『転生したらバーバリアンだった』をまとめて読みたい方はこちら👇
▶ ガイド(このサイトについて)はこちら
▶ 全話まとめ(第1話〜最新話)
▶ 編まとめはこちら
▶ 用語・設定関連の記事はこちら(聖水まとめもこちら)
【徹底解説】聖水で変わったアイナルと40メートル級の巨人|『転生したらバーバリアンだった』第528話あらすじ&考察
ヒッパーマカントを討伐し、貴重な聖水(Essence)を獲得したビョルン遠征隊。
前話では、三十九人の探索者が敵の能力周期に合わせて攻撃と防御を切り替え、二等級級と考えられていた巨大魔物を倒した。
最大の戦果は、アイナルがヒッパーマカントの聖水を取り込んだことだ。
全耐性と自然回復力を大幅に高める《丸まり(Curl Up)》は、攻撃力に対して生存能力が不足していたアイナルを補う能力に見えた。
しかし今回、その聖水には予想外の代償があると判明する。
大幅に低下した「闘争心」。
戦闘を何より好んでいたアイナルの性格は、聖水を取り込んだ直後から明らかに変化していた。
さらに三日間の巨人島探索を終えた一行の前には、ヒッパーマカントさえ小さく見える四十メートル級の怪物が出現する。
聖水が人格へ与える影響と、巨人島の本当の支配者が示される重要な一話となった。
アメリアが忘れていなかった戦闘中の扱い
ヒッパーマカント戦を終え、遠征隊には安堵が広がっていた。
だが、アメリアは戦闘終盤の出来事を忘れていなかった。
「ヤンデル。」
冷たい声で呼び止められたビョルンは、すぐに用件を察する。
《身体圧縮》によって高速化したヒッパーマカントへ攻撃を届けるため、ビョルンはミーシャとアメリアを両手で持ち上げ、武器のように振るう即興戦術を実行した。
結果的に二人の攻撃は巨人の同じ傷口へ集中し、《丸まり》が再使用される前の討伐につながった。
戦術としては成功だった。
しかし本人たちへ十分に説明せず、突然持ち上げて敵へ向けた事実は変わらない。
ビョルンは、二人のおかげで勝てたと繰り返し感謝し、話を穏便に終わらせようとする。
実際、二人の攻撃がなければ討伐は間に合わなかった可能性が高い。
ただし、感謝を強調して問題から目をそらそうとしていることも、アメリアには見抜かれていた。
ミーシャが怒っていなかった理由
アメリアは、もう一人の当事者であるミーシャへ意見を求める。
何の説明もなく持ち上げられたのだから、同じ不満を持っていると考えたのだろう。
しかしミーシャは困惑しながら答えた。
「私は別に……。やっと役に立てた気がしたから、嬉しかった。」
ミーシャは本当に怒っていなかった。
最近の彼女は、ビョルンやエルウィン、アイナルの活躍に対し、自分だけ十分な結果を残せていないと感じていた。
そのため、持ち上げられたことへの不満より、自分の攻撃が討伐成功へつながった喜びの方が大きかったのである。
本人が満足している以上、アメリアも追及を続けにくい。
「今回はここまでにする。だが、見張っているぞ、ヤンデル。」
完全に許したわけではない。
信頼があるから即興戦術は成立するが、仲間への説明を省いてよいわけではないという警告だった。
アイナルが《丸まり》を発動
騒動が落ち着くと、ビョルンはアイナルの聖水を検証する。
身体を丸めて能力を発動すると、半透明の黄色い防壁がアイナルを包み込んだ。
《丸まり》は探索者の身体でも正常に使用できた。
持続時間は三分間。
発動中は全耐性と自然回復力が二十倍に上昇する。
物理攻撃、魔法、属性、状態異常への抵抗が高まり、重傷を負った状態でも傷を回復して戦線へ戻れる可能性がある。
一方、ヒッパーマカントが使用した際に見られた、受けたダメージ量に応じて解除後の能力が上昇する効果は発動しなかった。
この部分は魔物が使った場合だけ有効で、探索者が聖水から得た能力では制限されているのだろう。
それでも緊急防御と回復手段として、十分に高い価値を持つ。
《丸まり》がアイナル向きな理由
《丸まり》は盾役向けの能力にも見える。
しかしビョルンが三分間動けなくなれば、その間に敵がミーシャやエルウィン、魔法使いたちへ向かう。
自分だけが生き残っても、仲間を守れなければ盾役として意味がない。
一方、攻撃役であるアイナルなら、一時的に戦線を離れてもビョルンが敵を引き受けられる。
アイナルが《丸まり》で回復する。
ビョルンが敵を固定する。
三分後、傷を癒やしたアイナルが再び攻撃へ加わる。
役割分担によって、動けなくなる欠点を補えるのである。
将来的に不死や致命傷への耐性を得るなら、さらに相性はよい。
致命傷を不死系能力で耐え、《丸まり》で回復し、再び戦場へ戻る。
倒しても復帰する前衛へ近づく可能性がある。
聖水で上昇した能力
アルミン探索隊の魔法使いたちは、簡易分析装置を使ってアイナルの変化を調べた。
最も大きく上昇したのは、筋力、自然回復力、物理抵抗だった。
筋力は両手武器の威力を高め、自然回復力は戦闘中に蓄積する傷を抑える。物理抵抗も、敵へ接近する前衛には重要である。
魔法抵抗、骨密度、肺活量も中程度に上昇していた。
さらに視力、忍耐力、魔力感知もわずかに高まっている。
身体能力だけを見れば、アイナルの長所を伸ばしながら、生存力という弱点も補う優秀な聖水だった。
しかし分析の途中、魔法使いたちの表情が曇る。
大幅に低下した能力が一つ見つかったからだ。
低下した「闘争心」
ビョルンは、敏捷性や器用さが下がったのではないかと警戒した。
しかし告げられたのは予想外の能力だった。
「低下したのは、闘争心です。」
闘争心とは、敵と戦おうとする意欲や、危険へ踏み込む意思に関係する能力である。
筋力や抵抗のように、攻撃力へ直接加算される数値ではない。
だがアイナルにとっては、戦闘能力の根幹に近かった。
敵の懐へ迷わず飛び込む。
不利でも武器を振るう。
仲間が危険なら損得を考えず前へ出る。
その行動を支えていたのが、アイナルの高い闘争心だった。
筋力が上がっても、戦う意思がなければ力を発揮する機会が減る。
数値上は強化されながら、実戦では弱体化する危険が生じていた。
聖水を取り込んだ直後から変わっていた
闘争心の低下を聞き、ビョルンは検証中の違和感に気づく。
アイナルは最初から妙に静かだった。
普段なら長い実験を嫌がり、早く魔物と戦おうと騒ぎ始める。新しい能力を得た直後なら、模擬戦を申し込んでも不思議ではない。
ところが今回は、魔法使いたちの指示へ素直に従い、落ち着いて検証を受け続けていた。
ビョルンが模擬戦を提案しても、アイナルは応じない。
「今は研究を続けた方がいいのではないか?」
内容自体は合理的である。
しかしアイナルとしては、あまりにも合理的だった。
以前なら研究の必要性を理解していても、まず戦おうとしただろう。
聖水は気分を少し穏やかにしたのではない。
何を優先するかという判断基準そのものを変えていた。
戦わなくてよいなら戦わない
ビョルンが、魔物を見つけたら戦いたいと思うか尋ねると、アイナルは静かに答える。
「戦わなくていいなら、わざわざ戦わなくてもいいだろう?」
探索者としては正しい。
不要な戦闘は負傷、魔力、回復薬、時間を消費する。
ビョルン自身も、利益のない戦闘は避けるようになっている。
しかし、その言葉をアイナルが口にしたことが問題だった。
以前の彼女にとって、戦闘は危険であると同時に喜びでもあった。
強敵を見つければ戦いたがり、ビョルンが止めなければ突っ込んでいく。
その無謀さは欠点である一方、敵を恐れず最初の一歩を踏み出せる強さでもあった。
闘争心が下がれば、必要な戦闘へ入る判断まで遅れる可能性がある。
力を失った雄叫び
ビョルンは、アイナルへ雄叫びを求めた。
バーバリアンにとって雄叫びは、戦闘への意志を示し、自分と仲間を奮い立たせる象徴である。
しかしアイナルの声は、あまりにも弱かった。
「ベヘルラー……。」
本人は真面目に叫んでいる。
それでも声には、以前の熱や攻撃性がない。
見た目は同じで、筋力や抵抗力は以前より上がっている。
それなのに、バーバリアンとして根本的な部分が別人のように変わっていた。
元々のアイナルが極めて好戦的だったことを考えれば、闘争心は最低でも百以上低下している可能性がある。
聖水は人格まで変える
今回の検証で重要なのは、聖水が肉体やスキルだけでなく、人格へも影響することである。
魔物を形作るのは、筋力や魔力だけではない。
攻撃性。
恐怖心。
群れへの依存。
危険を避ける本能。
そうした性質も魔物の一部である。
ヒッパーマカントは巨大で強力な外見に反し、不利になると迷わず逃走した。
無理に戦い続けず、仲間を連れて戻ってくる。
敵を倒すことより、自分の生存と群れの力を優先する魔物だった。
その慎重さが聖水を通じてアイナルへ流れ込んだと考えれば、闘争心の低下にも説明がつく。
聖水を取り込むことは、魔物の能力だけを便利に切り取る行為ではない。
魔物の本能や性格まで、自分の中へ取り込むことなのかもしれない。
強くなるほど、元の自分から離れていく。
それが聖水構築に潜む、数値以上に深刻な危険である。
アイナルの構築は失敗なのか
現時点では、聖水取得が失敗にも見える。
高い攻撃力を持つアイナルから、攻撃へ踏み込む意欲が失われたからだ。
しかし完全な失敗と決めるのは早い。
《丸まり》は強力な緊急防御であり、筋力、自然回復力、物理抵抗、魔法抵抗、骨密度も上昇した。
アイナルの生存能力は確実に改善されている。
問題は、闘争心が大幅に下がったことだけだ。
今後、闘争心を高める別の聖水を取り込む。
勇敢さや狂戦士的な本能を与える能力を加える。
精神を高揚させる装備や支援魔法を使う。
低下分を補えれば、ヒッパーマカントの長所だけを生かせる可能性がある。
今回の構築は完成ではなく、欠点を相殺する次の聖水が必要な途中段階と見るべきだろう。
未判明の受動能力は支援型
魔法使いたちの分析では、ヒッパーマカントの未判明能力が支援系統に属する可能性も示された。
ビョルンは、頭部へ大穴を開けられても倒れなかったことから、生存や再生に関係する能力を予想していた。
しかし生存・防御系統の変化は小さく、最も大きな反応は支援系統にあった。
ヒッパーマカントの行動から考えると、群れに関係する能力が有力である。
仲間の位置を感知する。
危険を共有する。
周囲の同種を強化する。
仲間の数に応じて能力が上昇する。
遠距離から援軍を呼ぶ。
こうした効果なら、支援型へ分類されることにも納得できる。
アイナル一人で検証しても発動しなかったのは、仲間や特殊な状況が必要だからかもしれない。
短時間では正体を突き止められず、ビョルンは検証を中断した。
三日間で八回遭遇
能力確認後、遠征隊は雨季までに残された三日間を巨人島探索へ使った。
最優先したのは地図の完成である。
転移石。
安全な洞窟。
魔物の分布。
ヒッパーマカントの生息区域。
四十メートル級怪物の目撃地点。
再訪に備え、これらの情報を整理する必要があった。
三日間でヒッパーマカントとは八回遭遇する。
そのうち二体で行動していた三回は、戦闘を避けた。
一体だけでも複数の能力へ対応しながら倒す必要がある。
二体同時なら、一体が《丸まり》で回復している間も、もう一体の攻撃を受け続けることになる。
討伐できる可能性があることと、戦う価値があることは同じではない。
雨季前に危険な賭けをする理由はなかった。
攻略法を知っても逃げられる
単独個体とは戦ったものの、二回は逃走を許した。
能力を知っていても、毎回同じ条件で戦えるわけではない。
木々が射線を遮る。
拘束が間に合わない。
包囲を整える前に気づかれる。
地形や発見時の距離によって、逃走阻止の難易度は大きく変わる。
眠っている単独個体を完全包囲できた最初の戦闘が、非常に好条件だったことも分かる。
それでも三体の追加討伐には成功した。
遠征隊が能力の予備動作や逃走の兆候を共有し、同種との戦闘へ慣れてきた成果だろう。
三体倒しても報酬なし
追加で討伐した三体には《歪曲》を使用したが、すべて失敗した。
魔石も聖水も得られなかった。
ヒッパーマカントから報酬を得るには、まず《歪曲》へ成功し、その後に魔石や聖水の抽選へ成功する必要がある可能性が高い。
一体を倒すためには三十九人規模の戦力と大量の魔力が必要になる。
それでも《歪曲》に失敗すれば利益はゼロである。
高難易度に対して、収益性の低い魔物だった。
最初の一体で聖水を得られたのは、《歪曲》の成功と聖水出現という二つの低確率を突破した結果である。
番号付きアイテム9999番《初心者の幸運》が作用していたとしても、簡単に再現できる成果ではなかった。
ヒッパーマカントを「2.7等級」と再評価
追加戦闘を通じ、ビョルンはヒッパーマカントの等級を見直す。
長老の資料では二等級級とされていた。
巨大な体格、高い耐久力、複数の能力、仲間を呼ぶ性質を考えれば、遭遇時の危険度は確かに高い。
一方、魔石の規模や直接的な攻撃性能は、一般的な二等級魔物ほどではなかった。
危険性の中心は、討伐しにくさにある。
《丸まり》で回復する。
《身体圧縮》で強化する。
不利になれば逃げる。
仲間を連れて戻ってくる。
単独の戦闘力は上位三等級に近いが、群れで遭遇した時の危険度は二等級級になる。
ビョルンは暫定的に「二・七等級」ほどと評価した。
長老の資料を否定するのではなく、魔石、攻撃力、使用能力、討伐条件を加え、現場の情報で更新したのである。
巨人島を離れる六氏族
探索期限を迎え、遠征隊は予定どおり巨人島を離れた。
船が海岸から遠ざかる中、ワイト・ヘックスたちは複雑な表情で島を見つめていた。
地下一階から脱出する方法は、まだ分かっていない。
転移石も起動していない。
人間島へ戻っても、都市へ帰れる保証はない。
それでも、仲間と船を失った巨人島へ閉じ込められ続けるよりは希望がある。
食料と船があり、ビョルンたちという仲間もいる。
ビョルンは、脱出できる保証がないという現実をあえて口にしなかった。
正しい事実をすべて伝えることが、必ずしも最善とは限らない。
仲間が前へ進むための希望を守ることも、指揮官の役割だった。
島の中央から現れた巨大怪物
船が巨人島から離れた時、突然強い風が吹きつける。
船体が揺れ、帆とロープが激しく鳴った。
ワイトが島の中央を指さす。
巨大な岩か、島の一部に見えたものが、ゆっくりと立ち上がっていた。
完全に身体を起こすと、それが人型の怪物だと分かる。
推定四十メートル以上。
ヒッパーマカントの倍を超える大きさだった。
「あの探索者は、幻を見たわけではなかったようだ。」
ベリオンの目撃証言は正しかった。
怪物は遠ざかる船へ顔を向け、島全体を震わせるような咆哮を上げる。
音と圧力は海上まで届き、先ほどの突風も、この咆哮によって生まれた可能性がある。
ヒッパーマカント討伐で得た自信が、一瞬で小さく感じられるほど規格外の存在だった。
なぜ船を追わなかったのか
巨大怪物はビョルンたちを認識していたが、海へ入って追跡することはなかった。
島外へ出られない。
特定の領域に縛られた守護者である。
島の中央や転移石を守っている。
逃げる相手を追う必要がない。
いくつかの可能性が考えられる。
ヒッパーマカントは海と陸の両方で活動していた。
それ以上に巨大な怪物が、単に泳げないとは考えにくい。
追わなかったのではなく、追えない、または追うべきではない理由がある可能性が高い。
転移石の守護者なのか
巨人島の洞窟には、起動しない転移石がある。
そして島の中央には、四十メートル級の怪物が存在する。
最も分かりやすい仮説は、怪物の討伐が転移石の起動条件だというものだ。
島の主を倒す。
巨人島の攻略条件を満たす。
転移石の封印が解除される。
さらに、島中の魔物へ《巨体化》を与える領域効果も、この怪物が生み出している可能性がある。
怪物を倒せば《巨体化》が消える。
討伐後に残る核や魔石を転移石へ使う。
そうした仕組みも考えられる。
ただし、現時点では仮説にすぎない。
人間島の長老や魔法使いたちから追加情報を得て、怪物の能力と行動範囲を調べる必要がある。
現在の遠征隊で倒せるのか
ヒッパーマカントでも、三十九人の総力でようやく倒した。
四十メートル級の怪物は、その倍以上の身長を持つ。
身長が二倍なら、重量は二倍では済まない。腕を振るだけで広範囲を吹き飛ばし、踏みつけの衝撃だけで探索者を倒す可能性がある。
ヴァルクサスを素手で引き裂いたという証言が正しければ、攻撃力も規格外だ。
《巨体化》したビョルンが盾で受け止められるかさえ分からない。
ヒッパーマカント戦で使った、脚を攻撃して転倒させる戦術も、そのまま通じる保証はない。
挑むなら、移動速度、遠距離攻撃、咆哮の範囲、活動時間、島中央から離れられるかを調査する必要がある。
さらに巨大な穴へ落とす、地形を崩す、大規模拘束魔法を用意するなど、戦闘前に討伐用の戦場を作る必要もあるだろう。
聖水構築で見るべきもの
ヒッパーマカントの聖水は、強いスキルを得るだけでは構築が成功しないことを示した。
聖水を評価する時は、少なくとも四つの要素を見る必要がある。
得られる主力スキル。
上昇する基礎能力。
低下する能力や副作用。
魔物の本能が人格へ与える影響。
《丸まり》は優秀であり、基礎能力の上昇もアイナルに合っている。
しかし闘争心が低下し、能力を使う本人が戦わなくなれば、強化の意味が薄れる。
重要なのは、強い聖水だけを集めることではない。
欠点を相殺し、本人の役割と人格を維持しながら、最終的な完成形へ近づけることである。
まとめ
第528話では、ヒッパーマカントの聖水を取り込んだアイナルの能力が検証された。
《丸まり》は正常に発動し、三分間、全耐性と自然回復力を大幅に高める。
筋力、物理抵抗、魔法抵抗、骨密度なども上昇しており、身体能力だけを見れば優秀な聖水だった。
しかし、その代償として闘争心が大幅に低下する。
模擬戦を拒み、不要な戦闘を避け、雄叫びからも力が失われた。
聖水は魔物の能力だけでなく、本能や性格まで探索者へ与える可能性がある。
アイナルの構築は完全な失敗ではない。
《丸まり》と回復力は、不死系能力と組み合わせれば強力な生存手段になる。
ただし今後は、別の聖水や装備によって闘争心を補う必要がある。
残された三日間、遠征隊はヒッパーマカント三体を追加討伐したが、《歪曲》はすべて失敗し、魔石や聖水は得られなかった。
最初の一体で聖水を得たことが、極めて幸運だったと分かる。
実戦結果から、ビョルンはヒッパーマカントを二等級と三等級の中間となる「二・七等級」ほどと再評価した。
そして巨人島を離れた直後、島の中央から四十メートル級の怪物が姿を現す。
怪物は船を認識しながら追跡せず、島に残った。
巨人島の支配者、転移石の守護者、《巨体化》領域の発生源である可能性が高まっている。
次回以降は、アイナルの闘争心をどう回復させるのか、長老から転移石と巨大怪物の情報を得られるのか、そして四十メートル級の怪物をどのように攻略するのかが注目される。
▶ ガイドはこちら
▶ 他の話数はこちら
▶ 編まとめはこちら
▶用語・設定関連の記事はこちら(聖水まとめもこちら)
