『転生したらバーバリアンになった』小説版・第526話ロングあらすじ【初心者向け・保存版】

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Surviving the Game as a Barbarian | Chapter: 526 | MVLEMPYR
A portal stone in a hidden chamber within the cave. As soon as I saw it, I instinctively reached out and touched it, but...

【徹底解説】単独のヒッパーマカントを包囲せよ!39人遠征隊による巨人討伐戦|『転生したらバーバリアンだった』第526話あらすじ&考察

六氏族の生存者十二人が加わり、ビョルンの遠征隊は総勢三十九人となった。

前話では、巨人島の洞窟内から転移石が発見された。地下一階から脱出するための有力な手がかりに見えたものの、装置は沈黙したままであり、触れるだけでは起動しない。

さらに、次の雨季まで巨人島を探索できる時間は実質三日しか残されていなかった。

限られた時間のなかで転移石の起動条件を調べ、島の地図を広げ、四十メートル級の怪物の情報も集めなければならない。

その一方で、三十九人規模へ拡大した遠征隊は、偵察、地図作成、戦闘、研究を同時に進められる組織へ変わり始めていた。

そして探索の先で発見されたのは、海で一度逃したヒッパーマカントの単独個体だった。

今回は陸上で眠っており、周囲に仲間も確認されていない。

三十九人による初めての本格的な集団戦と、番号付きアイテム12番《信頼》の真価が描かれる一話となった。

転移石は起動しない

洞窟の奥に置かれた転移石へ、ビョルンは直接手を触れた。

しかし、何も起こらない。

光や振動はなく、魔力が流れ始める様子もなかった。

ビョルンも、触れるだけで都市へ戻れるとは考えていない。地下一階へ入る際に使用した転移石も、特定の条件を満たしたことで初めて起動したからだ。

転移石の周囲には、六氏族が土台を掘り返した痕跡も残されていた。

ワイト・ヘックスたちは発見後、毎日装置を確認していたが、一度も反応しなかったという。

時間経過で自然に動く装置ではない。

さらに前回の転移石と違い、起動条件を示す碑文も存在しない。

どの魔物を倒すのか。

どのアイテムを持ってくるのか。

いつ、どのように操作するのか。

すべてを自分たちで解明しなければならなかった。

転移先が都市とは限らない

転移石を動かせたとしても、その先が都市や第一階層とは限らない。

別の島。

地下一階の隠し区域。

階層の中心部。

さらに深い地下二階。

どこへ送られるか分からない以上、三十九人全員で一斉に使用するのは危険である。

一方向にしか移動できなければ、戻る手段を失う可能性もある。

最初に送られた探索者が転移先で孤立する危険も考えなければならない。

未知の装置を見つけ、すぐ使うことが勇敢なのではない。

起動条件だけでなく、転移先や帰還方法まで確認してこそ、本当の攻略となる。

遠征隊全員で起動条件を推理

ビョルンは転移石の存在を隠さず、アルミン探索隊を含む全員へ共有した。

一人で考えるより、多くの探索者や魔法使いの知識を集めた方が答えへ近づけるからだ。

会議では、四十メートル級の巨大怪物を倒すことで転移石が起動するのではないかという意見が出る。

「島の支配者を倒せば、装置が動くのではないでしょうか」

巨人島では、すべての魔物が《巨体化(Gigantification)》を使用する。

四十メートル級の怪物が島の支配者であり、巨大化の領域を生み出しているなら、その討伐が攻略条件になっていても不思議ではない。

一方で、巨人島だけでは条件が完結しない可能性もある。

図書館島の未探索区域。

巨大樹島の最終地点。

人間島の長老が持つ知識。

地下一階にある複数の島が、それぞれ情報や鍵を分担していることも考えられる。

結論は出なかったが、調べるべき候補を共有できたこと自体が成果だった。

雨季まで残された時間は三日

迷宮へ入ってから五十九日目。

新しい周期が始まってから九日目。

雨季は十四日目に始まる。

人間島へ戻る航海時間を考えると、巨人島を探索できるのは実質三日ほどしかない。

六氏族は、前回の雨季を海上で迎え、大量の魔物に襲われて壊滅寸前となった。

洞窟の入口は魔法で隠されているが、空から高等級魔物が降り注げば安全とは限らない。

ビョルンは三日後に巨人島を離れ、人間島へ戻る方針を決める。

安全な村で雨季を過ごし、長老へ転移石について質問する。

銀獅子氏族が残っていれば、新たな戦力として勧誘することもできる。

転移石を発見した直後だからこそ、もう少し調べたいという欲は生まれる。

しかし成果を欲張り、撤退時期を逃せば、六氏族と同じ失敗を繰り返すことになる。

三十九人遠征隊の本格運用

新たに加わった十二人には、それぞれの能力に応じた役割が割り振られた。

偵察。

地図作成。

遠距離攻撃。

前衛。

後方警戒。

物資管理。

三十九人を一つの集団として動かすのではなく、専門性を生かす組織へ再編成したのである。

ビョルンは、自分が担当していた地図作成を六氏族の弓使いセリトンへ任せた。

セリトンの方が正確な地図を作れると判断したからだ。

元王室捜査部のミハイル・レクタには数人を付け、正式な偵察班を編成する。

ビョルンが全体指揮へ集中している間にも、先行偵察と地図作成が同時に進むようになった。

人数が多いことの本当の強みは、攻撃できる人数が増えることだけではない。

複数の作業を並行して進められることにある。

必要のない戦闘を避ける

偵察班は、本隊の数分先に三体のネルパルドンが待ち伏せしていることを発見した。

ビョルンは戦わず、進路を変えて迂回する。

ネルパルドンは記録保管所ですでに討伐したことがある。

欲しい聖水でもない。

迂回しても大きな時間は失わない。

「戦う必要がないなら、迂回する」

倒せる敵をすべて倒す必要はない。

戦闘すれば、負傷、魔力、矢、体力を消耗する。

大人数になれば食料や回復資源の消費も増える。

敵を倒せるかではなく、倒す価値があるかで判断する。

偵察情報によって不要な戦闘を避けられることも、組織化された遠征隊の強みだった。

大人数遠征隊の欠点

人数増加には欠点もある。

戦利品を多人数で分配しなければならない。

食料、水、矢、魔石、回復薬の消費も増える。

隊列が長くなり、先頭と最後尾で状況認識に差が生まれる。

狭い場所では全員が戦えず、後方が詰まる危険もある。

今回加わった六氏族は、救助された立場であるため分配交渉ではビョルンが有利に立てる。

それでも十二人を維持する費用は必要だ。

十二人の戦力を得たのではなく、十二人を運用する責任も負ったと考えるべきだろう。

単独のヒッパーマカントを発見

巨人島南部の探索をほぼ終え、一行が東側へ進んでいた時、レクタが新たな報告を持ち帰る。

「約四分先にヒッパーマカントがいます」

海でアルミン探索隊の船を襲い、一度は逃走した巨人である。

しかも、今回の個体は森の中で眠っていた。

ヒッパーマカントは水中だけでなく、陸上でも活動できる魔物だったのだ。

巨人島を巣や休息場所として利用し、周辺海域へ獲物を探しに出ている可能性がある。

前回逃げた個体も、島や沿岸へ戻り、仲間を呼んだのかもしれない。

ビョルンはすぐ攻撃せず、周囲二キロメートルを偵察させた。

前回は一体を逃した結果、七体の巨人に追われることになった。

同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。

調査の結果、周辺にほかの魔物はいないと判明する。

眠っている。

陸上なので追跡できる。

周囲に仲間がいない。

三十九人の遠征隊も再編成を終えている。

これ以上ない好条件だった。

ヒッパーマカントを討伐する理由

戦う目的は、聖水を得ることだけではない。

ヒッパーマカントは今後も巨人島や周辺海域で遭遇する可能性が高い。

逃走条件。

仲間を呼ぶ方法。

感知能力。

咆哮の効果。

物理攻撃と魔法への耐性。

未知の受動能力。

一度は単独個体を相手にし、情報を集める必要があった。

未知の敵は危険だ。

しかし一度戦って能力を知れば、次からは戦う、避ける、誘導するといった選択ができる。

今回の討伐戦は、目の前の報酬だけでなく、今後の攻略情報を得るための戦いでもあった。

眠る巨人を包囲

遠征隊は消音魔法を使い、眠るヒッパーマカントへ接近した。

近接班は脚部の周囲へ。

弓使いと魔法使いは後方へ。

逃走しそうな方向にも遠距離火力を配置する。

今回の最優先目標は脚を破壊することだった。

ヒッパーマカントは、不利になると正面戦闘をやめて逃走する。

逃がせば仲間を呼ばれる。

頭部や胴体へ大きな傷を与えるより先に、移動能力を奪わなければならない。

ところが、配置が完了する直前、眠っていた巨人が頭を上げた。

消音魔法は機能していた。

誰かが大きな音を立てたわけでもない。

それでも探索者たちの存在へ気づいた。

ヒッパーマカントの顔には、目や鼻が見当たらない。

魔力、振動、生命力、敵意など、通常とは異なる方法で周囲を感知している可能性が高い。

少なくとも、音を消すだけでは完全な奇襲が成立しないことが分かった。

《超越》と《巨体化》による先制攻撃

目を覚まされたビョルンは、即座に《超越(Transcendence)》と《巨体化》を発動する。

巨大化した肉体で地面を蹴り、起き上がろうとするヒッパーマカントへ突撃した。

「ベヘルラァァァァ!」

狙ったのは脛だった。

全身の重量を戦槌へ乗せ、横方向から強烈な一撃を叩き込む。

一撃で骨を折ることはできなかった。

それでも立ち上がる途中だった脚が横へ流れ、巨人は重心を失う。

巨大な肉体は自分自身の重量を支えきれず、そのまま地面へ倒れ込んだ。

大型魔物との戦いでは、傷を与えるだけでなく、姿勢を崩すことが重要になる。

立っている巨人の頭や胴体には、多くの近接探索者の攻撃が届かない。

転倒させれば、首、顎、腹部、関節が攻撃可能な高さまで下がる。

ビョルンの一撃は骨折には届かなかったが、遠征隊全体が攻撃する時間を作った。

風魔法で視界を確保

巨人の転倒によって、土と枯れ葉が舞い上がり、周囲の視界が奪われる。

このままでは後衛が狙えない。

前衛の位置も分からず、範囲魔法を使えば味方を巻き込む危険がある。

後方の魔法使いたちは即座に風魔法を発動した。

土煙が横へ吹き飛ばされ、倒れたヒッパーマカントの姿が再び現れる。

少人数なら、視界が戻るまで攻撃を止める必要があっただろう。

三十九人の遠征隊では、ビョルンが攻撃している間に、別の人物が戦場環境を整えられる。

これも組織戦の強さだった。

巨人の咆哮とビョルンの雄叫び

ビョルンが巨人の顎を狙おうとした瞬間、ヒッパーマカントの巨大な口が開いた。

激しい咆哮が森全体へ広がり、一部の探索者が武器を構えたまま動けなくなる。

単なる大声に驚いたのか。

恐怖や威圧を与える能力なのか。

少なくとも、部隊の動きを止め、巨人が立ち上がる時間を作る効果を発揮していた。

ビョルンにも一瞬、本能的な寒気が走る。

しかし、恐怖より先に怒りが湧いた。

声一つで仲間を止める巨人に対し、バーバリアンとして退くわけにはいかない。

「ベヘルラァァァァァァ!」

ビョルンは巨人へ雄叫びを返した。

魔法的な効果があったかは分からない。

それでも硬直していた探索者たちは、ビョルンの声によって我に返る。

敵と同じように巨大化し、その正面へ立つ指揮官がいる。

その存在が部隊の士気を立て直した。

三十九人による集中攻撃

ワイト・ヘックスとムル・アルミンが命令を飛ばすと、ヒッパーマカントへ大量の攻撃が降り注いだ。

矢。

投射系スキル。

弱体化魔法。

攻撃魔法。

一発ごとの威力は低くても、同じ部位へ攻撃を集中すれば傷を広げられる。

弱体化を重ねれば、その後の高威力魔法も通りやすくなる。

シャルロット・アンブロットを中心とする三人の魔法使いは、二等級攻撃魔法《消滅の槍(Spear of Annihilation)》を発動した。

巨大な白い槍がヒッパーマカントの下腹部へ突き刺さる。

しかし、完全には貫通しなかった。

ビョルンの戦槌でも骨を折れない。

二等級魔法でも胴体を貫けない。

ヒッパーマカントは、高い物理防御と魔法抵抗を兼ね備えていた。

近接班が脚を狙う

遠距離攻撃が巨人へ降り注ぐ間に、アイナル、アメリア、ワイトたちの前衛が脚部へ突撃する。

足首。

膝。

腱。

関節。

一か所へ密集すれば、巨人が脚を振るだけでまとめて吹き飛ばされる。

そのため左右へ分散し、複数の部位を同時に攻撃していく。

一人の攻撃では巨体を揺らせなくても、目的を統一して攻撃を重ねれば、移動能力を削ることはできる。

近接班の目的は、最大火力を競うことではない。

巨人をその場へ縫い止め、逃走を防ぐことだった。

集中攻撃を受けながら立ち上がる巨人

ヒッパーマカントは、矢と魔法を浴び、脚を攻撃されながらも、巨大な腕を地面へついた。

腹部へ《消滅の槍》が刺さった状態でも、上半身を持ち上げる。

巨体が起き上がるだけで地面が沈み、周囲の探索者が押し出される。

ビョルンは近接班へ退避を命じる。

巨大な腕や膝の下敷きになれば、防御力の低い探索者は一撃で命を失う。

そして巨人は、三十九人の集中攻撃を受けながら立ち上がった。

単独個体であっても、簡単に討伐できる相手ではない。

再び逃走するヒッパーマカント

立ち上がったヒッパーマカントは、探索者へ反撃しなかった。

包囲の薄い方向を見つけると、そのまま全力で走り始める。

前回の海中戦と同じだった。

不利になると戦闘を続けず、逃走する。

一定量の傷を受けたことが条件なのか。

敵の数が多すぎると判断したのか。

今回も仲間を呼びに行こうとしているのか。

二度続いた以上、種族的な行動パターンと考えるべきだろう。

「今回は逃がさない!」

ビョルンは巨人を追って走り出した。

前回は海中だったため、水の抵抗によって追跡できなかった。

今回は陸上であり、《巨体化》したビョルンなら距離を詰められる。

周辺も偵察済みで、別の魔物へ妨害される危険は低かった。

《闇の精霊王ディクロエ》による追撃

エルウィンは《闇の精霊王ディクロエ》を召喚した。

逃走する巨人の上空に無数の闇の球体が形成され、黒い弾幕が雨のように降り注ぐ。

背中。

肩。

脚。

巨大な標的であるため狙いを外しにくく、多少進路を変えても攻撃範囲から逃れられない。

それでもヒッパーマカントは走り続ける。

闇弾を全身へ浴びても、速度を大きく落とさない。

しかし、いくら体力が高くても無限ではない。

ディクロエの弾幕は、一撃で巨人を止めるのではなく、走り続ける体力を徐々に奪う追撃として機能した。

ビョルンが巨人の背中へ飛び乗る

ビョルンは倒された木々を乗り越え、巨人との距離を縮める。

そして全力で地面を蹴り、ヒッパーマカントの背中へ飛び乗った。

背中は巨人自身の腕が届きにくい。

立ち止まって振り落とせば、後続の遠征隊に追いつかれる。

走り続ければ、ビョルンから戦槌を受け続ける。

逃走と反撃を両立しにくい位置へ取り付いたのだ。

ビョルンは片手で巨人の皮膚へつかまり、もう片方の手で戦槌を振り下ろす。

地上からでは脚しか狙えない。

背中へ乗れば、首、肩、脊椎に近い部位を攻撃できる。

大型魔物の体格を、そのまま足場として利用する戦い方だった。

番号付きアイテム12番《信頼》

ディクロエの闇弾は、巨人の背中へ乗ったビョルンにも降り注いだ。

通常なら、エルウィンはビョルンを巻き込まないよう攻撃を止めなければならない。

前衛が敵へ密着するほど、後衛は強力な範囲攻撃を使いにくくなる。

しかしビョルンには、番号付きアイテム12番《信頼》がある。

絆を結んだ仲間から受けるダメージを防ぐ装備だ。

エルウィンの闇弾はヒッパーマカントだけを傷つけ、ビョルンへは損傷を与えない。

ビョルンは攻撃範囲を気にせず敵へ密着できる。

エルウィンも誤射を恐れず、ディクロエの最大火力を発揮できる。

前衛が敵を拘束し、後衛が範囲攻撃を浴びせる。

本来なら両立しにくい二つの戦術を、《信頼》が成立させていた。

《信頼》は部隊全体の火力を解放する

《信頼》は、ビョルン個人を守るだけの防具ではない。

味方を巻き込めないという制約を取り払い、遠征隊全体の火力を引き出す装備である。

ビョルンは盾役として、敵の足元や体へ密着する必要がある。

一方、遠征隊の人数が増えるほど、後衛が使える範囲攻撃も増えていく。

精霊の弾幕。

爆発。

雷撃。

広範囲魔法。

通常ならビョルンを巻き込むため使えない攻撃でも、《信頼》の対象であれば制限なく撃ち込める。

遠征隊の火力が高くなるほど、《信頼》の価値も上昇する。

ただし、三十九人全員の攻撃を無効化できるとは限らない。

効果対象は「絆を結んだ仲間」である。

長く行動をともにしてきたエルウィンの攻撃は防げても、新たに加わった六氏族やアルミン探索隊全員が対象になっている保証はない。

今後《信頼》を軸に戦術を作るなら、誰の攻撃を無効化できるか確認する必要があるだろう。

ヒッパーマカントの能力と習性

今回の戦闘によって、ヒッパーマカントの特徴がさらに明らかになった。

海と陸の両方で活動する。

不利になると逃走する。

仲間を呼ぶ。

消音魔法を使っても接近を察知する。

高い物理防御と魔法抵抗を持つ。

咆哮によって探索者を硬直させる可能性がある。

特に重要なのは、逃走を前提に戦術を組む必要があることだ。

脚部を狙う。

逃走方向へ遠距離班を配置する。

周囲を広く偵察する。

追跡手段を準備する。

仲間を呼ばれる前に短時間で仕留める。

逃げ始めてから対応するのでは遅い。

咆哮も、敵を硬直させて逃走するための能力である可能性が高い。

今後は精神抵抗を高める支援や、顎や喉を攻撃して咆哮を妨害する対策も必要になる。

巨人島攻略は情報戦へ変わる

巨人島へ上陸した当初、ビョルンたちが知っていたのは、島の魔物が《巨体化》を使うという事実だけだった。

しかし探索と戦闘を重ねることで、敵の生態や能力が少しずつ分かってきた。

未知の敵は危険である。

一度戦って能力を把握すれば、次からは対策を選べる。

倒す。

避ける。

誘導する。

脚を壊す。

咆哮を止める。

仲間を呼ばれる前に仕留める。

今回のヒッパーマカント戦は、三十九人遠征隊の戦闘力を測る試験でもあった。

討伐に必要な時間。

消費する魔力。

負傷者の有無。

逃走を阻止できるか。

その結果によって、残された三日間で四十メートル級の怪物へどこまで近づけるかも決まるだろう。

まとめ

第526話では、洞窟で発見された転移石をビョルンが調査したものの、装置は反応しなかった。

起動条件には、四十メートル級怪物の討伐、別の島で得られる情報、人間島の長老の知識などが関係している可能性がある。

雨季まで巨人島を探索できる時間は実質三日。

ビョルンは期限を決め、転移石の調査と島の探索を並行して進める。

六氏族の加入で遠征隊は三十九人規模となり、地図作成をセリトン、偵察をミハイル・レクタへ任せることで、探索効率が大幅に向上した。

不要なネルパルドン戦を回避した一行は、東部で単独のヒッパーマカントを発見する。

周囲二キロメートルに仲間がいないことを確認し、遠征隊は眠る巨人を包囲した。

消音魔法を使っても奇襲を察知されたものの、ビョルンは《超越》と《巨体化》を発動し、脛への一撃で巨人を転倒させる。

三十九人による集中攻撃と二等級魔法《消滅の槍》を受けながらも、ヒッパーマカントは立ち上がり、再び逃走した。

エルウィンは《闇の精霊王ディクロエ》を召喚し、闇の弾幕で追撃する。

ビョルンは巨人の背中へ飛び乗り、番号付きアイテム12番《信頼》によって味方の攻撃を無効化しながら戦槌を振り続けた。

《信頼》はビョルン個人を守るだけではない。

前衛が敵へ密着したまま、後衛の最大火力を引き出す集団戦向けの装備だった。

次回はヒッパーマカントを逃がさず討伐できるのか。

未確認能力や聖水の内容、仲間を呼ぶ仕組み、そして転移石の起動条件へ巨人討伐が関係するのかが注目される。

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