒッパーマカント
足跡を追っていた一行は、森の中で巨大な死体を発見する。
それは海でアルミン探索隊の船を襲ったヒッパーマカントと同種の魔物だった。
すでに腐敗が進み、周囲には強烈な悪臭が漂っている。
海ではビョルンの戦槌や探索隊の集中攻撃を受けても、決定的な損傷を見せなかった巨人である。
そのヒッパーマカントが、森では死体となって横たわっていた。
傷を調べると、人間の武器や魔法によって倒されたものではなく、別の魔物に殺された可能性が高いと判明する。
二等級級と考えられるヒッパーマカントを倒せる魔物が、巨人島のどこかに存在する。
海では捕食者に見えた巨人も、この島の生態系では頂点ではなかったのだ。
聖水を得られないビョルン
ビョルンは死体を見て、構築面でも落胆する。
高い耐久力。
巨大な体格。
《巨体化》。
そして、まだ判明していない受動能力。
ヒッパーマカントの聖水には、盾役であるビョルンと相性のよい能力が含まれていた可能性がある。
しかし死体は光の粒子へ変わらず、その場に残っていた。
つまり、聖水も発生していない。
魔物同士の戦いで死亡した場合、探索者が受け取る討伐報酬は得られないと考えられる。
強敵の死体を見つけることと、自分たちで討伐することでは、得られる利益がまったく異なる。
ビョルンにとっては、価値のある能力が目の前にありながら、手に入れられない状況だった。
巨人の死体へ群がる魔法使いたち
ビョルンが落胆する一方、アルミン探索隊の魔法使いたちは歓声を上げた。
腐敗臭も気にせず、未知の巨人の死体へ駆け寄る。
「解剖する前に、体の構造を記録しましょう!」
胃や内臓は存在するのか。
骨格は人間と同じなのか。
皮膚にはどのような性質があるのか。
彼らにとって未知の魔物は、恐怖の対象であると同時に、貴重な研究資料だった。
調査の結果、皮膚は頑丈だったものの、目立った魔法的性質は見つからなかった。
骨は鋼鉄より軽く、強度もある。熟練した鍛冶師なら、防具などへ利用できる可能性があるという。
しかしビョルンは、それほど興味を示さない。
珍しい素材でも、切り出しや運搬、加工に大きな費用がかかるなら、安価で扱いやすい鋼鉄を使った方がよい。
研究者にとっての価値と、実戦装備を求める探索者にとっての価値は異なる。
ビョルンは、特別な性質が見つかった時だけ報告するよう伝え、周囲の警戒へ戻った。
救助対象ミルテインとの再会
魔法使いたちが解剖を続ける間、ビョルンは近づく魔物を処理していた。
その時、茂みから小さな物音が聞こえる。
ビョルンは反射的に戦槌を振り抜いた。
しかし、人間の悲鳴を聞いた瞬間、頭上ぎりぎりで攻撃を止める。
そこにいたのは、ベルシルが知る探索者ミルテインだった。
人間島で六氏族へ加わった五人組のリーダーであり、救援要請を送った集団の一人である。
ようやく救助対象との接触に成功した。
だが、ミルテインに安堵の表情はなかった。
「お願いです……ベリオンが重傷なんです……!」
彼の背中には大きな袋が背負われていた。
袋を開くと、仲間のベリオンが横たわっている。
アメリアが脈を確認するが、すでに手遅れだった。
仲間の死を受け入れられないミルテイン
ミルテインはアメリアの判断を受け入れられなかった。
「そんなはずはない……少し前まで話していたんです!」
何度もベリオンの脈を確認し、肩を揺さぶり、名前を呼ぶ。
しかし反応はなかった。
ミルテインは、救助隊へ辿り着きさえすれば助かると信じていた。
その希望があったからこそ、重傷の仲間を背負い、森を走り続けられたのだろう。
あと少し早ければ助けられたかもしれない。
その思いがあるからこそ、目の前の死を簡単には受け入れられない。
アメリアは押しのけられても何も言わなかった。
ビョルンも責めない。
仲間を失った直後には、正しい説明や慰めの言葉が役立たないこともある。
ビョルン自身、ドゥワルキーを失った経験を持つ。
だからこそ、ミルテインが自分で現実を受け入れるまで黙って待った。
《歪曲》による遺体の保存
しばらくして、ミルテインは仲間の死を受け入れる。
武器、防具、荷物を一つずつ回収し、ベリオンの遺体へ《歪曲》を施すよう頼んだ。
《歪曲》によって、遺体は亜空間へ収納される。
これで都市まで連れ帰れる可能性が生まれた。
ビョルンは、その光景を見ながらドゥワルキーを思い出す。
当時は遺体を保存する魔法使いがおらず、仲間を迷宮へ残したまま進むしかなかった。
死そのものは変えられない。
しかし今回は、仲間を故郷へ帰してやれる。
《歪曲》は物資を運ぶだけでなく、死者の尊厳と残された者の心を守る魔法でもあった。
生存者が隠れる避難所
ミルテインによれば、ほかの生存者は近くの避難所へ隠れている。
これまでは比較的安全だったが、隠れているだけでは食料や水が尽きてしまう。
そこでミルテインとベリオンが偵察役として選ばれ、島から脱出する手段や周辺の情報を探していた。
結果として、ベリオンは命を落とした。
避難所に残っていれば助かった可能性はある。
しかし、何もせず待ち続けても全員が生き残れる保証はない。
偵察そのものは必要だった。
ビョルンは結果だけを見て二人を責めず、避難所まで案内するよう求めた。
魔法で岩壁に偽装された洞窟
避難所は巨大な岩壁の奥に隠されていた。
ミルテインが決められた合図を送ると、岩壁が水面のように揺らぎ、その奥から洞窟の入口が現れる。
魔法によって、入口そのものを壁に見せかけていたのだ。
巨大化した魔物が徘徊する島で、生存者たちが長期間生き延びられた最大の理由だった。
物理的な壁で敵を防ぐのではなく、拠点の存在を認識させない。
巨大な魔物と正面から戦うより、はるかに効率的な防御である。
入口から現れたワイト・ヘックスは、ビョルンを見ると驚きのあまり言葉を失った。
救援要請が都市へ届いたかどうかも分からない。
本当に誰かが助けに来る保証もない。
それでも彼らは、わずかな希望を捨てずに生き延びていた。
悪霊の正体を追及しなかった理由
ビョルンは、共同体へ救援要請を投稿した悪霊が誰なのかワイトへ尋ねる。
しかしワイトは明確に答えず、死亡した仲間の誰かだったかもしれないと言葉を濁した。
今ここにいる生存者の中に、悪霊と呼ばれる転生者がいる可能性は高い。
それでもビョルンは追及をやめた。
投稿者は救援要請を送り、結果として十二人の命を救うきっかけを作った。
少なくとも現在は、敵対する必要がない。
ここで正体を暴けば、生存者の間に疑いが広がり、協力関係が崩れる可能性がある。
ビョルンの目的は悪霊を見つけることではなく、地下一階から脱出することである。
疑うことと、正体を暴くことは同じではない。
攻略に必要のない情報なら、あえて知らない方が組織を保てる場合もある。
ビョルンは、人を試すことが癖になっている自分に気づき、話題を切り替えた。
六氏族を襲った雨季
ワイトは、ビョルンたちと別れた後の経緯を説明する。
六氏族は記録保管所を探索したものの、有益な手掛かりを得られなかった。
そこで新しい区域を探すため海へ出たが、その途中で雨季が始まった。
空から大量の魔物が降り注ぐ。
ビョルンたちは人間島の村で雨季を安全にやり過ごしていたが、六氏族は逃げ場のない海上で魔物の雨を直接受けた。
船は壊滅寸前まで破壊され、多くの仲間を失う。
辛うじて巨人島へ到着した生存者は、この洞窟を発見し、入口を幻術で隠すことで生き延びた。
洞窟を見つけるのが少し遅れていれば、全滅していただろう。
十二人も生き残ったのではない。
大勢いた探索者のうち、十二人しか残らなかったのである。
ビョルンが示した脱出への意志
都市では時間が流れ、迷宮も再び開いている。
その事実を知ったワイトは、地下一階から出る方法があるのかと尋ねる。
ビョルンは、まだ出口を見つけていないと正直に答えた。
その言葉を聞き、ワイトは不安を隠せない。
救助隊が来ても、出口がなければ一緒に取り残されるだけではないか。
そこでビョルンは断言する。
「出口は必ず見つける。」
具体的な根拠があるわけではない。
それでもワイトは、その言葉に希望を見いだした。
ビョルンには、これまで不可能に見える状況を何度も突破してきた実績がある。
積み重ねた行動と結果があるからこそ、断言にも説得力が生まれている。
ワイトは、六氏族も探索へ全面的に協力すると申し出た。
ビョルンはその提案を受け入れる。
生存者にとっては、都市へ戻るための協力である。
一方ビョルンは、十二人の新しい戦力を報酬なしで得られたと考えていた。
人情と実利を同時に成立させる、彼らしい判断である。
三十九人規模となった遠征隊
六氏族の十二人が加わることで、遠征隊は三十九人規模となる。
人数だけを見れば大幅な戦力増強だ。
しかし大人数を一つの集団として動かすのは難しい。
森では先頭と最後尾の距離が広がり、敵との接触情報が後方へ届くまでに時間がかかる。
狭い場所では後衛が射線を確保できない。
命令を全員へ直接伝えることも困難になる。
今後は、複数の班へ分ける必要がある。
ビョルンを中心とした前衛班。
エルウィンや魔法使いによる遠距離支援班。
ミハイル・レクタやアメリアを中心とした偵察班。
アウイェンや物資を守る後方班。
負傷者の治療や救出を担当する支援班。
人数が増えるほど、ビョルン一人ですべてを指示するのではなく、信頼できる者へ指揮権を分ける必要がある。
また、十二人は分配面では無償に近い戦力だが、維持費はかかる。
食料、水、魔石、回復薬、装備の修理、船の空間が必要になる。
まず能力や負傷状態、専門技能を確認し、休養を与えなければならない。
そのためビョルンは、通常の休息時間より早く、その日の探索を終えることにした。
四十メートル級の巨大怪物
ワイトから島の情報を聞くと、雨季終了後にベリオンが巨大な魔物を目撃していたことが判明する。
ヒッパーマカントとは別種で、推定身長は少なくとも四十メートル。
「ヴァルクサスを素手で引き裂いていました」
海で遭遇したヒッパーマカントは、その半分にも届かない。
しかも四十メートル級の怪物は、強力なヴァルクサスを武器も魔法も使わず、純粋な力で殺していた。
あまりにも現実離れした光景だったため、六氏族も幻覚ではないかと疑っていた。
しかし森では、ヒッパーマカントが別の魔物に殺された死体が発見されている。
四十メートル級の怪物なら、ヒッパーマカントを倒していても不思議ではない。
この存在は、一等級魔物や巨人島の支配者、階層ボスである可能性がある。
島中の魔物へ《巨体化》を与えている領域効果の発生源かもしれない。
一方で、怪物自身が島の影響を受けて巨大化している可能性も残る。
どちらにしても、情報なしで正面から挑むべき相手ではない。
まず活動範囲、知覚方法、能力、移動速度を偵察しなければならない。
洞窟の奥にあった転移石
島の地図や魔物の情報を伝えた後、ワイトは最後に見せたいものがあると語る。
案内されたのは、洞窟の奥にある小さな部屋だった。
自然洞窟の中に、不自然な人工構造物が置かれている。
ビョルンは、それを見た瞬間に驚愕した。
「これは……転移石だ」
特定の場所へ移動するための人工装置である。
地下一階から脱出する手段を探してきたビョルンたちにとって、初めて見つかった具体的な移動設備だった。
ただし、これが都市への出口とは限らない。
別の島へ移動する装置。
巨人島の隠し区域へ入る入口。
階層の最終地点へ向かう中継装置。
そうした可能性もある。
六氏族が長期間この洞窟にいたにもかかわらず使用できていない以上、何らかの起動条件が存在するのだろう。
転移石の起動条件を考察
転移石を動かすには、一定量の魔石が必要なのかもしれない。
番号付きアイテムや特定の魔物の核を要求される可能性もある。
島の支配者を倒すことで封印が解かれる仕組みも考えられる。
四十メートル級の怪物が転移石を守る番人なら、巨人島攻略の最終目標は、その討伐になるだろう。
反対に、転移石そのものが島の《巨体化》を生み出している可能性もある。
停止させれば巨大化効果が消える。
起動すると怪物が現れる。
転移先に島の主が待っている。
人工物と巨大化現象の関係を調べる必要がある。
ベルシルとアルミン探索隊の魔法使いを中心に、魔力構造、必要資源、転移先を分析すべきだろう。
各島を結ぶ転移網の可能性
地下一階には、図書館島、人間島、巨大樹島、巨人島など、異なる特徴を持つ島が存在する。
それぞれが独立した攻略区域のように作られている。
巨人島に転移石があるなら、ほかの島にも同様の装置が存在する可能性がある。
各島の転移石を起動する。
複数の島から鍵や情報を集める。
最後に中央区域へ移動する。
すべての装置をつなぎ、都市への帰還経路を完成させる。
そうした構造も考えられる。
転移石を一つ見つけただけでは脱出できないかもしれない。
それでも、地下一階の攻略方法へ近づく重要な発見であることは間違いない。
巨人島攻略の本当の始まり
第525話では、当初の目的だった六氏族の救助が実現した。
しかし、それは巨人島攻略の終わりではない。
むしろ、ここからが本当の始まりである。
ヒッパーマカントを殺した存在。
ヴァルクサスを素手で引き裂く四十メートル級の怪物。
島全体へ《巨体化》を与える力。
洞窟の奥に設置された転移石。
断片的だった情報が、少しずつ一つの攻略構造へつながり始めた。
ビョルンは十二人の新戦力を得た。
同時に、彼らを守り、指揮し、物資を分配する責任も負う。
戦力が増えたからといって、すぐに巨大怪物へ挑むべきではない。
部隊を再編成する。
六氏族の地図とビョルンたちの情報を統合する。
転移石を調査する。
偵察班を送り、巨大怪物の能力を確認する。
巨人島では、純粋な力以上に準備と組織力が試されることになる。
まとめ
第525話では、ビョルン一行が人間の足跡を追い、六氏族の生存者と合流した。
その途中、海でビョルンたちを苦しめたヒッパーマカントが、別の魔物に殺された死体として発見される。
やがてミルテインと再会するが、彼が背負っていたベリオンは、救助の直前に命を落としていた。
ベリオンの遺体は《歪曲》によって保存され、都市へ連れ帰れる可能性が残された。
六氏族は雨季に海上で魔物の雨を受け、多くの仲間と船を失っていた。魔法で入口を岩壁に見せかけた洞窟へ隠れ、十二人だけが生き延びていたのである。
ビョルンは出口を必ず見つけると宣言し、十二人の協力を得る。これにより遠征隊は三十九人規模へ拡大した。
さらに、四十メートル級の怪物がヴァルクサスを素手で引き裂いたという情報も判明する。
そして洞窟の奥では、地下一階からの脱出につながる可能性を持つ転移石が発見された。
次回は転移石の起動条件と移動先、四十メートル級の怪物の正体、そして島全体へ《巨体化》を与えている力との関係が最大の注目点となる。
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